2019年03月29日
盗む
昨日から今日にかけて、個人的にショックだったニュースが相次ぎました。
そして、それらのニュースの共通項は、皮肉にも
「盗む」
という行為にまつわるもので・・・。
まずは、こちら。
https://www.daily.co.jp/baseball/2019/03/29/0012190761.shtml
春のセンバツ高校野球、習志野対星陵。
試合中、習志野の選手がサイン盗みをしたというアピールが星陵からあったものの、結果的にはサイン盗みは認められなかった。
しかし、試合終了後に星陵の監督が習志野のロッカールームに乱入して猛抗議したという・・・。
ネットでも熱い議論があちこちで展開され、
「あれはアウト。サイン盗みは間違いない」
「サイン盗みの証拠があるなら選手をベンチに引き上げてでも試合中に決着するべきだ」
「負け犬の遠吠えに過ぎない」
等々、どの主張にもある程度納得いくものの、結局後味の悪い一戦となってしまった。
高校野球ファンの千葉県民としては、とても残念だ。
個人的な意見は・・・
「サイン盗みしたでしょ?」と言われて「はい、しました」って言う選手はいないでしょ。
高野連が定めた「サイン盗み禁止」なんてルールがそもそもおかしい。速やかに撤廃すべきだ。
サイン盗みも、サイン盗み対策も、頭脳プレー、技術のひとつ。
きれい事のごり押しはやめようよ。>高野連
あと、アンフェアなプレーに抗議をするのに、星陵の監督自らがアンフェアな行動を取るのはいかがなものかと。
習志野の監督から「試合後にロッカールームで恫喝された。自身はもとより選手たちに恐怖心を与えた」って訴えられたら、星陵の監督はどうするんだろうね。
高校野球が好きな千葉県民としては複雑な心境だが、もし自分が高校野球が好きな石川県民だったら「恥ずかしい学校が代表になっちゃったもんだ。もう星陵出ないでよ」くらいは思うだろう。
さて、そんなニュースでちょっとテンションが落ちている中、今朝飛び込んできたニュースがこちら。
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12275-232795/
勝海麻衣さん。
銭湯絵師見習い、モデル、そして芸大の大学院生。
最近は「Beats」のCMにも出演していて、地上波で彼女の姿を見られるのを嬉しく思った矢先の知らせです。
銭湯に詳しい知人から彼女の存在を知り、個展にも足を運びました(https://blogs.yahoo.co.jp/daikon_1980/43868856.html )。
それだけに、今回の盗作に関しては、正直胸を痛めているファンの一人です。
これに関しても様々な議論がネットで見られますが、叩く人の意見は大方の予想通り。
一方でファンを名乗っている人の意見は、こっちもやはり大方の予想通り。
とりわけ「イベントの主催者が本人の意に介することなく描かせたのではないか」という話もあり・・・。
そして、叩く側が擁護派に対しては「犯した罪を棚に上げて」と反論して・・・。
ただ、個人的に論点はそこじゃないと思う。
たとえば、生活に困っている人に対して、ある人が「ファミレスで食い逃げしたり、コンビニで万引きすれば生きていけるじゃない」と、心ないアドバイスをしたとします。
そして、その生活に困っている人が、アドバイス通りに食い逃げをしたり、万引きをして、やがて捕まったとします。
何でこんなことをしたのか。その問いに対して犯人が「だって、食い逃げしたり万引きすれば生きていけるって、あの人が教えてくれたんだもん」と言ったとします。
でも、罪を犯したのは食い逃げをした本人、万引きをした本人。当然裁かれるのも、罪を犯した本人です。
ライブペインティングで筆を手に取り、盗作を描いた。
この行為に及んだのは、他でもなく勝海麻衣さんなのです。
主催者がどういう指示を出したのか、どういう意図で描かせたのか、そんなことはどうでもいい。
厳しいことを言うかもしれませんが、盗作を描いた人が一番悪い。
この事実は変わりません。
なので、勝海麻衣さんがとるべき行動は、本来ならば原作者への最初のアクションで、盗作であることの一切を認め、言い訳をしない謝罪をするべきだったと思います。
自身が人に「謝る」ときに心掛けていることが、二つあります。
ひとつは「言い訳を絶対にしない」。
特に自分はお喋りな性分なので、相手から「言い訳をしていいよ」と言われたら、止めどなく自分を良く見せよう、少しでも許してもらえるように説明をしよう、と思い、必死で弁解するでしょう。
でも、謝るときにこれをやるのがいちばんみっともないし、相手に理解をしてもらえない。
「言い訳がましいことをくどくどと言うヤツだ」って思われるのが関の山です。
なので、たとえ相手が同情してくれて「ホントのところ、何があったの?」と言われても、聞いてほしい言い訳があったとしても、一切の言い訳をせず「悪いのは私です」としか言わない。
仕事で謝るときも、とにかく「担当は私なので、今回の責任は全て私にあります」で通します(といっても昔からできることではなく、最近ようやく言えるようになりました)。
もうひとつは「許してもらえると思って謝らない」。
自分は「謝ったから許してもらえる」「謝っているんだから許してあげなよ」という考えが、あまり好きではありません。
自分の犯した罪は一生背負っていくのと同じように、謝られた相手も、自分にされたことは一生忘れない。
そういうことを考えると、安易に許してもらおうなんて、到底考えられません。
言葉で「許す」って言われても、相手が心の中でどう思っているかはわかりませんし、その後犯した罪のことを言われても、仕方がないことだと思います。
この二つを心掛けると、「謝る」という行為は安易に行えず、それこそ謝らなければいけないときには相当な覚悟を必要とします。
そして、「謝る」ことは後回しにしてはいけない。
速やかに認めて、速やかに謝る。
これがなかなか難しいんですけれどね・・・。
自分は、悪いことをしたら「謝る」のは当然のことなので、謝る行為を褒めるのは好きではありません。
でも、謝ることを決意したその気持ちには、寄り添うことができる人がいると思います。
仕事なら、理解のある上司。
そして、表現者ならファン。
勝海麻衣さん。
あなたには、多くのファンがいます。
自分もその一人です。
世の中、謝って済まないこともありますが、もし原作者があなたを許さなくても、許してくれるファン、そして、謝る決心を讃えてくれるファンがいるでしょう。
あなたの次のアクションが、表現者としての矜持を持って、原作者に誠心誠意謝る行為であることを願っています。
ご自身で仰った「誠心誠意」を見せるときです。
期待しています。
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Posted at
2019/03/29 22:47:40
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