毎年春と秋とに放送される「世にも奇妙な物語」、いろいろ忙しかったので、ようやく今日見るに至りました。
第一話「スゥイート メモリー」
仲間由紀恵女が目を覚ますと、すぐそばで永井大男が血を流して死んでいた。再び気を失う仲間由紀恵女。次に目を覚ましたのは、病院であった。
永井大男と仲間由紀恵女は、街で落し物から顔見知りとなった。それをきっかけに、仲間由紀恵女は永井大男を頻繁に見かけるようになる。奇妙に感じる仲間由紀恵女。そして仲間由紀恵女の家に永井大男が入り込み、身の危険を感じた仲間由紀恵女は永井大男を殺してしまうのであった。
しかし、証拠は違った。実は仲間由紀恵女は妄想癖がある女で、仲間由紀恵女に永井大男がつきまとっていたのではなく、永井大男に仲間由紀恵女がつきまとっていたのであった。仲間由紀恵女は、自分に都合良いように、記憶を塗り替えていたのであった。それはこの事件だけではなく、職業や経歴、そして顔までもであった。画面上で、徐々に醜悪な顔になっていく仲間由紀恵女。
感想
世にも奇妙な、では定番の展開ですね。正しいと思っていた主人公が実は一番変であるという展開。これまでも、椎名桔平や戸田恵梨香主演で同じような作品がありました。中でも、戸田恵梨香版は奇妙だったなあ。戸田恵梨香がつきまとっていた男に彼女(佐藤めぐみ)が腕をかけると、「さわってんじゃねえよ!」と、気が狂ったかのような顔で叫ぶ様は、本当に「キ○ガイ」のような感じでした。あれに比べれば、この作品は可愛いものです。
第二話「7歳になったら」
鈴木福くん演じる子は、親子三人で幸せに暮らしていた。それが7歳を迎える数日前から、親が厳しく接するようになった。ある日、通学バスを寝過ごしてしまう福くん。
子供が生まれた時、その遺伝子を取り、もう一人の子供を国が預かって育てる制度があった。そのもう一人の子と親元で育った子とを7歳の時に比較し、優秀な方を育ててもう一方は処分するという制度だったのだ。結果、処分されることになった、親元で育った方の服くん。
というところで夢から覚める。が、そのそばを走る「子供処分車」。
感想
基本的に、夢オチは評価しません。それにこんな制度が本当にあったら、親は子供を一所懸命育てないことでしょう。一所懸命育ててもいい加減に育てても、結局優秀な子供が手元に来るのですからね。そんなわけで、この作品は根底から覆るので、ますます評価ができないのです。
第三話「家族(仮)」
独身貴族の高橋克典男。ある日帰宅すると、妻と名乗る女(白石美帆)と、子供(?)と名乗る子が家にいた。よくわからないまま、数日を暮らしてしまう。そこにかかってくる電話。
「それは私の妻と子供だ。もしその妻と子供を取り戻して欲しかったら、5000万円払え!」
という。状況がよくわからない高橋克典男。
そこへ、テレビ番組スタッフのような人たちが来る。渡された台本は「10年後の家族」。
妻はオカルト商品に手を出し、子供は言う事を聞かない子に成り果てていた。子供には、「自分の信じた道を切り拓け」とさとし、なんとかこらえる高橋克典男。誘拐(?)犯も引き下がらない。
今度は20年後。
子供はアニメオタクになり、同じオタク青年(ヒーローもののコスチュームを着ている)と結婚するという。そして妻は、全く高橋克典男の言う事を聞かない。またなんとかこらえる高橋克典男。
今度は30年後。
妻は気が変になり、高橋克典男にアイロンを押し付けようとする。子供はいない。
そこへ犯人からの電話。
今度は高橋克典男もカンネンし、5000万円を払ってしまう。演技を終えて、帰っていく妻と子供とスタッフ。
感想
この番組らしい、シュールな展開ですね。笑ってしまいました!まあそれは良いとして、白石美帆さんは電車男以来、肝が座った演技をするようになりましたね。それから、10歳代半ばの女の子というと、これまた判で押したように態度が悪いギャルとして描かれるのですが、実際はどうなのでしょうかね???
第四話「試着室」
高校の演劇部の同窓会に出席する忽那汐里女。街中で強盗事件が発生し、店員が投げたカラーボールが当たってしまい、服が汚れる。かわりの服を買うべく、近くのブティックに入る。そこで服を選び、試着室から出ると、、、そこは同窓会会場であった。
親友から服が地味だと言われる忽那汐里女。結果、憧れだった先輩にも思い出してもらえない上、ブス女と服がかぶって絡まれてしまう。
そこでブティックに瞬間移動。
今度は赤い服を選ぶと、親友はその服を褒める。が、先輩は振り向かない。
そこから、何着も何着も着替えるが、結果は同じ。
とうとう、汚れた最初の服で行く。すると、「大道具係でペンキまみれだったよな」と話ができるようになる。
ここでブティックに瞬間移動。店員に、そのままの服で行くと伝える。が、店の前でペンキ塗りとぶつかってしまい、ペンキ塗りたてのベンチに座ってしまう。
カラーボールどころか背中までペンキまみれになった彼女には、周囲は奇異な視線を投げかける。それは先輩も同じで、試着の時のようにはいかない。
忽那汐里女は店員の「あなたらしく」という言葉を思い出し、なんとみんなの前で先輩に告白してしまう。そしてなんとよい返事をもらえる忽那汐里女。人間は、服ではないというくくり。
感想
うーん、まあ、面白くもなくつまらなくもなく。そんなことより、この作品に出ていた忽那汐里女の友達役の女性、板東晴(ばんどうはる)さんという方、東京エレクトロンのCMの「SORA(そら)」さんだと思ってしまいました。人間の記憶というのは全く曖昧なもので、既に知っている人に似ている人を見た場合、勝手にその人だと思ってしまうものです。

SORA

板東晴
太陽にほえろ!356話「制服を狙え」で、ボンが制服を着た偽警官に騙されてしまうのも、ごく自然なことです。
私も、仮に事件現場でこの板東さんを見かけていて、あとで刑事さんからSORAさんの写真を見せられた場合に、「あ、この人です。」と言ってしまいそうです。
話はね、まあ、それほど大したことはありません。
第五話「ワタ毛男」
濱田岳男は、文部科学省の外郭団体に勤めていた。そこは、宇宙や怪人その他噂を流すことを業務としていた。そして最近、この団体が関係しない「ワタ毛男」が噂となっていた。
実は30年前、このワタ毛男を演じていた職員がいた。その職員の妻は同じ団体の職員で、「口裂け女」を担当していた。しかし、噂の速度が過剰になると、その噂が現実のものとなり、演じていた職員がどこか別の世界へ、そして噂そのものが現実化する現象が起こるとのことだ。
濱田岳男を家に送る途中、二人はワタ毛男に遭遇してしまう。そこでワタ毛男が現実化するとともに、元職員はどこかへと消えていった。
翌朝、濱田岳男は、気が抜けたような姿で職場にいた。トイレに行くと、ワタ毛男が現れた。そしてその男が言うままに綿を吹き飛ばそうとすると、そこには元職員の顔があった。
場面は変わり、世の中の人が噂をする風景に移る。どうやら濱田岳男は、頭がおかしくなったらしいとのことであった。
感想
この「世にも奇妙な」シリーズは、これまで最後の話に「ちょっと涙を誘う」話があったものです。この作品は、、、何の感想もないなあ。しいていえばワタ毛男の再現シーンに、かつてのテレビ番組「妖怪猫目小僧」のごとく、おどろおどろしい絵を動かす、動く紙芝居のようなシーンがあったこと、久しぶりに「口裂け女」の言葉を聞いたことが懐かしかったです。口裂け女、私が小学校一年生の頃に流行ったんだよなあ!見てもいないのに、「隣の小学校のそばで見た」とか言ったっけ。
全体の感想
この作品、回を重ねるごとに少しずつ質が低下しています。それでも2年くらい前は堀北真希主演の「栞の恋」などという名作もあったのですよ。図書館の本に挟んであった栞がきっかけで、時空を超えて戦時中の特攻兵の男と文通(?)することになる展開でした。そして彼が、「特攻隊として出撃してきます」と文字を綴っている(まさに、チャットのように文字が一文字一文字出てくる)ところに、「行かないで」と、堀北真希が書くのだったかな?とても悲しいお話でした。
で、ここ最近はそんな話もなく、淡々とした展開となっています。この作品群は新人脚本家の登竜門として使われるのか、新人の質が低下しているのかな??脚本家としての養成の前に、過去の作品をたくさん見聞きして「脚本の基礎」を学ぶと共に、他の仕事をして一般社会人としての質を高めることが、脚本家としての能力を高めることにつながるんじゃないかな?