ある物を捜しに倉庫に入りまして、見つけてしまいました・・・・・・・・・・・
目的外の物を、手にとってしまったのが運の付き!
以前に、無線をやってる人に進呈したいと私に連絡が有りまして、軽トラ一台分もらった中に有ったアンテナらしき物です。
物は、タイトル画像中の一本だけです。
トップエレメントが足りないのですが、手にとって見ていましたら、何とか成りそうな予感が・・・・・・・・・
◎此方の方も、車弄り以上に好きな分野なのです。
このアンテナはスリーブアンテナと言って、構造の簡単な動作原理も知っているアンテナです。
メーカーは、スタンダードマランツ製で、業務無線局用らしく寸法や構造的な構成部品から見て大体の動作周波数が分かりました。
現物のスリーブ寸法から、150メガヘルツ~160メガヘルツ位だろうと辺りを付けて検証して見る事にします。
ただ、肝心の部品が足りないのです。
それは、トップエレメントの部分で、ステンレスの1ミリ径で50センチ位の長さであると想像します。
手持ちの材料を見つけて実験しようとしましたら、問題が起こりました。
先端のエレメントを取り付ける部分で、エレメント固定用に入っているネジが緩まないのです。
ただ緩まないのではなく、ホローセットスクリュー(六角穴付き止めネジ)の穴がなめていて、レンチがスリップしてしまい、回りません!
それで使用しなかった可能性が大です。
これがそのパーツです。
このネジを緩めない事には、如何にもならず!何とかして緩めないと、先に進めません。
駄目ならワンオフで製作しないと、アンテナとして成立しない要のパーツです。
緩まない止めネジと格闘する事になってしまった。
まずは、浸透潤滑剤を吹きかけて暫く放置して、きつめのマイナスドライバーを叩き込んで回すが、動く
気配無し。
何しろ、掴み所が表に出ていないうえに、六角穴がなめてしまっているので、力が掛からないのです。
しかも、ネジの径は、3mmと言う細さゆえ逆タップも使えません。
もう一つの手段で、熱を加え手見ましたが効果なし!
で!、最後の手段は、熱を出来るだけ加えて硬度の高いホローセットスクリューネジをなまして置き、ハイスのドリルでネジに穴を空けてしまい残骸として取り出すと言う荒業に兆戦しました。
ドリルが逃げてしまい、ネジからそれてしまう可能性も有ります。
ドリルの径は、2,3ミリと言う太さですから食い込めば折れます。
困った事に母材は、真鍮、ネジは硬度の高い鉄なのですからリスクは高いのです。
材質が逆の構成だと、全く問題無くネジを抜き取れるのですが・・・・・・・・・
ドリルが逃げそうに成るのを、ドリルの軌道修正に神経を集中して何とか成功しました。
ホローセットネジの残骸に打撃を加えて、排除出来ました。
メスネジは、殆ど無事に残せました。
画像の手前から二番目のアルミ製のチューブは、訳が有ってエレメントに採用しました。
本来は、1ミリのステンレス線をエレメントに使用する心算でいましたが、別の思惑が有りましてアルミチューブに変更です。
ネジを抜き出したパーツは、外径が6mmですから内径6ミリのチューブなら被せる事が出来ます。
その事は、アンテナとして重要なある事に有効な性能向上に期待出来るのです。
それは、カバー出来る周波数帯を広げる事と、全長を短く出来るメリットをもたらします。
もう一つ!エレメントを太くすると丈夫に作れて、表皮面積を稼ぎ、僅かな利得UPも期待出来るのです。
実験的に、本来の細いステンレス線を仮に付けて計測して調整してみましたら、信じられない程広帯域をカバーします。
118メガ帯から170メガヘルツ帯まで広範囲に共振しています。
巧く調整すれば、アマチュア無線の運用から、下は航空無線の受信まで、上は業務無線の運用まで可能の状態でした。
元のスリーブの長さは変えていませんから、150メガヘルツ帯から170メガヘルツ帯までが共振しやすいです。
少し専門的に成りますが、画像の一番手前が給電同軸ケーブルの中身です。
RG58Uと言う一般的な物で、50オームの同軸ケーブルですが、4分の1波長分を加工して75オームに変更して有りました。
これは、この構造で作られたアンテナの給電インピーダンスが75付近に成る為、整合を取る目的のインピーダンス変換が必要と成ります。
この部分が、このアンテナ(空中線)の肝である部分ですね!
アンテナとは、機械的な構造をしていますが、電子回路の一部と考えられます。
言い換えますとLCR(L=コイル・C=キャパシタンス・R=抵抗)の集合回路です。
この電子化路が使用周波数と共振すると、電磁波が強力に飛び出す事で送信が可能となります。
受信も同じで、受信信号を効率良く巧く受ける事が出来るのです。
欲張って、アマチュア無線で使用する帯域を最良に調整して、さらに航空無線の受信もカバーするように
調整出来ました。
先に説明した、エレメントを新調する際にアルミチューブで太くした効果で、帯域幅の確保がしやすくなったために実現出来たと思います。
以下に、調整実測値をUPします。
アマチュア無線バンドの中心周波数です。
左側のメーターは、指示値が低いほど送信効率の良さを表しています。(完璧な指示値ですね)
右側のメーターは、アンテナの固有インピーダンスを示します。(略50Ωを指示しています。理想的です)
送信機のインピーダンスと合致していて完璧です。
業務無線帯も良好に使用可能
こちらは、航空無線の周波数帯です。
指示した値は良くありませんが、送信する訳では有りませんので問題無し。
それでもプロの間では、十分送信に耐えるVSWR値です。
(プロの実用VSWR値は、2以下とされています。赤のメモリまで実用範囲内)
VSWR=ボルテージ・スタンディング・ウエーブ・レシオと言います。
日本語で、定在波電圧比と言いまして、アンテナから出て行く高周波(電磁波)と、伝送ケーブルを戻ってくる高周波との比を言います。
左のメータの指示値は、戻って来る高周波の値を示していますので、少ない程理想的なのです。
組み立て前の各パーツです。
アルミチューブに換えた、ラジエターエレメント(8mmハイ1t アルミチューブ)
構成全パーツ
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完成しました。(アルミ保護塗装前)
実は、その他の物も見付けてしまっていました。
倉庫には、入らない方が良いのかも??????デス!