
「
ブリス」を乾燥状態で塗ってもいいですか?
とのご質問を頂きました。
おそらくこのお客様は、一度に厚めのコーティング被膜を作りあげて、より光沢を出そうとしているのでしょう。
もちろん「
ブリス」を乾燥状態で塗ることも可能ですが、作業方法や施工用品がガラっと変わってきます。
一度の施工でより輝かせようとするのですから作業は難しくなって当たり前なのです。
説明書通り濡れた状態から「ブリス」を施工したほうが洗車傷の付着も抑えられますし簡単に手早く仕上げることができますが、一度「ブリス」の輝きを体験してしまうと、もっと輝かせたい!もっと光沢を!と欲張ってしまう物です。
と言うことであまりお奨めしたくはないのですが、このブログを見ている
みんカラユーザー様だけ特別に「ブリス」の乾燥施工方法を伝授いたします。
まず車両は、しっかり下地処理を行って鉄粉や輪ジミ・スポット、洗車傷を除去してから
油脂成分の除去に強いカーシャンプーで洗車を行い乾拭きまで終わった状態に準備します。
この段階でかなり綺麗な状態になっているでしょうが、現状の光沢をさらに厚くして長期間保護するために乾燥施工を行います。
※乾燥状態でボディを触りますので必ず風のない日に行いましょう。(もちろん濡れている状態での施工も風の弱い日のほうが良いですよ)
強風の日は、ボディ上に砂ボコリがのってしまい、それをクロスやスポンジで引きずることになりますから洗車傷を付着させてしまう可能性が発生します。
せっかくより光沢を出そうと乾燥状態で施工しているのに洗車傷を増やしてしまってはもったいないので、ここからの作業は丁寧に力をかけ過ぎないようにいきましょう。
・乾いたボディに「ブリス」をまんべんなく塗り延ばしていきます。
※直接ボディに液剤を吹きつけずにスポンジに「ブリス」をつけて塗り延ばしていきましょう。
直接ボディに液剤を吹きつけると厚い部分と薄い部分が発生して仕上げ拭きが大変になることがあります。
なるべく薄めに均一にのばす感覚で作業していくと良いでしょう。
ボンネットで4~10プッシュくらいの使用量になるはずです。
※塗り残しがあっても拭き取り時に「ブリス」の液剤が延びていきますが基本的には塗り残しがないように延ばしていきましょう。
細かい部分(エンブレム周り等)にも綺麗に液剤が塗れている状態にしておいたほうが良いです。
※濃色系の車両は、スポンジに圧力をかけすぎないように注意して延ばしていきましょう。
スポンジに圧力(重さ)をかけなくても液剤は延びます。
洗車傷が多い車両は、強風の日に洗車しているか、スポンジやクロスに力をかけすぎているかのどちらかのケースが多いです。
スポンジの端っこをつまんで引っ張るだけでも液剤は延びますので重さをかけ過ぎないように注意しましょう。
※どうしても綺麗に塗り延ばせないときは鉄粉がボディに多く付着しているケースが多いです。
鉄粉除去をやりなおすか、液剤使用量を増やすか、スポンジを濡らして軽く絞った状態で使用すると良いでしょう。
・「ブリス」を塗り広げ終わったら乾拭き作業に入ります。
※ここで放置して乾燥させたほうが良いこともありますが全体に塗り延ばしているときに10~20分程度は放置乾燥できてますので塗り延ばし終わったらすぐに拭き取りに入って問題ないですよ。
あまり乾燥させすぎると拭き取り作業が大変になります。
※拭き取りには濡らしてから硬く絞った「
スーパーゴールドクロス」を使いましょう。
マイクロファイバーは濡れている状態のほうが、かき上げ性能が高い状態になります。
液剤に付属しているループ状のセカンドクロスでも拭き取りできますが「スーパーゴールドクロス」のほうが洗車傷が発生する確率を下げることができ均一に拭き取ることができ綺麗に仕上がります。
乾燥施工を行うのであれば必ず「スーパーゴールドクロス」を使用しましょう。
※力をかけすぎないように注意しながら「ブリス」の拭き取り作業を行います。
スポンジで液剤を延ばすときとは違いクロスは、ある程度の重みをかけないと液剤の余剰成分を拭き取ることができません。
水分を拭き取るだけならばクロスの端っこをつまんで引っ張る方法でも良いのですが「ブリス」を拭き落としていきますので軽く重みをかける感覚で拭き取っていきます。
回数を重ねて慣れていくと良い拭き取り圧がわかってきます。
※クロスをこまめにすすいでホコリや砂が付着していない状態で拭き取り作業を行いましょう。
ボディ上を拭き進めることで目に見えない微粒子や砂ボコリがクロスに付着します。
そのまま拭き取り作業を続けると洗車傷を増やしてしまいますので、こまめにしっかりクロスをすすいで硬く絞って綺麗な状態で拭き取り作業を行いましょう。
※クロスは1方向にまっすぐ動かしていきましょう。
理論上、進行方向の逆(後ろから前)が良いとされていますが1方向であれば問題ないようにも感じます。
後ろから前に向かって拭いたら、クロスを持ち上げてまた後ろに持って行き前に向かって拭き取ります。
重要なのは「1方向に拭く」ことですので前から後ろで拭き始めた方は最後まで前から後ろを守りましょう。
1方向に拭いていったほうが仕上がりも早く折り返し部分の被膜厚にムラが出ることも減ります。
※たまに車両から離れて遠目で拭きムラを確認しつつ拭き取り作業を続けていきます。
綺麗に拭き取れているようでも見る角度を変えると拭き取りきれてない部分があったりします。
ちょこちょこ遠目で光の当たっている部分を動かして確認しながら綺麗に仕上げていきましょう。
ここまで丁寧に作業ができていれば、すでに今まで見たこともないような光沢感になっているでしょう。
しっかり下地処理して「ブリス」の乾燥施工を行うと自分の車だけCGの世界にいるような感じになってしまい逆に変な感じに見えるときがありますが一度この光沢を体験すると、もう他では満足できない体になっているでしょう。
綺麗に拭き取りができなかった場合や、乾燥させすぎて「もう拭き取りが大変すぎてやめたい~」、液剤を使いすぎて塗りムラが落とせない!ってときは、研磨剤の入っていないカーシャンプーで洗ってしまいましょう。
あっと言う間に綺麗に仕上がります。
(乾燥施工した意味は、あまりなくなってしまいますが…)
とは言いましても簡単な作業で手早く綺麗に仕上がるのが「ブリス」の良いところですから乾燥施工は、あまりお奨めしておりません。
乾燥施工は、時間がかかりますし洗車傷が増える可能性も上がりますし、なにより超疲れます。
乾燥施工にじっくり時間をかけるくらいなら2~3日おきに説明書通りに濡れた状態で「ブリス」を塗って被膜を重ねて深い光沢を出す方法のほうがお奨めです。
日照条件により輪ジミ等を被膜の間に挟みこんでしまう可能性は出てきますが洗車傷が付く可能性が減るのはかなり大きいです。
それでも「どうしても乾燥施工がしたい」と言うコアでマニアックでディープなブリスユーザーは、一度しっかり「
トラップネンド」と「
ハイブリッドコーティングコンパウンド」で下地処理を行い乾燥施工を試してみてください。
時間をかければかけるほど今まで体験したことのないすさまじい光沢が必ず待ってますよ