だいこんの地元から見ると隣町にあたる、千葉県柏市。
市の中心地となる柏駅前には、二つの大型百貨店がある。
西口に「髙島屋」。そして、東口に「そごう」。
だいこんの物心がついたときから、柏駅前に当たり前のように存在していた。
大きく報じられたので、ご存知の方も多いと思う。
柏駅前の「そごう」が、今年の9月で閉店することが発表された。
だいこんが子供の頃は、「髙島屋」より断然「そごう」派であった。
ちなみに母親は昔から今日に至るまで頑として「髙島屋」派であるため、「そごう」に連れて行ってもらう機会は殆どなかった。
それでもなぜ「そごう」派だったのかといえば、「そごうには鉄道模型売場があるから」の一言に尽きる(その頃からもうそんなでした、ハイ)。
やがてだいこんが一人で動き回ることができるようになった頃、「そごう」の鉄道模型売場はなくなっていた。
後に「そごう」が未曾有の経営破綻という時代を迎えようとは、当時二十歳そこそこのだいこんにはとても想像できない出来事だった。
通学で使っていた八王子にも「そごう」があったので、決して無関心な出来事ではなかったことを覚えている。
大人になっただいこんは、すっかり「髙島屋」派に。
「そごう」に足を運ぶ最たる理由(鉄道模型売場)はなくなり、一方の「髙島屋」に目を向ければ、食料品売場に「柿山」がある時点で圧勝(笑)
他にも、雨に濡れず駅から店内へ入れるとか、販売されている紳士用品の質が良いとか、ここ最近では若者向けの「新館」も増築されて店内の食事処も充実していたりと、「髙島屋」へ足を運ぶ理由はいくらでもある。
幼き頃の「そごう」の思い出を、頭の中の引き出しの、ずっと奥の方にしまい込んでいた今日この頃。
「そごう」柏店の閉店が発表され、その記憶を一気に手の届く場所へ引っ張り出すきっかけとなった。
ある日、久しぶりに「そごう」柏店に足を運んでみることにした。
建物の上には回転レストランが見える、柏駅前の当たり前の光景。
この建物がもうすぐ、百貨店としての役目を終えようとしているだなんて、とても信じられないくらい威風堂々とした佇まいである。
腕時計に目をやると、あと数分で17時になる、というところだった。
ペデストリアンデッキとつながっている2階入口のすぐ脇に、大きなからくり時計がある。
毎時00分には賑やかな音楽とともに、文字盤から何体もの人形が出てくる筈・・・なのだが。
17時になって時計に訪れた変化は何もなく、平然と鐘を鳴らすだけ。
少し覚悟はしていたことだが、「そごう」が東京ディズニーランドのアトラクション「イッツ・ア・スモール・ワールド」のスポンサーを降りたタイミングで、からくり時計は稼働しなくなった。
帰宅してから調べたところ、2008年4月15日でからくり時計の運用を終えたそうだ。
「そごう」から少し離れた柏駅の出入口からもはっきりと見えた「からくり時計」の音と動きは、とうの昔に過去帳入りしてしていた。
閉店の発表後に訪れたということと、からくり時計が動かない現実を見せられ、柏駅のペデストリアンデッキで、一人淋しい思いをして「そごう」をあとにするのだった。
【参考】
https://www.youtube.com/watch?v=Ao4NKR-zoEs
Posted at 2016/03/17 23:24:30 | |
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