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2021年07月04日 イイね!

ホンダ フィット不調の原因を推察する

 ホンダ フィットの販売が、不調と伝えられています。もともと、この種のコンパクトハッチバック車は、2000年代の初めに「ヴィッツ」「マーチ」「フィット」「デミオ」の4車種で人気が急拡大していました。中大型自動車のユーザーが定年退職などに伴って使用車両のダウンサイジングをしたり、軽乗用車ユーザーのアップサイジング需要だったり、スポーツカー層の買い替え需要に対応したものでした。

ホンダ フィットはこれで4代目です。実質の初代は、ロゴやキャパでしたが、初代は硬めのサスペンションと1300ccエンジンにCVTの組み合わせ、シンプルなボデーで登場しました。同社のシビックの市場をも奪い、実質標準的な乗用車として販売されました。大ヒットし、トヨタ カローラから首位を奪うほどの販売台数を記録しました。

二代目は初代の方向性をさらに推し進めたものです。エンジンを高回転化、CVTをトルクコンバータ式に改良し、ベーシックカーとしての性能を上げました。モデル途中からIMA方式のハイブリッドを追加し、ますます人気に拍車をかけました。

三代目は、三代目オデッセイの要素を取り入れ、スタイルをシャープにしたものです。ハイブリッドはi-DCD方式に変更し、独自路線を推し進めました。スタイルの上では、改変に次ぐ改変でした。



初期はワンモーションフォルムでしたが、間もなくフロントグリルの塗り分けを変更し、立体的に見えるようにしました。さらにマイナーチェンジではフロントバンパーを二回大型化し、





さらにフロントマスクを立体的に見せるような改変を行っていきました。

この改変が女性の人気を落とした原因とされています。男性的でシャープな姿が女性に嫌われ、四代目はソフトなスタイルに変更しました。

 その、ソフトなスタイルが不人気の要因だったのか、または、ユーザーそのものがコンパクトハッチバックから離れているのか、いったいどちらが原因なのでしょうかね。さらに、三代目まではラインナップされていたスポーティグレード(初代は1.5T、二代目以降はRS)を廃止しています。四代目のグレード構成は、従来からの標準仕様の「BASIC」、



標準仕様の中級グレードの「HOME」、


贅沢仕様の「LUXE」、



都会的にジムやランニングなどでスポーツを楽しむ女性向けパーソナルカーの「NESS」、



アウトドア風の「CROSS STAR」



で構成されています。現在は、特別仕様とmodulo Xが加わっています。パワートレインは、ガソリンエンジンとe:HEVの二種類で、基本的には好みのスタイルで選ぶ車になっています。どうやらCROSS STARが売れているようですが、ここから推して、SUVブームに市場を奪われていることがわかります。

以前は、営業車にはセダンを指定している企業が多かった中、車種の減少に伴ってハッチバックも可能とした企業が増えているようです。業務で使用している車種とほとんど同じ車種は、乗りたくないという人が多いことでしょう。

また、最近では、葬式や法事を考えて車種を選ぶ人はほとんどいないでしょうから、レジャー色やパーソナル色、スポーツ色を出すことに抵抗がある人はほとんどいなくなりました。

その結果、この種の車は「つまらない車」と見られるようになり、選択肢から外れてしまったのだと思います。全く同じ状況として、ワゴンRやムーヴといった、かつては背高軽乗用車とされていた車種がベーシックとなってしまい、売り上げを落としていることが挙げられます。

 これは私の勝手な予想です。クオーターピラーが、根本が細く、上に行くほど太くなっています。昭和30年代のセドリックなどはそんなスタイルを採用していましたが、視覚的に安定感を欠くものです。そこが、「なんとなく不安定」と感じさせてしまっているのではないでしょうか。

スタイルは、男性的要素を排除し、女性に好まれるという「ホンワカ」したムードを狙い、フランス車をイメージしたものだそうです。ところが今のフランス車は、ルノーもDSもシャープな造形を目指しており、ホンワカムードは残っていません。

「ホンワカムード」だとか「ママを重視した」というのは、マーケティングの答えとしてよく使われますが、大体外れています。二代目MRワゴンやパッソセッテなどがその代表格です。

ママたちはマーケティングの時に「ママの要素が欲しい」と言ったのに、いざ製品にママの要素を取り入れるとママはそっぽを向く、これも珍しいことではありません。ママはママ臭さを嫌うのです。

 こんな、マーケティングに左右されてしまったフィットですが、マイナーチェンジはどうしようとしているのでしょうか。今のSUVブームがずっと続くとは思えません。基本形の車づくりをおろそかにしていたら、徐々にボデーブローとしてホンダの体力を奪っていくことでしょう。

まあ、ママのいうことだけにとらわれた、失敗マーケティングの結果です。比較的安価に変えられる部分を中心とし、ビッグマイナーチェンジをしないとこの低下傾向は変わらないと思います。
Posted at 2021/07/04 18:34:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | 新型車調査 | クルマ
2020年07月20日 イイね!

クロネコヤマトの電動駆動トラックを目撃す

 昨年末頃に、クロネコヤマトが電動駆動トラックを導入するとの報道を見ました。国内の自動車メーカーが製造する車ではなく、ドイツのDHLグループのストリートスクーターという会社と共同で開発したトラックとのことです。



これまで、国内のトラックメーカーは大手物流会社向け仕様車を設定していました。「日通仕様」や「西濃運輸仕様」といった具合です。その最たる例は、トヨタの「クイックデリバリー」でした。宅配業務の必要事項を徹底的に調べ、専用ボデーで製造した車でした。

ところが、ここへきてトラックの事情が変わってきていました。ディーゼルエンジンのPM規制です。そのため、2004年頃からディーゼルトラックは排気ガス中の煤を捕集し、排気ガスの温度を上げて時々燃焼させるDPFを搭載するようになりました。DPFが宅配運送との相性が悪かったと考えられます。宅配ゆえの低速運転であるために、排気ガスの温度が上昇せず、常にドライバーに手動再生(すすの強制燃焼)が要求され、そのDPFも早期に灰が詰まって清掃や交換を要求されるというものです。

運輸業者にとって、車をメンテナンスで休ませること大変なコストです。整備料金の増大だけでなく、車の運行管理が煩雑化、さらに休車中の予備車を所有しなければならず、収益に大きく影響します。そこで、メンテナンスコストが低くなる可能性が高い電動駆動車の採用となったのではないか、と思います。

それにしても、報道からは
「企業イメージのために数台導入して飾っておく」
「実験的に各営業所に1台ずつ配置」
程度だと思っていましたら、こんなローカルな地域の車両をすべて置き換える有様です。それにしても、ここのところクイックデリバリータイプが減少し、2t積のエルフやダイナ/トヨエースが増えていることが気になっていました。耐久性に疑問があるキャンターの無配置はわかりますが、とうとう国産車の排除ともなり、今後の動向が気になります。

 それにしてもこの車、見たときには「マツダ クラフト」(写真上部左端)を思わせるセミキャブオーバースタイルだと思っていましたが、こうして比較するとかなり形が違っています。もちろん、「トヨタ トヨエース」(写真上部中央左)とも、「いすゞ フォワード」(写真上部中央右)ともイメージが異なります。むしろ、二代目「トヨタ bB」に似ています。シャープな顔立ちに、「この顔立ちのミニバンやSUVが欲しい」という声が上がりそうな予感がしました。
Posted at 2020/07/22 21:38:37 | コメント(1) | トラックバック(0) | 新型車調査 | ビジネス/学習
2020年01月12日 イイね!

東京オートサロン2020に行く

東京オートサロン2020に行く この日は、東京オートサロンに行ってまいりました。東京へ戻ってからは、毎年足を運んでいるように思います。

これまで通っている中でも、今年は特に大きな変化を感じました。

1.ミニバンやハイエースの減少
 これまで、ハイエースやミニバンはこのショーの主力でした。両車の内装を大幅に変更したり、後席に多数のモニターやスピーカーを配置するなどの、「ドレスアップ」でした。もちろん、車両の内外には多数のLED照明が配置されているというものでした。

ところが、これまで減少傾向にあった両車が、今年はほとんど全滅しておりました。若年層の変化だけでなく、いわゆる「ヤンキー文化」の衰退によるものだと思います。それら「ヤンキー」は、北関東中心とされていましたが、本来北関東は教育に熱心な地域です。

現行「アルファード/ヴェルファイア」の登場時にリークされたという販売資料の「マイルドヤンキー」が、あるいはそれらヤンキー文化の幕引きになったかもしれません。

あわせて、以前の場内には金髪の男女、男性は太っていたり、女性はmoveのYURIに似ていたりするものですが、それらも随分と減少していました。

2.コンパニオンの減少
 これまで、オートサロンと言えば派手なコスチュームに身を包んだ女性コンパニオンと、それを撮影するカメラ小僧で通路が埋まるというのが相場でした。ところが、今年はそのコンパニオンがかなり減少していました。コンパニオンを呼ぶのも経費であり、カメラ小僧は呼び込んでもお客様を呼び込めないことにようやく気付いたのでしょうかね。

コンパニオン女性の方も、商品の宣伝よりも自分自身を宣伝し、きれいに写真に撮ってもらったり、あるいは芸能界などへの進出をもくろんでいるということもあったのでしょう。呼ぶ会社の方からすると、甚だ迷惑ですね。

3.スポーツモデルとアウトドア用の増大
 ミニバンやハイエースが減少した分を、スポーツモデルが補っていました。走りの性能を重視す津傾向が、ようやく戻ってきました。とはいっても、以前のように「多額の費用をかけて超高性能にする」という傾向は衰退し、誰でもそこそこの予算で楽しめる傾向になってきたのは、良いことだと思います。

一方で、SUVの傾向はオートサロンにもありました。SUVの売れ行きが好調なうちに、キャンプや屋外遊びなど、SUVが便利なレジャーを提案しようということだと思います。「キャンプは一回でこりごり」という人も多数いることでしょう。実は私もそういう考えでして、どうも屋外で飲食睡眠をとるのは抵抗があります。まあ、野山に行って昼間の間だけでものんびり過ごすのもよいのではないでしょうか。それならセダンでも構わないのですが、気分を味わう商品ということなのでしょうね。

4.物販の減少
 これまで、会場特別価格で商品を販売するケースが多数ありました。しかし、インターネット通販の拡大や現金取り扱いの厄介さから、減っていったのかもしれません。LED照明の普及を担っていったオートサロンに、ほとんどLED会場販売がなくなったことは、ちょっと残念です。

 そんなオートサロンでした。私としては、「moveのYURI」に似た女性の減少が印象的でした。文化の変化を如実に感じさせ、「これは確かにギャルファッションやヤンキーファッションは、衰退するだろうな。」「これからは、「まじめ」が評価される時代が来る」と、思いを新たにするのでした。
Posted at 2020/01/13 23:18:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 新型車調査 | クルマ
2017年11月01日 イイね!

次期トヨタ クラウンについて色々思う

次期トヨタ クラウンについて色々思う 次期クラウンが、東京モーターショーに出品されております。雑誌でも色々書かれていますが、スタイルについて感じるところがあります。私は、このスタイルが好きになれません。

トヨタ社内や販売店では、「ゼロ・クラウン」で獲得した新規顧客が再び老齢化していることが問題視されているとのことです。現行モデルも徐々に売上が低下しているのだそうです。クラウンからレクサスの各モデルにお客さんが移行すれば構わないと思うのですが、そうもいかないのでしょうね。

伝統を守ることは、これまでのユーザーに安心感を与えて順調に代替されることが期待できますが、その一方で新規顧客を阻害することになります。諸刃の剣ですが、次期モデルは再度全面刷新を考えたようです。

次期クラウンの変更点をまとめると、以下のようになります。

①天地方向に薄いグリル:S80/90/100系クラウンの昭和51年マイナーチェンジ以来
②低いフロントノーズ:S200系以来
③水平なキャラクターライン:S170系以来
④6ライトサイドウインドー:歴代初
⑤ファストバックと垂れ尻スタイル:歴代初
⑥華奢なクオーターピラー根元
⑦4気筒エンジンのみの設定:昭和41年?以来
⑧レクサスLC系のシャシー:S180系以来の刷新

なお、現行モデル登場時にも「シングルフレームグリル」が目に付き、クラウンの挑戦ぶりを分析しております。

クラウンの歴史は進化の歴史

①について
S8/90/100系の昭和51年マイナーチェンジで、2600ccロイヤルサルーンがエンジンフードにグリルの一部を持ってきたことが初めてでした。



この代のクラウンはもう一度マイナーチェンジをし、さらにグリルを大型化、モデル全体に展開しました。



ここ最近の旧車ブームでは、「ベンツマスク」とも言うそうです。以後、大きく派手なグリルはクラウンのアイコンとなりました。S140/150で設定された走りのモデル「ロイヤルツーリング」ではこれを逆手に取り、部分的に黒くしたグリルでスポーティーな装いをするなど、後のアスリートグレードを思わせる展開をしておりました。

グリル大型化は、次に述べる②のS200型で一旦後退しますが、S210型で再度大型化されています。
現在のグリルの流行は、ジャガーなどが採用する「おちょぼ口」グリルですが、あまり好きではないなあ。

②について
S200型は、S180型で本格的なスラントノーズを採用し、これが受け入れられたものとしてさらにスラント化が進みました。しかし、S200型がキープコンセプトであり、
S180型との違いが感じられなかったこと、
ちょうどリーマンショックに重なってしまったこと、
石油価格高騰のあおりを受けた大排気量エンジン車敬遠の風潮など
から、あまり成功しなかったモデルでした。メーカーでは、リーマンショックを原因と考えているようです。
このスラントノーズは、これまでの価値観ではやや車格が下のものに見える節があります。このS200系も、次期クラウンも何となくマークXやレクサスISに見える節があります。車格という言葉は古いもので、とらわれる必要がないのかもしれません。しかし、何となく「次期マークX」に見えてしまうのです。

③④⑤⑥について
 水平なキャラクターラインはS170以来です。S170型は「初のビッグキャビン」でした、それまでのクラウンが、水平基調かつ小さなキャビンでしたので、当時としては大きな変更でした。水平ながら逞しい下半分のボデーがキャビンを支えている印象であり、大ヒットしたS130型のイメージも持っています。

S180型が、同時期の「キャデラックCTS」や「V35型スカイライン」のような幅広、クラウチングスタイルを採用していました。さすがに2000年頃のスタイルは古すぎ、全面刷新としたのでしょうね。水平スタイルならもう少し逞しさがないと、大きく見える6ライトキャビンに対してバランスが悪く感じられます。

 4ライト、6ライトという表現は自動車雑誌が好む表現です。私の感覚から言うと、リヤドアガラスの三角窓の有無によっても分別しないとなりません。

三角窓もオペラウインドーもないものは4ライト
三角窓がありオペラウインドーがないものは4.6ライト
三角窓がなくオペラウインドーがあるものは6ライト
三角窓もオペラウインドーもあるものを8ライト

というと良いように感じます。
この車は上記の表現に当てはめると、8ライトになります。8ライトは4ドアセダン派生5ドアハッチバックのスタイルです。これまでの車では、FWD化されたカペラの5ドアや初代カムリ/ビスタの5ドアなどがあります。

Bピラーより後部には、三角窓ピラー、クオーターピラーの前側、クオーターピラーの後ろ側が近接し、車体後半に柱が込み合っているように見えてしまいます。この混み具合が重さを感じさせるので、車体の後ろが下がって見えます。キャラクターラインが水平なので、さらに後ろが下がって見えます。

クオーターウインドーの根元は、これまでの車は「たくましく見せたり、「踊り場」を見せて」、クオーターピラーを通じて屋根をしっかり支えるとともに、ボデーした半分をたくましく見せるようにしていました。いくつか例外があり、それらの車はクオーターピラー上部からボデー下まで円弧を描くように緩やかにつなげています。初代/二代目アリスト、C34型ローレル前期型、S60/70型クラウンがそうです。ローレルもクラウンも、マイナーチェンジで改変しています。









キャビンを大きく取ることができ、室内幅が増す効果があります。一方、キャビンが大きく見え、「頭でっかち」な印象が強まります。

 ファストバックと垂れ尻スタイルは、各社が何度も挑戦していますが、一度も成功していないと言えます。

初めて採用されたのは、昭和40年代初めの410型ブルーバード、H130セドリックです。410型の件は有名です。



1年目にはリーフスプリングの「そり」を強めて車体後部を持ち上げました。



、2年目のマイナーチェンジではクオーターパネルを変更し、キャラクターラインとテールランプの位置を変更、水平なラインに修正しています。



H130型セドリックも、概ね同様の変更をしています。

二度目は、昭和45年のセリカやカペラ、コロナマークⅡなどが「コークボトルライン」と「ファストバック」とともに採用しました。





キャラクターラインをAピラー根元で持ち上げ、Bピラーにかけて緩やかに下げた後、リヤドアの途中からキックアップさせます。サイドラインがクオーターピラーと交わるところで最も高くなり、そこからテールエンドへ向けて緩やかに下がります。この「下がり」は、垂れ尻とは言いませんでした。

コークボトルラインは、昭和51年のギャランシグマで角張り、昭和54年のブルーバード、カローラ/スプリンターで、完全に終わったと言えます。

三度目は、1991年頃です。ブルーバードのセダン系やレパードJフェリー、二代目シーマで採用されましたが、日本国内では全く人気が出ませんでした。





アメリカでは大人気だったようです。気の毒なことに、ひとつ前のU12型ブルーバードがクリーンなスタイルで大人気だったのに、U13型で不人気化、ブルーバード消滅の遠い原因になってしまったと思います。

 垂れ尻の流行だったのは、二度目の流行の時だったと思います。コークボトルラインでは必然的に垂れ尻となります。この流行は、クーペスタイルの流行が発端だったようです。いすゞ117クーペには多くのカーデザイナーが痺れたようで、カローラスプリンターやサニークーペは、この117クーペのエッセンスを安価な車に取り入れたもののようです。



コークボトルラインゆえ、サイドのラインはうねっていることになります。うねりを緩やかに収束させるのが「垂れ尻」です。一度目の流行と三度目の流行は、概ね水平基調ないしはウエッジシェイプ(車の前が低く、トランクの後部にかけて持ち上がるスタイル」から突然トランクが下がっていたので、バランスが悪く見えてしまいました。

次期クラウンも現行カムリも、上記の通り、トランク部分だけが突然下がって見えてしまっています。トランク長さも短いために、「棚」に見えるはずのトランクが短くなります。トランクがキャビンを支えるわけではありませんが、これまた「頭でっかち」に見える原因です。

 水平基調、(一般的に言う)6ライトウインドー、垂れ尻、華奢なクオーターピラー根元を同時に採用した車はありません。これによって言いようのないバランスの悪さを感じてしまうのです。

⑦について
 現行クラウンの最初から、ハイブリッドモデルは4気筒エンジンになっています。それだけでなく、レクサスIS/GS/RC/LCなどのハイブリッドも4気筒エンジンを採用しています。それだけでなく、クラウンの後期から採用された4気筒ターボエンジンは大好評とのことです。それだけでなくスカイラインも販売は4気筒ターボエンジンが主力とのことです。出力があって静かなら、何でも良いという人が多いという結果になってしまいました。

私は、6気筒エンジンの「ズゥーン」という振動と排気音はキャラクターだと思うのですが、高級車に乗る人はそんなことは無関係ということになりました。

⑧について
 設計開発者が、ぜひ乗って欲しいと言っていました。新世代シャシーで、特にフロントストラットタワー部の補強は、これまでの自動車には見られない形状です。シャシーは乗ればわかりますが、スタイルは乗らなくても見えてしまうものです。。。。

まとめ
 私には、このクラウンは成功するとは思えないのです。これまでも、「S60/70型クジラクラウン」、「S140型クラウン前期型」は、失敗作であるとして後期型になる際に大きな変更がされました。前者は特徴だった二段グリルをやめ、バンパーをメッキにし、クオーターパネルにはダミーグリルを設けました。




後者は、グリルを格子状にし、クオーターパネルを刷新し、車体後部を拡幅しています。テールランプも、S130型を思わせる形状に変更しました。





 クラウンだけでなく、クオーターパネル形状を変更するマイナーチェンジを行った車は多数あります。この車も、6ライトをやめることを計画したほうが良いと感じています。もうそんなことは間に合いませんので、暫定的にリヤの車高を上げて、水平なボデーラインをやめると良いと思います。

以下、写真集です。

カペラ(GC型とGD型)比較

リヤドアの三角窓をなくすことで、縦線を減らしています。加えてテールゲートの柱をブラックアウト、ガラスをカーブガラスにして、キャビンが大きなセダンに見えるようにしています。





カペラ(GC型セダン、クーペ、5HB)
5HBは、セダンの全高ではなく、クーペの全高を採用しています。屋根を低めてもキャビンが大きいので、頭でっかちに見えてしまいます。







カムリ/ビスタ5HB



二代目セリカLBとT130コロナ5HB、カローラクーペ
 サイドウインドーが水平であること、テールゲート後ろに「棚」になる部分があることで、テールの重さが緩和されて見えます。








初代バイオレット前期/後期比較
 クオーターパネルを変更し、セミファストバックにしています。この「段」があるだけで、車体後部の重さ感が緩和されています。





セドリック(Y31)と、初代レパード4ドアセダン
 オペラウインドーの6ライト(4.6ライト)や垂れ尻ではなかったり、ウインドーの形状を工夫すると、このようにすっきりします。





この、アンフィニMS6は、クオーターウインドー、流麗なルーフライン、短いテールエンドと、次期クラウンには近いのですが、開発された方は、この車を思い浮かべたのでしょうか?


おわり
Posted at 2017/11/04 00:52:41 | コメント(1) | トラックバック(0) | 新型車調査 | クルマ
2017年09月14日 イイね!

「AI、コネクティッド、ビッグデータ」と車やビジネスを考える

「AI、コネクティッド、ビッグデータ」と車やビジネスを考える ビジネスマンも、結局子供や学生が大きくなっただけのことですから、色々なブームがあります。中でも、「東洋経済」「プレジデント」「ダイヤモンド」の各誌やサイトは、読んだだけで世の中を知ったような気分になれるので、営業先での話題作りなどには悪くありません。

 さて、近い将来の車というと、「AI、コネクティッド、ビッグデータ」がキーワードなのだそうです。車だけでなく、ビジネスの上でも流行っていますね。この種の「将来はコンピューターが人間の仕事を置き換える」説ブームは、何度もありました。

最初は昭和40年代半ばだったかな?トヨタセリカの受注方式である「フルラインチョイスシステム(GTを除く)」がそれです。

次は、昭和53-58年頃でしょうか?テレビゲームやパソコンが一般の人でも手に入るようになった時期です。ブロック崩しにインベーダーゲーム、ゲームセンターあらしにマイコン刑事などがキーワーです。マイコン刑事がパソコンの「ホームズ三世」にこれまでの事件経過を入力(?)すると、ホームズ三世は、「犯人像」や「次に犯行が起こりそうな場所」などを、確率とともに表示するのだそうです?

その次は、1995年頃でしょうか。Windows95が発売され、企業がこぞってパソコンを導入、名刺にメールアドレルが記載されていると「先進的な会社」と思われたほどです。時期はいろいろですが、実際にパソコンは色々な仕事を奪いました。企業間の書類のやり取りのため、乗り物等で運ぶ「トラフィック」「バイク便」「メッセンジャー」などは、データ送受信に置き換えられました。

次は、2000年頃の「IT革命」期でしょうね。ヤフーオークションや楽天などの「eコマース(電子商取引)」は拡大し、実店舗は仮想(古い言葉だ)店舗へと姿を変えました。

そして今、この三つの用語の時代です。

 「ビッグデータ」は、流行語としては流行遅れなのですが、最近また復活してきていました。「クラウドサーバの容量が増したので、とにかく何でもかんでも記録しておいて、後から分析出来るようにしておこう。」ということのようです。

何しろ記録は風化や捻じ曲げがありますので、素のままの記録は大切です。例えば、「R31型スカイライン」、近年では名車扱いですが、当時の評判はというと、「四角い、格好悪い、時代遅れ、遅い」でした。GTS-Rなら希少車かもしれませんが、それ以外は、、、。

 「コネクティッド」は、「IoT(アイ・オー・ティー:物理的なモノをインターネットに結ぶこと)」の一環で、これまでカーナビゲーションやETCのような装置がせいぜいの通信機器であった自動車を、さらにインターネットに接続することです。しかし、接続して何をするか、は決まっていません。自動運転になった暁には、スーパーマーケットの安売り情報や、映画やテレビ番組の配信が行われるのでしょうか?電車の「モバイルサイネージ」も、あっという間に見飽きますが???

お友達のブログで見たことがあります。インフィニティQ45は、車載コントロールユニットが車の故障を感知するとその情報が通信機器を通じて販売店に連絡され、故障した部品が特定、お店の入庫予約まで自動的にしてくれる、という機能が搭載される予定だったそうです。しかし、自己診断機能が当てにならないのは整備に関わるものの常識、おまけに、直すか直さないかユーザーの判断とは無関係に部品の注文や入庫予約までされたのでは、たまったものではありません。もちろん、お金を払わなくても良いのでしたら大歓迎です。

 「AI」は人工知能の略で、歌手ではありません。最近では「DL(ディープラーニング」と組み合わされて使われます。私が把握しているのは「形状や動作パターン等から、あらかじめ記憶された物体辞書と比較、対象物を特定する」、自動運転システムに使われるものです。

人間の大人は、過去に見た物体と今見ているものを比較し、対象物を予測する能力を持っています。従って、下の方に長い棒状のものが二本、その上に長方形があり、その上には丸、長方形の脇にも二本の棒があると、「人間」と認識します。しかし、その物体が人間であることは問いません。もしかしたら、人間に姿を変えている宇宙人かもしれません。しかし、物体が人間であれ宇宙人であれ、車をぶつけたら車が凹んで困ることに変わりはないので、物体を避ければ良いだけです。


 それらの流行語が拡大解釈され、一首の言葉遊びに使われているように感じます。特に「AI」は、将来人間の仕事を置き換えることと合わせて、やたらと人を煽る言葉に使われています。

随分昔のことですが、カラオケハウスのカラオケ機器が、レーザーから通信へと変わった時期があります。レーザーは機器のディスク内に映像を記録しているため、基本的にはその曲のプロモーションビデオ映像が使われていました。たまにはカラオケ機器会社オリジナルもあったかな?曲も、もともとの曲そのままだったように記憶しています。だからこそ、見ている人は映像を楽しめましたし、歌いやすかった気がします。

一方、通信カラオケは映像も曲も通信線でやってくるようです。曲は何やら安っぽい演奏に変わってしまいましたし、映像は「バンクシーン(撮り貯めておいたいろいろなシーン)」を編集者が歌詞に合わせて「こんな感じかな?」と組み合わせたものになってしまいました。私はそれぞ知らずにいて、カラオケハウスでは「あれ?このシーンはさっきの別の曲でも見たな?」と、不思議に思っていたのでした。後年、いわゆる会社訪問型テレビ番組で、そのことを知りました。

すなわち、「既にわかっていること(言葉とその意味)から、過去の記憶(バンクシーン)の中でそれらしいことを取り出してきて、答えとして出す。」ことがAIのようです。

 とすると、AIは過去の記憶を引っ張り出すことは出来ても、革新的なチャレンジや思考は出来ないように思います。ということで、エクセルでせっせとグラフを書いているような企画系業務が減るだけではないかな、と思っているのです。
Posted at 2017/09/14 22:03:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 新型車調査 | ビジネス/学習

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