
前車 GJアテンザでの本革巻き替えに続いて、現車 KG CX-8 でも本革巻き替えにトライしました。
過去のブログ(2016年):
自作の 「ステアリング本革巻き替え」
<現車の巻き替え難しさ>
前車での巻き換え時には、
「革の伸びと縮みの調整」
に苦労しましたが、
今回 最も苦労したのが
「革の繋ぎ目の縫製」
でした。
というのは、
前車のステアリングと違い、現車のステアリングは「革の繋ぎ方」が違う為、非常に苦労しました。
①前車GJアテンザワゴン(中期)のステアリングは、繋ぎ目(縫い目)がステアリングの中心から放射線状に伸びた線ですが、
現車CX-8のステアリングは、欧州車で多く採用されている平行な線状になっています。
下の写真を見て頂けると判り易いと思いますが、一般的なものは左右対称の繋ぎ目がシンプルな形状になりますが、
平行なタイプは左右で全く違い、縫い合わせるのも非常に苦労します。
左右非対称の物を縫い合わせる・・・というのが、凄く大変で、縫製テストを何度も何度も行いながら、何とか使えそうなものができる様になりました。
(詳細の説明は省略しますが、この左右非対象のものを立体的に縫製するのは本当に大変でした・・・。)」
<ステアリングヒーター無し>
前車での「
自作のステアリングヒーター」 ステアリング革巻き替え時にもUPしましたが、純正のステアリングヒーターは、ステアリングの革の裏面にシート状に貼られているので、革の巻き替え時にステアリングヒーターを移植する事は出来ません。
(↓ステアリングヒーター装置のイメージ写真)
よって、冬は純正のステアリングヒーターの付いたステアリングを使いますが、それ以外の時期ならステアリングヒーターが無いステアリングで大丈夫なので、この時期に交換する事にしました。
<今回の巻き替えで掴んだコツ>
前車でのステアリング巻き替え時は、とにかく
「ちゃんとした型紙を起こして、型紙通りに作る・・・」
というやり方でしたが、革は場所によって(元の牛の年齢や部位によって)伸び方も変わるし、その微調整が大変でとても苦労していました。(革が伸びてシワになってしまったり、革の長さが足りなくなるなど、やる度に様々なトラブルが発生し、その対応が大変でした。)
しかし、YouTube等を見ていると、業者さんでも 完全な型紙は起こさずに、ある程度の型紙を起こした後は、それぞれの革の伸びに合せて都度微調整して製作している事が判りました。
つまり、
「ある程度の型紙を起こして、後は現物合せで微調整しながら製作する・・・」
というやり方に替えました。
具体的にいうと、今回は、ステアリングの表側はちゃんとした型紙を起こし、裏側はラフな型紙(やや大きめの型紙)で革を切って、革4枚を縫製し、純正革を剥がしたステアリングに仮装着し 裏側の革の形状を現物合せで微調整しながら製作することにしました。
つまり、表の革の形状に合せて、裏側の革の切落し形状を調整するという手法です。
それから、ステッチを入れる穴あけを行い、ステッチを入れていくことにしました。
ことばで言うと、「それだけのことか・・・」と思われるかもしれませんが、それでもかなり苦労しました。
<繋ぎ目の縫製で苦労したこと>
前述の様に、ステアリングの革の繋ぎ目形状が変わった関係で、革の繋ぎ方も全く変わってきました。
写真を見て貰うと判るかと思いますが、
従来のステアリングの繋ぎ目は、真っ直ぐなので、革の形状も非常にシンプルで、単純に2枚合せて縫製すればよいので楽なのですが、
今回の繋ぎ目は、(見た目は斬新で良いかもしれませんが)、この繋ぎ目を実現するためには、革の形状も 全く別形状であり、この全く違う形状の革を縫い合わせつつ、ステアリング素材の溝にしっかり合せるのは、非常に、非常に苦労しました。
繋ぎ合せる革の幅も左右で9mm程度違うのですが、
幅の違う物を縫い合せて同じ幅にしなければならないし、左右の革の端を綺麗に揃えながら縫製するのも非常に大変でした。
この繋ぎ目の革の形状の型を起こしたり、その繋ぎ目の縫製練習だけで、20回以上も試行錯誤しながら練習したのですが、この作業だけで数ケ月も掛かってしまいました。
縫製も、普通のミシン(「押さえ」)では縫えないので、特殊な「ローラー送り」送りを装着した「17ミシン・筒ミシン」と言われるミシンを使って縫製しました。
ここまで来るのにも本当に大変で、もう諦めようかと何度も思ったくらい苦労しました。
<作業の流れ>
以下の説明は、全て私の「自己流」で、業者さんの工法と比べる間違った方法になっている部分もあるかと思いますが、その点は充分にご理解の上、目を通してください。(参考程度に見て下さい)
①革の型取り
→純正の革を元にして型を起こしますが、実際に巻き替えに使用する革に合せて微調整する必要が有ります。
また、革によって伸び方が変わるので(もともとの牛のどの部位の革かによって変わるし、牛の年齢によっても柔らかさが変わるようです)、実際に使用する巻き替え用の革に合せてステアリング素材の外周の長さの94~96%の長さでカットします。
どの程度伸びるかは、革を引っ張って確認しながら革を切り出しました。
今回使用する元々の革は1.5mm厚程度でしたが、そのままだと革の繋ぎ部が膨らんでしまい、綺麗に仕上がらないため、繋ぎ目部分の革を斜めに「革漉き」(断面を斜めに薄くする)し、縫製しました。
また、縫製後に、縫い目の3mm程内側に溝を掘り、縫い目が綺麗にステアリングに密着する様にしました。
これをしないと革の繋ぎ目が膨らんでしまいます。
②繋ぎ目の縫製
(前述の様にこの作業は非常に苦労しましたが)、立体的に革をボンドとホチキスで仮合せしながらミシンで縫い合わせます。
実際には、10mmほど長めに革を切り出して、縫製後に、余分な部分を切落しました。
でも、型取りが出来てからは、これまでの経験も活かして、比較的順調に進めることが出来ました。
ステアリングの巻き替えも、毎回配色に迷いますが、第一弾としては、ホワイト内装に併せて、「ブラック×アイボリーホワイト」の配色にしました。
③ステッチ入れ
ステッチ入れの基本的な作業は、前車GJアテンザ時の作業内容と同じ部分が多いので、以下のブログを参照いただけると、イメージが沸くかと思います。
自作の 「ステアリング本革巻き替え」
<完成・装着>
とりあえず、装着してみようと思えるものが出来ました。
あくまで、素人がこの形状のステアリングの革巻き替えを行った割には順調に出来たとは思いますが、業者さんの様な出来栄えには程遠い出来栄えでした。
せっかく巻き替えたから現CX-8に装着してみました。
ホワイト内装の車にこの配色は非常に合いますよね。ホワイトの革はちょっと汚れ易いのが難点ですが・・・。
今後、時間が取れれば、もう一度作り直してみたいと思っています。
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車いじり | 日記
Posted at
2021/09/25 19:56:05