ちょうど去年の晩秋、おっと、その時も富山に出張しており、そういえばウイングロード用の16インチアルミホイールを買ったとき、「マクドナルドのカウンターメニュー表廃止のニュース」を読みました。
その時も私は、「
お客様との対話の機会を、自らなくしてしまった歴史的ミス」と酷評しました。今でも、この意見に誤りはなかった、と思っております。
しかし、企業経営などに関わる人に、こういう「お客様不在」の判断を下してしまう人は、少なからずいるんですよね。大学生の時などに接客業や小売業をしなかった人や、コミュニケーション性に難があり、そもそもそういう仕事ができない人というのもいます。
そもそも、1994年以前は、「大学生はお店には勤務しない」などと、平気で言われていたものです。それ以前、特に急速に円高が進む1986年以前は、「作れば売れる」時代でしたから、製造業が何よりも優先され、「作れば売れる」時代だったのです。そうそう、余談ですが、高度成長期や、円高不況以前の低成長時代の「成功体験」は、現代には全く役に立ちません。
さて、マクドナルドの件に話を戻しますが、当時の社長は、「レジ前のメニューをなくせばお客がレジの前で悩まず、並んでいる最中にメニューを決めてレジの前では注文する商品だけを言うであろう。」と、お客を自動注文機か何かと間違えた発言をしていました。お客様は、マクドナルドのその時の商品をすべて把握しているわけでもなければ、写真を見ていたらあれも食べたくなったとか、店員さんから勧められたら、これも食べたくなった、とか、非常に曖昧な気分で買い物に来ています。いや、ファーストフードとて、食べることで楽しみを味わいたくて、レジに並んでいるのかもしれません。そんなお客様と店員さんとが、いろいろやり取りをしながら商品を決めるという、楽しい場であったはずのレジ前を、ギャンブルの景品交換所よろしく、単なる注文伝達所にしてしまうという、愚行をしたのでした。
この社長、今は辞めているそうですが、その方が良いでしょう。「まだやっていないことを実際にやる前に、色々と予想しながら本当にやるかどうか決める」という行為は、想像力やセンスが非常に問われる仕事です。それを、お客様に最も近いところで「やらかしてしまう」人は、もうこれはお客様に関わる仕事をしてはいけません。もともとそういう仕事に向かなかっただけなのです。
みんカラお友達の「
Toshi」さんはよく、「やっちまった人」という言葉を使っていました。その言葉を聞いて、「今まで聞いたことがない言葉だけど、非常によくニュアンスが伝わってくる言葉」と感じました。そう、これがカウンターメニューを廃止した社長であり、こういう人を「やっちまう人」とでも言うのでしょうね。期間限定メニューを連発していた頃と比べ、明らかに精彩を欠いているマクドナルド、このマイナスを、どう取り返すのでしょうね。
そうそう、私が「やっちまう店員」から受けた接客を紹介しましょう。
例1、カメラ安売り店にて
太陽にほえろ!のDVDを予約し、予約伝票をもらいました。その時に「特に入荷連絡はしませんから」と伝えられました。すなわち、取り置きはするけど、永遠ではないよ、という意味です。
そしてその発売日、なんと私は伝票を家に忘れて来てしまいました。(やっちまいました。。。)私はまず売り場に行き、店頭在庫品(予約していない人にも売るための、見込み発注分)があるかないかを確認、あることがわかりました。
その上でカウンターへ行き、「予約伝票を忘れてしまいましたが、店頭には商品はあります。買えますか?」と聞くと、その店員は「すみませんね、予約伝票がないとお売りできません。」と、目も合わせずに作業しながら言います。そんな態度も悪い店員とはこれ以上話す必要もないと感じたので足早に立ち去ろうとすると、男性店員がすっ飛んできて、「すみません、こちらの商品(店頭の棚にある太陽にほえろ!BOXを示して)でございますね。お売りできますので、カウンターへどうぞ。」と言いました。まあ、早く家に持ち帰って見たいので、素直に買って帰りました。しかし、その後は通信販売で購入しています。
例2、自動車販売店にて
私がよく行く自動車販売店、オイル交換ですら他の店に行ったことはありません。いつもDMが来るのですが、その時は誰かのバイオリンコンサートの招待券がついていました。母に応募しておいて欲しい旨、言われていたのですが、その場に持ってこなかった上、ゴミ箱に捨ててしまったかもしれません。
その場にいた店長らしき男性に、「すみません、このコンサートに応募したいのですが、応募券をゴミ箱に捨ててしまったかもしれません。なんとかなりませんか?」と尋ねると、
「券をなくしたのでは応募できません。」
と答えたので、私は「じゃあ、ゴミ箱をひっくり返してでも探して来い、ということですか?」と再び尋ねると、「そうです。」と答えていました。
ここは商店で、販売促進活動や馴染み客へのサービスの一環として、コンサートを企画したのではなかったっけ?それより、なぜ私は店頭でそんなになじられなければならないのか??と、終始疑問符が頭の中に浮かんでいたのでした。
聞くところによると、メーカーから「製造現場のノウハウを販売の現場に応用」するためによこされた人だったようです。程なく店長は交代、その次も、今は特に、商人らしく腰の低い方が店長になっています。
そんなことで、
商売はセンス!センスなきものは去らなければ明日はない!
のです。
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Posted at
2013/12/18 01:34:15