
この日は私と課長、課長代理、関連する会社の部長と連れ立って、CR-Zとプリウスでロングドライブをしました。本当はCR-ZのMT車を借りたかったのですが、この週の月曜日に起こった北区・板橋区付近の大雨で車が水没したそうで、借りられなくなってしまいました。しかたなく、CVT車を手配してもらうことにしました。
コースについて
「
いつものテストコース」とほぼ同じです。ただし今回はレンタカー会社の開店時間などから開始時間が遅くなり、横手山から万座には降りず、草津へ降りてそのまま渋川伊香保インターチェンジから関越道で帰りました。
只見湖では残った雪が見え、その中からは冷たい風が吹き降りていました。天然のクーラーです。大気の状態が不安定ながら、雨が降ったのは只見湖の周辺でほんの5分程度と、観光という点では恵まれました。ドライブという点では、にわか雨があってほしかったなあ。
プリウス
昨年6月にすでに
ロングドライブをしておりますので、あまり目新しい点はありませんでした。ただし、6万kmも走行した車体ですので、それ相応に傷んでいました。
バッテリーについて
ハイブリッドバッテリーがかなり痛んでいました。前回の走行ではちょっとおとなしく走るとすぐに「電
気満タン」になりましたが、今回はかなり下り坂を走らないと電気満タンにはなりませんでした。その
ためエンジンの力が常時ジェネレーターに使われることになり、草稿に余裕がありませんでした。1800ccのアトキンソンサイクルエンジンがこんなにも余裕がないとは思えませんでした。時間を通じてエンジンは高い回転で回りたがり、普通に走っていても余裕が感じられませんでした。すなわち、ちょっとアクセルペダルを踏むとエンジンがすぐさま3500回転くらいまで上がり、助手席に座っているとせわしない感じがして落ち着きませんでした。
乗り心地について
ショックアブソーバーは以外にも新車当時の感じとは変わりませんでした。ということは、「低速域でストロークを拒み、高速域でフワフワする」、という、ダンパーがダンパーらしい働きをしない状態でした。
その他気になったのは、前回もそうでしたがフロアパネルが「ピンと張ったリーフスプリング」ででき
ているような感じがし、サスペンションから入力があると「車体全体がしなった後に強いばね力でもと
の形に戻ろうとし、反対の位相へと変形する」感じがします。ボデーのダンピング性能が低いという感
じがします。ショックアブソーバーの件と相まって、とんでもなく安っぽい乗り心地になってしまっています。これがLグレードゆえの中空ショックアブソーバーだからなのか、ボデー設計によるものなのかは分かりません。
プリウスまとめ
途中ちょっと元気良く走ったりもして、燃費は22.6km/リットルでした。ハイブリッドバッテリーの件、乗り心地の点から、ひどくポンコツな車であるように感じてしまいました。うるさくて乗り心地が悪くて、良いのは燃費だけ、という感じです。燃費と環境のためには、このような車のへたりにもガマンする、、、プリウスはもうちょっと車としての色気や持つ喜びを具現化してほしいものです。
CR-Z
GWに街中で試乗したのみですが、そのときにも結構良い印象を持ちました。ショートホイールベースが疲れをもたらさないかと危惧していましたが、プリウスに比べて疲れるということはありませんでした。
エンジンについて
店舗で試乗した時のように、「街中、横にセールスマン」ではVTECゾーンを試すことは出来ませんでしたが、今回は存分に試しましたよ。エンジンは中速以上の領域で特に元気になります低速域は元気がないと思い込んでいましたが、なんのなんの、プリウスのエンジン+モーターよりもずっと余裕があります。VTECゾーンでは吸気音も高まり、「やる気」にさせられます。
モーターについて
モーターはアシスト役ということもあり、モーターならではの印象はありません。アクセル操作時にエンンジンを積極的にアシストし、エンジンの負担を減らそうとしています。
モード切替スイッチについて
街中走行ではあまり差が感じられませんでしたが、高速道路や山道では結構変わりましたよ。ただ
し、アクセル操作に対するスロットル開度とCVTの変速制御が同時に切り替わるようで、特にパワー
モードではアクセルペダル操作よりもスロットルバルブが多めに開く感じが強く、変速比だけを落としてほしいのにエンジンの反応まで鋭すぎて、運転がしづらかったです。ノーマルモードがバランスが良くて良かったです。欲を言えば、エンジンはノーマルモード、CVTはスポーツモードという状態が欲しかったです。日産の
ジュークもそうですが、電子制御スロットルとCVTが強調するスイッチはもっともっと熟成が必要です。
アイドルストップについて
ホンダのハイブリッド車は、アイドルストップに主眼が置かれています。この車はシビックハイブリッドよりもアイドルストップ車速が速まったようで、時速12kmでアイドルストップします。そのときもシビックハイブリッドよりも滑らかにとまるようになりましたよ。CVT車はアイドルストップ状態からブレーキペダルを放すとエンジンが始動します。しかし、走行状態によってはNレンジにしてブレーキペダルから足を話したいときもあるのに、そうするとエンジンがかかってしまいます。それがもったいないもったいない!ぜひともNレンジ停車時はアイドルストップを継続するようにしてください。
途中渋滞路でのろのろ運転になりました。時速15km以上に車速が上がらなかったときは、最初の一回のみしかアイドルストップしません。これはもったいないです。バッテリーの状態を監視しながら、もうちょっとアイドルストップするようにしても良いのではないでしょうか?アイドルストップのみの車も増えていますが、このままでは燃費の点で抜かれてしまいますよ!
ステアリングについて
ショートホイールベースということもあり、車の向きはすばやく変わります。グリップ限界も結構高く、
コーナーリングマシンといえます。
デミオのように鋭くて疲れるということもなく、適度にシャープです。また、高速道路での直進安定性も良く、全く疲れを感じさせません。
乗り心地について
適度に柔らかく、そしてしっかりしています。日産車のように「しなやかでしたたか」とは言えません
が、すっきりした感じがします。
フィットのように「自分の尻でショックを吸収する」感じもありません。ホ
ンダはまた柔らかい乗り心地にシフトしているようですね。気持ちが良いです。
ボデーについて 前回も書いたように、非常にしっかりしています。プリウスの対極にありますね。このしっかり感を味わってしまうと、プリウスに乗り換えたときに「我慢の時間だ」とすら思えてしまいます。
ただし斜め後方の視界は全くダメで、高速道路などの斜め進入路では疲れて疲れて仕方がありま
せん。このリヤサイドウインドーは何とかならないのでしょうか?運転しづらい上に危ないです。
CR-Zまとめ
車の運転の楽しさを感じさせる車でした。FFスポーツのかつてのCR-Xの雰囲気です。操作感覚もダイレクトで、何時間でも乗っていたい気持ちになります。ソニー損保のCMでも言われていますが、車は単なる移動道具、しかしそれではつまらないということが、この車に乗ると分かります。結構元気に走って、燃費は18.6km/リットルでした。
総合まとめ
女性などは靴やバッグにお金をかける人がいますが、車や自転車は何でも良いという人がいます。そういう人に、「スポーツバッグって便利だよ。いろいろなものが入るし、汚れたら洗えるしね。」とか「運動靴って便利だよ。歩きやすいし、ひざが疲れないし。汚れたら洗えば良いしね。」と言うと、たぶん相手にされないことでしょう。「車なんか動けば良い」とか、「車は燃費が良いほうがよい。」「中が広いほうが良い。」っていうのは、選択肢の一つではありますが、スポーツバッグや運動靴を実用性の点から語ったものと同じになります。(スポカジの点から語れる人は、むしろ良い印象。)
「車なんか動けば・・」の人は、一度CR-Zに乗ってみてはいかがでしょうか?生活に余裕が生まれますよ。
プリウスのセダン的おとなしさもこれはこれで魅力なのですが、いかんせん出来が安っぽく感じます。同じ価格帯でプレミオやアリオンがありますが、これらの絹の上に載ったような乗り心地とは雲泥の差です。製造コストが高いのは分かりますが、もうちょっと製品としての完成度を上げてほしいです。
ハイブリッド自動車と一言で言っても、車としてのキャラクターは全く異なります。ハイブリッド自動車を検討している人は、必ず試乗をして決めてくださいね。
ブログ一覧 |
試乗 | クルマ
Posted at
2010/07/18 23:06:28