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ぼくは会社で万年筆を使っています。
6年前に父が他界したときに遺品整理をしていたら出てきたので、
おふくろと妹に許しを得てぼくがもらうことになったものです。
親父は日ごろ慎ましいというか、物欲があまりないのか、贅沢を好みませんでしたが、
こだわりを持っているもの(事)には惜しまないという性格でした。
たぶん、ぼくの性格の半分は親父のそういうところを引き継いでいるのかな。
そんな親父が使ってた万年筆だから、きっとそれなりのものなんじゃないかな。
ということで引き継いで使おうと決めたものの、当然のように中のインクカートリッジは固まってる。
しかも、カートリッジを引き抜こうとしたらぽっきり折れてしまい、
折れた半分のカートリッジは本体の奥に残ったままになってしまいました。
工具を使ってほじくり出すこともできず、どうしていいのかわからないので、
とりあえず水に浸けてふやかす作戦にしました。
ブルーブラックに染まる水を毎日交換すること1週間目くらいでようやくさほど染まらなくなったので、
ペン先を持ってカートリッジとは逆方向に引いてみると、するっと引き抜けました。
へぇ、こうやって分解できるんだ。
偶然、万年筆の分解方法を習得してしまいました。
折れて残っていたカートリッジの半分も無事に取れたので、本格的に洗浄したのちに
新しく買っておいたパーカーのブルーブラック色のカートリッジを挿しました。
あたりまえだけど、普通に文字が書けました。
あまりにも普通すぎて、あっけなさすぎて、さほど感動しなかったような気がする。
親父の形見の万年筆の復活なのに、感動した記憶がないくらいあっけなかった。
ブルーブラックのインクカートリッジ5本セットの4セット目を使い切ろうという頃、
ぼくの友達がコンバーターなるものを教えてくれた。
カートリッジの代わりに挿して、ボトルに入ったインクにペン先を浸けてインクを吸い上げるという
なんともめんどくさいアイテムです。
メリットとしては、インク代が安上がりなだけじゃないかな。
でもね、そうじゃないのよ。
文字がかすれてきたときにボトルを取り出し、インクを吸い上げるとき、
めんどくさいことをしているのに、このひと手間になんだか幸せを感じるのですね。
会社でブルーブラックのインクの万年筆を使い始めてちょうど6年経つわけですが、
メカニックに申し送りする【 作業依頼書 】を書くとき、
重要な箇所などにはピンク色のボールペンを使ってたんですね。
そうだ、もう一本万年筆買おう。
文具にさほどこだわりのないぼくはLAMYのやっすい万年筆を買いました。
前から気になってたピンクの本体の。
すんげぇポップです。
急にポップ。
当然こいつにもオプションのコンバーターと、ピンク色のボトルインクも一緒に。
3つで4千円とちょっと。
やっすいなぁ。
書き味は … ちょっとペン先が堅いかな。
しなりが少ない。
万年筆特有の筆圧で線の太さが変化するということもなく常に細字。
しゃーないね、パーカーさんの18Kだかのペン先と比較しちゃかわいそうだわね。
でもお気に入り。
手に入れて気づいたんだけど、インクボトルの形がローター型なんですね。
文具にこだわりがなかったはずなんだけど、ここまでテンション上げてくれるとは思ってなかった
ってくらい、お気に入りです。
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超個人的なひとり言 | 日記
Posted at
2020/04/13 01:42:36