小学生の頃だった。
君はミュージックホーンを鳴らして、あっという間に柏駅を通過していった。
それが僕の前で初めて魅せた、「タキシードボディ」の君の姿だった。
尾灯がLEDだなんて、驚いたよ。
初めて君の姿を見たときの興奮を、今でも忘れていない。
時は流れ・・・お互いトシをとったものだねぇ。
お洒落な君は、思いのほか老いを感じさせない。こっちはいい大人になっちまったというのに。
大人になったから「憧れの存在」だった君に、切符を買って乗れるようになったよ。
内装は少し変わっていたけれど、君の自慢の俊足を経験するということは、本当に嬉しかったものだよ。
気合いを入れて上野から仙台まで乗ったんだぞ。いい大人だって、子供のようにはしゃぎたかったさ。
・・・そんな君も、引退かぁ。
今でも素知らぬ顔で常磐線を走っていそうなものだけれど、もう叶わぬことだなんて、信じられないな。
寂しいけれど、常磐線で君の姿を見ることはもうできない。
有り難う、651系。
「常磐線で」なんて贅沢は言わないから、また何処かで君が元気に走っている姿を見たいものだ。
また何処かで君に乗れたらいいな。そのときは、乾杯しようぜ。
Posted at 2013/03/22 01:05:35 | |
トラックバック(0) |
鉄道 | 趣味