前回の記事はこちら・・・。
http://blogs.yahoo.co.jp/daikon_1980/42944786.html
【二日目 160821】
330、予定通り起床。
水で顔を洗えない違和感をおぼえながらも、ボディシートで顔と体を拭いてサッパリさせる。
富士山には「水と電気がない」ので、こういう経験も富士登山ならではかな。
ちょうど昨日の時点で水分が底を突きそうだったので、水とポカリスエットを1本ずつ購入する。
いずれも500mlのペットボトルで、1本400円也。
富士山にはゴミ箱もないので、基本的に出たゴミはナーホ・・・もとい、持ち帰らなければならない。
しかし、ペットボトル飲料に関しては、購入本数と同じ数だけの、空いたペットボトルを引き取ってくれる。
特に明記されていることではないが、暗黙の了解事項といったところか。ご参考までに。
登山に備えてパッキングをしていたら、パーティーのメンバーから
「外は星がキレイですよ」
と教えてもらう。
悪天候での足場に不安を感じ、初日に封印していた一眼レフカメラを意気揚々とザックから取り出す。
ダッシュでパッキングを終えて、急いで山小屋の軒先に出る。
星がキレイ。
視力には自信がない自分でも、星空がハッキリと見えた。
近場のカメラを置ける場所に一眼レフカメラを置いて、ブレないように撮影する。
既に朝焼けも姿を現していて、星空よりもそっちに光量を奪われてしまったかな。
それでもキレイな景色を撮ることができて大満足だ。
そして何より、星空が見えるということは、登山中の天気が良いことに期待できるということでもあった。
430。
身支度をバッチリ整え、パーティーは早速頂上を目指す。
このときのために購入したヘッデンも、日の出の頃まで大活躍だった。
登山して早々に、角度のある険しい岩稜帯が続く。
星空が見えるような天気だったので奇跡的に風が穏やかだったが、これが風速十数メートルだったら命の危険を感じるのも無理はない。
周囲に風を遮るものがない単独峰の富士山は、基本的に「風が強い」ことで有名なのだ。
いや・・・この岩稜帯、風がなくても相当危ない。
富士登山吉田口ルートで最も気を引き締めて登らなくてはいけないのは、この七合目から八合目の岩稜帯ではないだろうか。
下を見たらビビって腰が抜けてしまうだろうと思い、意識的に前と足元だけを見ることにした。
自ずと足の指先に力が入り、登山の足運びも慎重になる。爪先だけでよじ登ることもあれば、ときにはストックを片手にまとめて携え、手を使って登る場所もあった。
岩稜帯を抜けた頃であろうか。
この日のメインイベントのひとつであろう、ご来光を登山道から拝むことができた。
山頂でなくてもご来光は十分キレイで、感動的だった!!!!!
前日は大雨に見舞われていたというのに、こんなにキレイな日の出を見られただなんて、何て幸せなのだろう。
その後も雲の表情が頻繁に変わっていったが、総じて天気は快晴に限りなく近い晴れ。
陽差しが体力を奪っていく・・・らしいが、個人的にはあまり実感がなかったかな。
元々気温が低いし、そんな中で長時間にわたる運動をしているからだろうか。
寧ろ陽差しが体力を奪っていくことを実感したのは、鋸山や筑波山のときかな(笑)
小休止をしたところでは噴煙が上がっている浅間山、そして日本で二番目に高い北岳と、三番目に高い間ノ岳を拝むことができた。
実は登山前、登山経験が豊富なパーティー仲間との雑談で
「(お喋りな)だいこんさんが、酸素が薄くなったときに黙ってしまう様子を見てみたい(笑)」
ということを言われていたのだが、結果的には高度3600メートルを超えてもだいこんのマシンガントークは健在だったことを報告しておく(汗)
「この標高で、(一節の中で)息継ぎしないで言い切るなんて、スゴいね!!」
と言われてしまう始末だ。
だいこんの肺活量は、確かなものだったらしい。
でも、あれですよ。
仲間が辛い登山だと感じていて挫けそうになったとき、自分は何か楽しいお喋りをしてその気分を紛らわそうと、妙な使命感に駆られたことは否めません。
手前味噌ですが、いつもと変わらぬ調子で楽しくお喋りしていたので、笑うことで体力を奪われない程度に楽しんでいただけたとしたら幸いですね・・・。
820。
この日に登山を始めてから3時間50分が経ったときである。
パーティー一行は、無事吉田口の山頂(標高3610メートル)に到着したのであった!!
仲間には(先輩登山者だが)スタミナ切れで列の後方で登山した人もいたが、事故や怪我もなく全員で富士山頂まで来られたのは本当に嬉しかった。
だいこんともう一人の仲間は、ひとまず目的のひとつである久須志神社を参拝し、御朱印をいただく。
しかし、だいこんの目標は吉田口山頂だけではなかった。
吉田口山頂からもう一踏ん張りしなくてはならないのだが・・・天気も良かったし、トークも先述の通りだったから、次の目的地へ行くのは楽勝だったかな(^^;
(続く)