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2014年05月03日

代車の 日産 キューブ(TA-AZ10) 試乗と洗車

代車の 日産 キューブ(TA-AZ10) 試乗と洗車  ブルーバードシルフィに施工をしてもらっている最中に、車をお借りいたしました。日産の初代キューブの後期型普通グレードです。

初代日産キューブを取り囲んでいた状況
 日産キューブの登場にあたっては、やはり初代ワゴンRの存在が欠かせません。軽自動車であるワゴンRがヒットすれば、やはり誰でも「軽自動車ではパワーが不足するから、小型車枠で同じようなモデルを望む声が出てくるのでは?」、と思うことでしょう。

まずは、スズキ自身が発売するところでしょうが、先駆はマツダのデミオとなりました。やや遅れてスズキはワゴンRワイドを、ダイハツはパイザーを発売しました。初代デミオのパッケージングとマーケティングの妙、走行性能の高さは、以前書きました。

静観していたトヨタと日産ですが、日産は当時発売中であった二代目マーチをもとにして、キューブを発売しました。CMにはアナウンサーの草野仁さんを採用し、「コンパクトでハイトなワゴン」などと言っておりました。「hight」は「高さ」と名詞形であるため、「「これではコンパクトで高さなワゴン」という、滅茶苦茶なキャッチコピーだ」などというヤジが飛びましたが、結局日産はそのキャッチコピーを変えませんでした。

また、自動車評論家のうち、特に徳大寺有恒氏は「乗用車のマーチをベースにしていることから、金魚鉢に首が並んでいるようで、頭の上に無駄な空間が出来る車」と酷評しておりました。

 そんな外野の評価はさて置き、このキューブは大ヒットしました。ワゴンRと同様の道具感が強かったこと、当時まだ流行していたスノーボードなどに行くのに適当な大きさであったこと、現在ではタントなどが担っている領域をカバーしたこと、などがその理由かと思います。

また、評論家の意見とは正反対に売れたことから、「自動車評論家は走りや雰囲気に酔っているばかりで、生活に便利な車のことは触れてくれないよね。」と、自動車評論家と自動車購入者層との距離を空けてしまった車にもなりました。

 静観していたトヨタは、初代ヴィッツを発売後、ほぼ同じ時期に「ファンカーゴ」を発売しました。当初はこの市場に入り込んだつもりのようでしたが、乗用車というよりもバンとして使われるケースが多く、皆、「あれ?、トヨタはどこを見ているの?」という気分になったものです。

その後、初代bBを発売、「クレイモデルを作らずに生産にこぎつけた車」ということが話題になりましたが、「より道具感が強かったこと」、「ミニSMX、ミニステップワゴンとして、カスタマイズ手段が多数出てきたこと」などから、キューブのヒットを忘れる勢いで売れるのでした。

エンジン
 当初はマーチに搭載されていたCG13DEエンジンのみで登場しました。その後、排出ガス規制の強化による改良の為か、CGA3DEエンジンに換装されました。システムの上では、大きな違いはありません。なお、このCGA3DEには二つのチューニングが有り、標準仕様の88馬力版と、ライダーのみの100馬力版がありました。前者の排出ガス規制区分は「TA-」で、後者はカムシャフトが異なるのか、「GH-」に留まりました。



 基本は二代目マーチ登場時ということで新しくなく、ごく普通の出力です。最高出力に無理がなく、低速での出力が強いためか、発車は楽です。中間回転域はCVTの変速に頼るのですが、これもごく普通に走行できます。

ノイズはやや大きめで、がさついた印象です。もとよりマツダのエンジンはがさついた印象があると評価されていたのですが、デミオのエンジンよりもガサガサとした音が聞こえます。CGエンジンもその前のMAエンジンを基本としているらしいので、この点は仕方がなかったのかもしれません。

トランスミッション
 登場当初はスバルが開発した電磁クラッチ式の「ECVT」の日産版である、「N・CVT」が採用されておりました。しかし、これは変速制御が機械式で時代遅れであったこと、電磁クラッチの耐久性やクリープ現象がなくて扱いづらい、という意見などを受け、新たに開発された「ハイパーCVT」に換装されました。

変速制御は電子制御化され、発進装置はトルクコンバーターになりました。これによってクリープ現象が出来、AT時代に慣れた人にも満足できるようになりました。変速制御が電子制御化されたことで、マニュアルモードも可能になりました。なおこの車は、ステアリングが交換されていて、使用できなくなっていました。

 この車、エンジンが機械式スロットルバルブでCVT搭載という、結局今になって思えば、車の歴史上で数が少ない仕様となりました。エンジンはアクセルペダル操作にすぐに反応するのですが、トルクコンバーター式CVTとの組み合わせでは加速が良すぎてしまい、アクセルペダル操作に神経を使うほどです。

これが電子制御スロットルであれば、アクセルペダル操作量で「運転士が望む加速度合い」があらかじめ分かり、エンジン・CVTコントロールユニットは「エンジン出力の増大で賄うのか、CVT変速制御で賄うのか」ということを決定できます。

しかし、機械式スロットルバルブの場合はエンジン出力が先に出てしまい、CVT変速制御はそれに追従するしかないために、どうしてもエンジン出力増大が先行します。運転士としてはレスポンスが良いことを感じながら、「スロットルバルブを開けて変速比を高くしてポンピングロスを軽減するような効率が良い運転」が機構的に出来ないなど、現代の車と比較すると燃費の上で不利な点が出てきてしまいます。

この傾向は、エコカー減税導入直前の電子制御スロットルバルブ車には感じられた傾向で、その頃のCVT車の印象は決して悪いものではありませんでした。

 また、当時は「コラムシフトAT」が流行していた時期でした。私はコラムATの経験が少ないのですが、レバー操作とステアリング操作が同じ向きになるため、レバーを操作するとステアリングも操作してしまいそうになります。レバー自体は剛性があるのでしょうが、クリック感を演出する部分との位置関係が「たわむ」ような印象になってしまいます。なるべく操作はしないことを前提としている模様です。

なお、このモデルの後、日産車も「インパネシフト」へ移行しますが、日産は何を考えたのか、シフトレバー操作力を軽減させる「アシストモーター」システムなぞを採用しています。シフトレバー操作力を軽減させるためだけにコストを上げる神経がわかりません。ゴーン以降も、「技術が迷走している日産」は存在したのでしょう。

サスペンション
 9万6千kmも走行している車であり、ショックアブソーバーの機能が低下しておりました。しかし、マーチよりも屋根が高いモデルであるため、このような太いスタビライザーが装着されております。



2000年頃に新発売された日産車は、軒並み「ひどいロール」に悩まされたものですが、日産オリジナルの車は、このように真面目な設計をしておりました。乗り心地はやや硬めに感じますが、コーナーには安心して進入できます。ロールが少なく、背の高さを忘れるほどです。



リヤサスペンションは、初代マーチから受け継いでいる「4リンクリジッドアクスル」方式です。5リンクリジッドアクスルからラテラルロッドを省略し、代わりにトレーリングリンクを斜め方向に配置しております。この方式は、リヤアクスルの横方向の位置決めにやや難があるものの、突起乗り越え時にアクスルと車体の横ズレがないため、乗り心地はよく感じられます。

ブレーキ
 ブルーバードシルフィ(G10)にも通じる、ペダルに不感帯を感じる印象で、あまり良くありません、日産車のこのクラスの伝統だったのですね。

ステアリング
 ブレーキ同様、ブルーバードシルフィ(G10)を思わせる、ややダルなものです。長距離運転時にも疲れず、こちらは決して悪いものではありません。ダイレクト感を優先するメーカーのものとは、好みで選ぶものではないか、と思います。

ボデー
 徳大寺氏は「マーチのシャシーにキューブのボデーなので」と言っておりましたが、そんなことは感じませんでした。もちろん、シャシーはマーチのものでしょう。しかし、着座位置は確かに上げられており、吟味はされていると思います。

頭上空間も、タントやデイズルークスよりは少なくなっています。当時にそれらの「スーパーハイト系」は存在しておらず、徳大寺氏からしても「これはスペースがありすぎ」となってしまったのかもしれませんが、「ちょっと評価が厳しすぎるなあ」と感じました。なお、パーキングブレーキレバーが下にありすぎ、これは「徳大寺さんの言うとおり!」と感じます。

ボデーの広さは、車体上方に向かうほどすぼまっている「台形ボデー」であるため、二代目以降のキューブのような広大さは感じません。荷物室も、広いというほどではありません。すなわち、この車も初代デミオをかなり意識していた車であったのでしょう。まだまだミニバンブームは本格化しておらず、室内の広さよりも従来の車としての走行性能を優先していた、ということかなあ、と思うのです。

視界は「まあまあ」です。テールゲートの金属部分がかなり視界を遮っており、巻き込み確認には意外に苦労させられます。この視界ゆえに、二代目キューブは左右非対称テールゲートを採用したのかもしれませんね。

まとめ
 初代デミオは、はっきりと「楽しい」と言えました。この車も結構楽しいです。レスポンス良く回るエンジン、加速を邪魔しないCVT、ロールが少ないサスペンションと、荷物を積むだけではなく、走りも楽しい車になっています。少しフロントサスペンションが固く、最終的には強いアンダーステアになるでしょうが、ボデーの形状から、そのほうが安全です。

二代目のキューブは、当時の日産車共通していた「だらしなくロールするサスペンション」となり、三代目も「街中では快適なサスペンション」となったのとは大きな違いです。「コーナーリングを楽しむ車ではないから」と言われてしまえばそれまでですが、走行性能は大切です。こういう車でも緊急回避はするでしょうし、運転する人の気持ちになると、この辺が「長く乗れる車」になる要素なのではないか、と思うのです。

参照して欲しい記事
スズキ ソリオ(ワゴンRプラスとして登場し、ワゴンRソリオに改名、ワゴンR系がモデルチェンジされ、ソリオへ改名)


洗車について
 今回も、洗車を行いました。しかし、他の用事もいろいろあったために、限り有る洗車となってしまいました。水垢落としシャンプーで洗車後、鉄粉は粘土で除去するものの水垢取り、研磨工程を省略して、7ヶ月耐久するというy、「流水波動ワックス」を塗布しました。ガラスは、撥水剤なし状態を調査するために、シリコン皮膜除去のみとしました。
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Posted at 2014/05/04 00:07:42

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この記事へのコメント

2014年5月4日 7:58
同じ色の前期モデルに当時友達が乗ってまして、よく運転しました。
自分の最初の愛車であるK11マーチと比べるとボディがしっかりしている印象でした。
ただ、4速ATモデルだったということもありますが、動力性能に余裕が無く、マーチより遅かったです。燃費もあまり良くなかったと記憶しております。
そういえば黄色のボディカラーなんていうのもありましたね。
コメントへの返答
2014年5月4日 23:36
こんばんは。
前期型ですと、CG13DE+4速ATかN・CVTですね。かなりロールには注意したサスペンション設定がなされているため、ねじれ剛性が感じづらくなっています。スタビラーザーで縦曲げに変換されている印象です。

動力性能の上では、特に高速道路ではギリギリでしょうね。談合坂などでは、追い抜く余裕まではなさそうです。

 当時は、ボルボ850辺りから出てきた黄色が各車にありました。レガシィ、アルテッツア、ファミリアショートワゴン、そしてこの車、色も時代を映す鏡なので、なんとなく今風だとか少し前っぽいだとか、そんな風情を映し出してくれます。

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