
先月初め、現行ドラえもんの「ロボット雪だるま」を見て、感涙しました。旧作ドラえもんでも印象に残る作品でしたが、視聴から15年以上も経過していますので、詳細な記憶はありませんでした。調べるとDVD化されていたようですので、さっそくレンタルビデオ店に行ってみました。
残念ながら、旧作ドラえもんはレンタル対象作品から外れてしまったようで、棚には現行作品しかありませんでした。しかたなくオークションサイトを覗いてみると、レンタル価格とほとんど変わらない値段で売られていました。さっそく落札して、この日視聴しました。
旧作は昭和56年初めに製作されていました。タイトル絵が橙色に変更され店間もない頃の作品です。当時は日曜日朝に30分番組、平日夜6時50分から10分番組として放送されていました。実質7分弱の作品のようです。時間が短いと、ストーリーはどうしても急ぎ勝ちになってしまいます。
あらすじ
雪が降ったある日、のび太は空き地で雪だるまを作っていた。そこへジャイアンとスネ夫が来て、大きな雪だるまを作る。そしてのび太の雪だるまを見て、
「小さくてのび太らしい」
とバカにする。
のび太は家に帰り、ドラえもんに
「大きな雪だるまを作ってほしい」
とせがむ。風邪をひいて来られないドラえもんは、替わりに「ロボットのもと」をのび太に貸す。1個は壊れていたために放り出すが、貸したのは正常なもう一個であった。
空き地に戻ったのび太は、雪だるまにロボットのもとを入れる。動き出した雪だるまは、難なく大きな雪だるまを作る。壊そうとするジャイアンとスネ夫。のび太は雪だるまに対して、ドラえもんにさらにロボットのもとを借りてくるよう、依頼する。
大きな雪だるまを壊そうとするジャイアンとスネ夫だったが、間一髪、ちび雪だるまが持ってきた壊れたロボットのもとを入れる。動き出した大きな雪だるまは、ジャイアンとスネ夫を追い払う。のび太は大きな雪だるまに家までおぶって帰るよう命令するが、大きな雪だるまはのび太に対して「おぶって帰れ」、と命令する。
のび太の家に来た大きな雪だるまは、冷蔵庫をあさる。さらにママに対して料理を作るよう、命令する。逆らえないママ、ドラえもん、のび太は困り果てる。その困った姿を見たちび雪だるまは、責任を感じて決意をする。
ちび雪だるまは、背後から大きな雪だるまに迫り、中に入り込む。そして大きな雪だるまの体を操り、電気ストーブに腰掛けさせる。溶ける雪だるま。そして、床に残ったロボットのもと二つ。その姿を見て、ドラえもんとのび太は、「責任を感じたんだろうね」と、ちび雪だるまのことを思いやる。
夜になって、再び雪が降り始めた。のび太には、大きな雪だるまと小さな雪だるまの幻が見えるのだった。
「マタ、ライネンニナッタラ、タクサンアソンデネ」
そんな声が聞こえたのび太は、
「もちろんだよ!今度はみんなで遊ぼうね!」
と、語りかけるのであった。
感想
新作に登場し、ちび雪だるまが溶ける様子を見ながら何もできなかったしずかちゃんが、旧作では全く登場しません。また、大きな雪だるまが溶けるのは、原作と同様、ちび雪だるまが大雪だるまに入り込んでの仕業でした。
また、ちび雪だるまは、「プクー」とだけしゃべれるのと、バケツの帽子はかぶっていない点が異なります。
結末は、季節の変化とともに去っていく二人の雪だるまでした。大きな雪だるまは、悪として描かれるのではなく、単なる暴れん坊程度に見られています。大小雪だるまともども、仲良く去っていく姿が印象的だったのですね。現行作品の、のび太とドラえもんに再生してもらうちび雪だるまもよいですが、こちらの展開もよいです。
そして
現在、「私ならこんな映画にしたい」というプロットを考えています。旧作の案を使って、実物としての大小雪だるまが、のび太たちを別れを惜しみながら北へ帰っていく結末が良いですね。
おまけ
この作品が製作されたのち、テレビ朝日系では「フクちゃん」というアニメーションが放送されました。太平洋戦争中のマンガを現代風にアレンジし、やんちゃな子供とその周りの子供、という形で描かれました。サザエさんやおじゃまんが山田君、ちびまる子ちゃんなどと同様の、ファミリー向け漫画です。
旧作ロボット雪だるまの絵柄は、このフクちゃんとよく似ています。大胆なデッサンで、良く動く絵になっています。ちょうどフクちゃんの子分のきよちゃんと、このちび雪だるまがそっくりです。そんなところにも、当時人間性を感じたのでしょうね。
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Posted at
2020/03/08 23:40:46