2015年08月11日
既にこのドラマは面白くないことは説明済みです。視聴率は4話、5話と3.4%という低い視聴率を記録していました。テコ入れなどの情報もなく、最近はテコ入れで回復を望むよりも、打ち切りにして被害を減らす傾向にあることから、さらに低い視聴率を記録する予感がしました。私としては、見るのも時間の無駄で苦痛のところですが、歴史的な低視聴率を記録する可能性があるため、見てみました。
感想
これまでどおり、つまりません。今回は、消防団の一人が就職活動中であり、その彼を中心としていました。彼はこれまで、消防団活動を主軸として就職面接を受けていました。しかし、ある新進気鋭企業のセミナーで、「助け合う必要はない。自身が成功すればよいだけだ。」という内容の講演を聞き、その企業の面接では消防団の話をしなかった。その企業の講演で聞いた内容のままに自己中心的な行動こそが成功を生む、という内容で受け答えを行い、最終面接まで進む彼でした。
また、消防団のもう一人がうだつが上がらない営業マンでした。彼はリストラ寸前でしたが、同僚から見込みがある営業先を譲り受け、そこへ向かっていました。しかし、街中で倒れている人を発見、営業活動を放り出して人命救助を行いました。そのことを隠していた営業マンでしたが、後日、人命救助の様子を見ていた通行人の新聞投稿がきっかけで、消防団員に知られることになりました。
そのことに感銘を受け、就職活動をしていた彼は、内定しかけていた企業を辞退、新たな道に進むのでした。
一件文字で書くとバランスが良い話なのですが、展開法と動機付けがよくありません。まず、就職面接で落ち続ける彼や、その鬱憤を消防団活動で晴らそうとする風景を描くだけで、25分を要しています。この間、視聴者はテーマを読み取るのですが、編集が冗長で話の進み方が遅く感じます。しかも、途中途中で挿入される、主人公の土地開発に関わる営業活動がこの就職関係の話から浮いているので、その都度話は分断されます。
また、就職試験に落ち続ける描写の後、消防団員同士で喧嘩をするのですが、喧嘩をしますかねえ??私は、落ち続けていた彼がこれまでの消防団活動が正しかったのか思い悩み、「消防署があるのだから、消防団は必要ない」などとわめいてしまうような展開の方が自然なように感じました。
新進気鋭企業のセミナーを受けて、自己中心的な活動が善と考えてしまう彼ですが、それは良しとしましょう。でも、新進気鋭企業が困っている人を見捨てるような描写がなければ、人命救助の話を聞いたくらいで心を入れ替えるでしょうかね?「心入れ替えもの」ドラマは、心を入れ替えるきっかけの描写が大切なのに、ずいぶん安易な展開なように思います。少なくとも、人命救助シーンは回想シーンではなく、即時描写シーンとして入れたほうが良かったです。そしてまた、ここでもところどころに土地開発うんぬん話が挿入されています。
最後、就職活動中の彼は新進気鋭企業の最終面接で、社長に啖呵を切って辞退するのですが、当たり前ですが、人命救助の話は社長は知らないはずなので、社長も視聴者もあんぐりと口を開けて彼を見送るのでした!?
この作品は、ストーリー仕立てがお粗末であるとともに、描写とシーン割りが散漫で、緊張感がありません。もとより消防団を選んだ時点で話の展開にダイナミックさがなくなること必至です。また、主人公の土地開発云々話も、今のままでは不要そのもの。菜々緒が出ているシーンも全く不要です。見ていて話が散漫で、土地開発話はあるわ、登場人物どうしの日常会話があるわ、登場人物ごとのテーマシーンはあるわ、消防活動はほんの少しだけあるわで、見ていて「今回は何を描きたいんだ?」と疑問に思うことしきりです。
これは最近のフジテレビドラマ全般に言えることで、無駄なシーンがたくさんありすぎるのです。「恋仲」も「探偵の探偵」も全く同じ、ストーリー展開が散漫なのです。登場人物が実在したとして、「鼻くそをほじった」だとか、「トイレに行ったら太いウンコ3本出ちゃった」とか、「朝起きて夜寝ただけの日があった」ということがあっても、それを描かず、テーマに必要なシーンのみを描くのがドラマです。フジテレビドラマに関わる人は、社内改革の影響で違うところに行ってしまったのでしょう。
素人レベル仕上がりの作品が増えています。
追伸
劇伴(サウンドトラック)が、やたらと大げさすぎ、映像がつまらないシーンだけに、かえって安っぽく見えます。その曲も、「ジャジャーン」とでもいうような、洋画などで壮大感を演出するために使われるような曲調です。感動を無理やり演出し、押し付けがましく思えてしまうのです。
Posted at 2015/08/12 20:49:59 | |
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