センターに写る、黒いアンテナの調子が悪く成っている事を、アンテナアナライザーで見付けました。
V,SWR値が悪く、反射波が3割位の位置をメーターが示していますので、アンテナを下ろしてきました。
このアンテナは、テレビの廃品パーツを利用していて、安価に作れます。
新しく、ヤフオクで仕入れた新品のアンテナを設置しましたので、下ろして来てゆっくり落ち着いてメンテナンス出来ました。
周波数は、144MHz、通称2メーターと呼ばれている、VHF(超短波)のメジャーな周波数です。
病院から帰り、暇が有りましたので夕刻からアンテナを下ろして来ました。
早速分解します。
給電部分です。(此れまでは、右側に、コネクターが付いている状態でした)
この部分を、大幅に改造します。
訳は、これで2度目の改造と成るのですが、元のままでは少し説明が付かない寸法に出来ていて、曲がり乍らも何とか動作している様な感じです。
基本的な寸法には問題が無いのですが、給電部分の位置が違うと思い始め、給電ボックスの向きを上下反対にして、最適な給電位置を探ります。
動作原理は、J型アンテナの変形ですが、スリム・ジムと言う名が付いている物で、J形アンテナに折り返したエレメントを下向きに延ばし、下部のUバランとの間にエアーギャップを設けた事に因り5/8λ2段GPグランドプレーンと互角か、それ以上のゲインを持つ高性能のアンテナです。
このボックス内で、エアーギャップを保持しています。
下部のUバランの寸法に疑問を持ち、どうもU字部分が短い(電気的1/4波長、)そこで、給電ボックスを上下ひっくり返して、給電部分までの長さを稼ぐことにしました。
此れがまぐれで大当たりの巻き!
給電位置を替えたり、コネクターからの給電線の長さや、引き回しを変更する事を繰り返し、V,SWRの追い込みを掛けます。
で!結果ですが、V/SWRは、145.000付近で1:1に追い込めて、現時点では最高の状態に出来ました。
本アンテナは、高いゲインで高帯域をカバー出来る、極めて素晴らしいしい特性を持ちます。
その様子を、画像で証明します。
V,SWRが1.5付近を例に、下の周波数が142MHZ付近でも、1.5位に収まります。
上の方は、150MHzまでカバーします。
145MHZ付近は、V.SWRは1:1に限り無く近い数値で、ベストな状態に仕上がりました。
155.900MHz付近も、かなり良い値を出しています。
何方かと言うと、145MHz帯の途中から1、5MHz幅位は最良の値で、文句の付けようがない感じでした。
(もう少し追い込む事も出来ますが、測定している計器の誤差も有りますから、こんなものでしょう)
144.00付近は、
測定している様子です。
自作のアンテナですが、何故この様なミスをしたのか?、後で考えると不思議なのですが、10年以上前にも修正した時は、充分使える様に成っていたのです。
その原因は、広帯域の高利得と言う特徴から、普通に使えてしまったのも、原因かも知れません。
今回新しいアンテナ(メーカー製)を設置しましたので、その性能を比較して見ましたが、自作のこのアンテナの方が、送信、受信共に、良い結果でした。
しかし測定して見ると、無線機に対しては、安全使用範囲のV,SWRの許容値がぎりぎりで、このまま使用するのは躊躇してしまいます。
そんな訳で、整備をするに下ろして来たのです。
製作した当時は、何と調整がクリチカルな特性だと思ったのですが、何処かでマッチングセクションの位置を間違えたのだと思います。
今回問題を見付けて改修した感じでは、調整は可也楽でした。
長年屋根の上に在った為に、接続部分が酸化して不安定に成っていたのだと思います。
改修した部分は、マッチングセクションの位置を変えて給電接続部分を再調整しただけで、エレメント寸法は、弄りませんでした。
Uバランのマッチングの長さを、少し変化させては見たのですが、悪い方向にしか変化しませんでした。
本来は、同調点をもう少し下げたい所です。
其れには、上部のエレメントを少し伸ばす調整が有りますので、今回は止めました。
次に、このアンテナをメンテナンスするのは何時なのか?
生きている内に、もう一度弄る事が出来るかもわかりませんが、次には作り直す事に成ると思います。
材料は、殆ど揃えて有りますけれど・・・・・・・・
最後まで、見て頂きましてありがとう御座いました。