
ホンダのフリードが発売されました。これまでの「スパイク仕様」が廃止され、使い勝手に特化したモデルの「プラス」に変更されました。昨年発売されたトヨタのシエンタも、いわゆる「いかつい」仕様が設定されておりません。
これまで、2000年代初めは「エアロパーツ装着モデル」が、2000年代半ば以降はメッキパーツや空気抵抗には関係があるかどうか不明なエアロパーツを装着した、「カスタム」モデルが半ば常識となっていました。10年前のC25型セレナでは、旧型に設定されていた「ハイウェイスター」が、ユーザーや販売店からの要望により、急遽設定された経緯がありました。
そのようなグレードは、「仕方なくミニバンに乗るのだから、生活感がある車だけは避けたい」という需要や、「女だからといってなめられたくない」という気持ちが働いていた模様です。新時代のピープルムーバーとして登場し、二代目には「ママのワゴン」と銘打った二代目のMRワゴンは、「ママだと思われたくない」女性に総スカンを食らってしまいました。
その一方で、当時人気があった、ないしは、当時を代表するモデルというと、以下のような車があります。
トヨタbB(初代)
言わずと知れた車です。「カルイ男の子」といった風情でした。
トヨタヴォクシー
bBでは手狭になると、彼らはこれを選んでいました。
ホンダライフ(ダンクモデル)
bBを買えない女の子に愛用されていたように思います。レイの花がルームミラーにぶら下がっていることや、サーフファッションと組み合わされていました。
ホンダゼスト(スパークあゆモデル)
浜崎あゆみとのコラボレーションモデルでした。当時は既に倖田來未に人気が移ってきていましたね。
当時の風俗というと、
クラブ(ディスコ)、現在は脱法ハーブ・危険ドラッグと呼ばれている薬物の流通、一時的な女性喫煙率の増大、就職困難からくる就学意識の低下(おバカブームなどを含む)
など、今考えてもあまり良い時代ではなかったように感じています。
テレビでは、
「キッズウオー」や「ドレミソラ」などといった、昼ドラマ枠で子役が、いわゆる悪い言葉遣いをするドラマが見られました。まだ、「キレる」ことが格好良いとされていたことがよくわかります。
「いかつい」、「なめられない」、がキーワードだったようです。服も髪も「ギャル」「お水」の雰囲気が積極的に取り入れられた時期だったように思います。
ところが、昨年あたりから雰囲気が変わってきました。2000年代初め頃に結婚した世代の子供が、親が離婚などをすることで貧困に陥っている風情が出てきたためではないでしょうか。反動で、「まじめ」「地味」が見直されているような印象です。
車そのものでは、以下のような傾向が見られます。
シエンタやフリード
前者は以前述べたように、「スポーツシューズ」の印象です。近郊型マンションの近くの芝生の公園で、親子がサッカーボールに戯れる風景が浮かんできます。
後者は、かつてのキャパをも思わせる没個性ぶりです。コマーシャルも全く面白くありません。生活の道具、という印象を強めています。
マツダやスバル
車そのものの魅力を高め、ちょっと「車オタク臭」が漂ってきます。マイルドヤンキーやDQNは、車は着飾る?もので、熱効率やボデー剛性、ハンドリングは重視しませんでしたので、対極にあります。
日産
自動運転や道具としての効率を目指しているように感じます。ハイウェイスター仕様も、どちらかというと未来感を出してきています。
今思えば、旧型パッソの初期のCM(地方の大学に親に購入してもらった車で通う印象、ガーリーな雰囲気)は、この傾向を先取りしていたのかもしれませんね。
最近のマツダのような、「渾身を込めた車のスタイル」というのも「暑苦しい」「マニアック」と評価されてくるかもしれません。ちょうど、1995年頃の「L50型カローラⅡ、ターセル、コルサ」や、「ロゴ」などが登場し、車が白物家電化されていた時期を思い出します。
2000年代後半の「環境との調和」スタイル、その反動の「躍動感スタイル」を経て、また「そっけないスタイル」の時代が来そうに感じています。
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Posted at
2016/09/24 23:26:41