大橋巨泉司会「ビートポップス」の写真を発掘

　私の家には、平凡社刊「日本の歴史」という本があります。昔は百科事典を家に並べることが流行ったようで、その一環の模様です。古代から現代まで、歴史の概略が記されています。

一見、役に立ちそうですが、概論は概論、さらっと述べているに過ぎません。また、歴史は研究が進むと間違いが訂正されていくため、今日では誤った歴史解釈も記されております。もちろん、訂正はされません。

そんな日本の歴史の「現在」は、昭和20年から、この本が発行された昭和44年のことを記しています。その中に現代の風俗として記されたページにあったのが、この「ビートポップス」と記された写真です。長年、「ロック」だとか「ジャズ」だとか「ブレイクダンス」だとかいう、何かの遊びの類を示した名前だと思っていました。

そしてインターネットが充実した「現代」になって、ふとこの言葉を検索してみました。すると、当時のテレビ番組名でした。土曜日の午後に放送されていた、音楽を中心とした番組だったようです。故大橋巨泉氏が司会を務め、洋楽の紹介や視聴者ダンス、車遊びを紹介するコーナーもあったそうです。カウントダウンTVやランク王国のような雰囲気だったのでしょうか。

色々な人が流行を気にした時代には良く流行った番組形態ですが、現代となってはちょっと古いように感じます。しかし、昭和40年代前半なら、かなり新しい雰囲気だったのではないでしょうか？海外の遊びをいろいろと日本に持ち込んだ、大橋巨泉さんらしい番組です。

そしてこの写真、写っている人をよく見ると、写真下方の人は1960年代末のような、おしゃれで前衛的な雰囲気を出しています。日本の方ではないかもしれません。その一方で、中ほどに写っている人は、朴訥な感じがします。服は色使いこそ赤などのビビッドなものはありますが、単色でデザインが感じられません。また、ブルーデニムを履いている人はいません。しかし、「スタジャン」を着ている人はいます。

「ビートポップス」という番組のことは良く伝わってきませんが、当時を生きた方には懐かしい写真でしょうし、歴史的にも価値がありそうなので記しました。