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FD3SのCPUを現車セッティングするときは必ず排圧を測定します。
タービンのEXハウジングもしくはEXマニホールドに穴を開け、
タップでねじを切ってセンサーを取り付けます。
排圧は、タービンの種類によって違いますし、
同じタービンでもEXハウジングのサイズによっても変わります。
A/R●●と表記されている数値がそれで、数値が小さいものほど排圧が高くなる傾向です。
排圧が高いことのメリットは低回転でブーストがかかりやすく高レスポンスなことですが、
半面、高回転でさらに排圧が高くなるため、エンジンにストレスを与えることになり
ノッキングを誘発しやすくなります。
また、排圧は排気系パーツの抜けの良さによっても変わります。
タービンはそのままで、純正触媒からスポーツキャタライザーに変更するだけで
排圧は低くなります。
特に高回転時の排圧が大幅に下がるので、
エンジンのストレスも軽減されノッキングも起きにくくなります。
エンジン全開率の高いサーキット走行時には特に有効で、
逆に言うと、富士本コースのような長時間全開走行するには純正触媒では避けたいところです。
今回現車セッティングで預かったFD3SはTO4Z仕様。
数年前に現車セッティングを施しているのですが、
排気系パーツを変更したのでリセッティングの際も排圧を計測しながら進めます。
排圧測定には、もう廃盤になりましたが、TRUSTからツインプレッシャーメーターという
とても便利なメーターを使っています。
2種類の圧力を1つのメーターの中に表示してくれるもので、
ブースト圧と排圧を同時に見ることができるので、
「まだ大丈夫」なのか「そろそろヤバい」のかを、
2本の針の位置(角度の差)で視覚的に判断できるというスグレモノです。
しかも、機械式なので超正確。
排圧のホースを分岐させ、5Vの圧力センサーで電気信号に変えてログを取り、
「この吸排気の仕様だとどこまでブーストをかけることができるか」の判断をします。
ということで、センサーを取り付けるのに少し費用はかかりますが、
正確なセッティングをするためには不可欠なのでご理解くださいね。
あ、うちでシングルタービンに変更するときは、
その時点でタービンに排圧計取り付け用の穴を開けてタップを切っておきますので
追加作業は不要です。
排圧計セッティングの具体的な進め方は、そのうち「その2」で説明しますね。
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Posted at
2017/05/03 02:19:17