
この日は交代休暇であったため、パッソを試乗に行きました。+HANAというシリーズです。標準シリーズとの違いは、バンパーやヘッドライト、フォグライトの形状くらいです。
エンジン
1KR-FEエンジンです。以前
iQで味わった直列3気筒エンジンです。iQですらぎりぎりのパワーだったものが、それよりも重い車体に乗せたので、全く走りません。走らないというのは、都内の山の手の坂道に苦労するというものですので、平坦路を走る分にはまずまずの走りをします。CVTと協調してすぐに低い変速比にしようとしますが、これも有段ATと比べてレスポンスが落ちますので、ますますのそのそした走りになります。
3気筒エンジンで問題になるのはアイドル時の振動と加速時の騒音です。前者はかなり改善されたようで、ステアリングがぶるぶるすることはありませんでした。袖をやや震えさせる程度です。加速時の騒音はこれは構造上避けられませんが、大分遮音しているようです。ほのかに聞こえる程度です。
アクセルレスポンスが悪くされているようです。スイッチ的にアクセルを操作する人が多いと見込んでいるのかな?ペダル自体も結構操作感が重く作られています。
トランスミッション
トヨタお得意のCVTです。もともとのパワーが少ないために最終減速比が低められているのかな??車速が一定になるとあっというまに高い変速比に移行するのはそのままながら、そうなったときに車体が震える感じはありません。パワーがないエンジンのパワーを良く引き出しているとは思いますが、変速レスポンスが悪いように思います。
乗り心地
トヨタ特有のコツコツくる乗り心地です。フリクションが大きいのかな?ロールは自然です。
操縦性
ラック&ピニオン式とは思えない鈍さです。中央45度程度はほとんど車が反応しません。デミオとは正反対です。(真逆ではありません。)しかも、路面の状態をほとんど伝えません。10年以上前、電動パワーステアリング採用され始めにこのようなステアリング操作感の車がありましたが、これはひどいです。
ブレーキ
これはひどい!ペダルが重い上に、フィーリングがスポンジーです。しかも、Dレンジ手停車しているのに、結構な踏力を必要とします。急ブレーキかスイッチ的ブレーキしかしないと考えているのでしょうか?しかも、アクセルペダルの件と含め、大変右足が疲れます。
視界
これは良いですね。斜め後方も後方もよく見えます。都内を運転していて、不安がありません。
ボデー
可もなく不可もなく。ボデー剛性は、トヨタの車と比べてちょっとゆるいような感じがします。内装はびっくりするほど安っぽく、これも車体価格を考えると仕方がないのかな?と思います。でも、すぐ上に古くなったとはいえ、ヴィッツがあるのですからちょっと差が目に付きます。
ドアの開閉音が大きく進化しましたね。以前のモデルは「ベチャン」と昔の軽自動車そのものでしたが、今回のモデルはトヨタ流に「バスンッ」と閉まります。
まとめ
この車は、CMのごとく田舎の大学に通う、田舎の深窓育ちの女子向けですね。「おとうさんが軽自動車は危ないっていうから、これを買ってもらいました。」というものです。昔の女性仕様車を思い出すなあ。
なんとか
カスタムやなんとかディーバ仕様はちょっと下品、という子にぴったりです。そういう人に向けた車は少ないので、商売としては絶妙なマーケティングです。でもこれを選ぼうとしている人に言いたいです。「面倒くさい女子」に見えてしまいますよ。
車としての評価は、エンジンもブレーキもステアリングも全く能力不足で、「何とか走る車」となります。この車以外の車を選ぶことをお勧めします。この車の後に
デミオに乗ってご覧なさい。「運転って、こんなに感じるものなんだ!」と思えるはずですよ。
Posted at 2010/05/09 23:06:59 | |
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試乗 | クルマ