従兄弟のワゴンRが3年を経過し、いろいろ不満が出てきたのと環境と合わなくなってきたのと、オニキス契約時期が満期になるのとで買い替えを検討することになりました。私は、口も金も出さずにアドバイスする役として、試乗から契約まで付き添ってきました。
これまでの経緯
今回車を購入するのは従兄弟自身です。教員をしており、生徒や部活の荷物を積み、親子3人家族(彼は子)のファミリーカーとしても使うことが目的です。予算は、月3万円程度、ボーナス時期5万円上乗せ、頭金50万円です。
なお、スポーツドライブなどという概念は、彼にも彼の家族の中にも全くありません。
車に求めるアクセサリー類は、ナビゲーション、ETC、地デジチューナー、マット、バイザー、左側電動スライドドア、インテリジェントキー、ボデーコーティングです。
叔父は完全にホンダの信者であり、ホンダ以外は認めない勢いでした。従兄弟は当初、「ヴォクシーが良い」と、乗らずに決めてしまっていました。そこへ叔父が「ステップワゴンじゃないかなあ」とこれまた乗らずに意見を言いました。乗らずに車を選ぶことほどもったいないことはないので、セレナとビアンテを組み入れてもらいました。なお、
デリカD5は、検討にも上がりませんでした。
1月4日 日産 セレナ 対 ホンダ ステップワゴン(スパーダ)
まずは、日産に行きました。当初、ハイウエイスターグレードを検討していました。私はすでに運転したことがあり、前席の状態も知っているのでセカンドシートに乗りました。セレナの乗り心地はやわらかくしなやかで、快適そのものでした。荒れた路面でも十分にショックを吸収し、体がゆすられる程度が他車と比較して小さくなっています。ただし、峠道でのロールは大きいかもしれません。
シートの肉厚も十分で、短時間の試乗でもこの車の上質さに気づきます。また、スライドドアのセカンドシートでもシートとドア内装の距離が近く、スライドドアゆえの「空間にちょこんと座っている」感じが少なくなっています。
内装の仕上がりも良く、センターパネルのピアノ調ブラック塗装が目を引きます。メーターのグラフィックもきれいです。
荷物室の広さは、サードシート座面が厚いためか、それほど広大な感じではありません。ただし、シートを跳ね上げたときに、運転席からの斜め後方の視界を遮らないのは大きな美点です。車にとって視界は重要です。運転感覚を良くして、それでも余裕があれば利便性を高める、という指向がこの車には生きています。
欠点として、加速時に「ブーン」と、排気騒音がかなり響くことがあります。低音ではなく中音なので、それほど不快な感じはしませんが、結構音が大きいですよ。
次に、ホンダでステップワゴン(スパーダ)に乗りました。ただし、サイドリフトアップシート仕様です。乗り込んで気づくのは、セカンドシートとドア内装の距離があることです。このため、「ちょこん」感が強くなっています。
運転席で感じた「ストローク中にサスペンションが徐々に固くなって底付きを防ぐ」感じが感じられず、ほとんどバンプストッパーに当たっているかのような「固さ」を感じます。突起に乗ったり下りたりするたびに「ゴチ、ゴチ」と大きなショックを感じます。前方に突起やうねりを発見すると、思わず身構えてしまうほどです。そのショックが背骨に響くため、短時間の試乗ながら疲れを感じてしまいました。
しかも、そのショックのたびに車体が「ミシ、ミシ」と音を立てるのです。このくらいの硬さであればおそらく「峠道での車酔い」は抑えられるとは思いますが、決して快適な乗り心地ではありませんでした。
内装も、スパーダのメッキが多用された外装の印象とは正反対で、プラスチック感が強い内装でした。これは結構さびしいですよ。
荷物室は広大です。候補車唯一のサードシートしまい込み方式です。セカンドシートを片付けると、広大な荷物室が表れます。この荷物室を見ると、他にどんな理由があっても「従兄弟の使用目的にピッタリなのはこの車かもなあ。」と思ってしまいました。
参考:
セレナ試乗、
ステップワゴン(スパーダ)試乗
1月6日 トヨタ ヴォクシー 対 日産 セレナ
この日はヴォクシーに乗りました。ヴォクシーは、唯一本格的なセンターメーターを採用しています。買うのが私であれば、この時点でヴォクシーは候補から外れます。
シートの出来は、ほぼセレナと同じです。乗り心地は、ほとんどセレナと同じくらい良いです。若干こちらの方が減衰力が弱い印象かな?足がややばたつく感じですが、取り立ててセレナより劣る印象はありません。
セレナで聞こえた排気音はこちらではほとんど聞こえず、静かで快適な室内空間となっていました。シートとドア内装の距離も、若干セレナより広いかな?という程度です。
荷物室レイアウトは、あまりよく感じませんでした。セカンドシートを回して後ろ向きにする機能がありますが、室内で対談や食事をすることはないでしょう。シートを回すために、ドア内装との隙間が必要なのです。サードシートはセレナ同様の跳ね上げですが、シートを跳ね上げると斜め後方の視界が全くなくなります。最近のトヨタ車は好んで「Jライン」を採用し、斜め後方の視界を無視しています。いくらドライバーズカーではないとはいえ、視界を遮る考えには賛成できません。残念ながら荷物室も決して広いとは言えず、何のための箱型ミニバンなのかわからなくなってしまいます。
その後、再びセレナに乗りに行きました。すると、乗り心地の良さと重厚さがよりよくわかりました。ショックアブソーバーの効き方が良いように感じられます。セカンドシートとドア内装の隙間も狭く、セカンドシートの居住性が高く感じられました。
少しずつですが、セレナはヴォクシーよりも良い車に感じるように仕上がっています。まあ、新しい車ですからね。
参考:
ヴォクシー試乗、
セレナ試乗
1月7日 マツダ ビアンテ セカンドシート試乗
この日は、あらかじめ私が試乗を済ませておき、数時間後に従兄弟が運転をすることにしました。ビアンテはシートレイアウトに制限があり、サードシートは前に寄せておるのが精一杯です。あくまでも3列目にも人を載せることに主眼が置かれており、この点では荷物の搭載性が劣ります。その一方で車幅が広くなっています。
そうそう、ビアンテは他車と違ってボデー後端までフレームが入っているとのことです。後ろからの衝突の際、他車はつぶれるもののこの車では空間が保持できる可能性があります。
セカンドシートの肉が厚く、固くソリッドな乗り心地でも不快ではありません。面白いことに、ステップワゴンとビアンテでは固さの質が違います。底付きするのがホンダ、ソリッドなのがマツダ、といえます。
独立懸架ゆえの振動の少なさは、運転席よりもセカンドシートで強く感じました。他車では多い振動が、この車では明らかに少なくなっています。こうなると、ブルーバード510ではありませんが「独立懸架の優位性」を感じるものです。
ただ、ちょっとロードノイズが大きいかな?走行中は、「ゴー」という音が特に後ろの方から聞こえます。
1月8日 マツダ ビアンテ 対 日産 セレナ
この日は、叔父、叔母と試乗に行きました。叔父一家は基本的にホンダ派です。初代シティ、VWゴルフⅡ、初代ディアマンテ、初代オデッセイと乗り、現在はフリードに乗っています。
そんな叔父に、まずビアンテを運転させました。叔母がセカンドシートに座り、私はサードシートに座りました。そんな叔父、叔母は、「しっかりした車だ!」と、感心しきりでした。特に叔母は、この車を買ってしまいそうな勢いでした。
叔父も、ホンダ以外は認めない、という感じがすっかり消えてしまったようです。
引き続き、セレナに乗りました。乗車位置はビアンテの場合と同じです。ビアンテと比べると明らかに狭い室内、ソリッド感が薄いやわらかい乗り心地であることから、叔父、叔母とも「まあ、こんなもんだね。悪くないんじゃないの?」と、平凡な印象しか抱かなかったようです。
参考:
ビアンテ試乗
契約
ステップワゴンは試乗中に、ヴォクシーはセカンドシート以降を見た時点でアウトになったようです。ビアンテは、格好が気に入らなかったのでしょうか?結局本人はセレナが気に入ったようです。夜に、叔父、叔母、従兄弟、私とで日産に行きました。
当初はハイウエイスターが狙いだったのですが、これは予算オーバーだそうで、Xグレードで話を進めることになりました。だったらただのステップワゴンやヴォクシーもグレードを落として検討すれば?と話したのですが、本人はすっかりセレナに取りつかれてしまったようで、梃子でも動かない、という感じでした。そもそも、「セレナ、ヴォクシー、ステップワゴンが同じ値段ならセレナを買う」とまで言い始めた人には、説得は無理でしょう。
ハイウエイスターとXを」比べると、エンジンやCVTは同じであるものの、装備品が劣ります。私ならハイウエイスターを買うところ、装備が多少落ちても良い、というのならXもありです。
Xに対して、インテリジェントキーセット(?)、キセノンヘッドランプを付け、かなりの割引を引き出して買うことに成功しました。
そもそも車に関心がない叔父一家は、いろいろ比べて車を買うこと自体が初めてだったそうです。従兄弟自身も車に関心はないのですが、私が助言すると各車の感じの違いは必ず判りました。やはり車は試乗して買わなければなりませんね。さて、叔父が車を買うときは、今回のようにいろいろ試乗して決めるでしょうか??
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試乗 | クルマ
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2012/01/14 01:44:23