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2017年11月01日 イイね!

次期トヨタ クラウンについて色々思う

次期トヨタ クラウンについて色々思う 次期クラウンが、東京モーターショーに出品されております。雑誌でも色々書かれていますが、スタイルについて感じるところがあります。私は、このスタイルが好きになれません。

トヨタ社内や販売店では、「ゼロ・クラウン」で獲得した新規顧客が再び老齢化していることが問題視されているとのことです。現行モデルも徐々に売上が低下しているのだそうです。クラウンからレクサスの各モデルにお客さんが移行すれば構わないと思うのですが、そうもいかないのでしょうね。

伝統を守ることは、これまでのユーザーに安心感を与えて順調に代替されることが期待できますが、その一方で新規顧客を阻害することになります。諸刃の剣ですが、次期モデルは再度全面刷新を考えたようです。

次期クラウンの変更点をまとめると、以下のようになります。

①天地方向に薄いグリル:S80/90/100系クラウンの昭和51年マイナーチェンジ以来
②低いフロントノーズ:S200系以来
③水平なキャラクターライン:S170系以来
④6ライトサイドウインドー:歴代初
⑤ファストバックと垂れ尻スタイル:歴代初
⑥華奢なクオーターピラー根元
⑦4気筒エンジンのみの設定:昭和41年?以来
⑧レクサスLC系のシャシー:S180系以来の刷新

なお、現行モデル登場時にも「シングルフレームグリル」が目に付き、クラウンの挑戦ぶりを分析しております。

クラウンの歴史は進化の歴史

①について
S8/90/100系の昭和51年マイナーチェンジで、2600ccロイヤルサルーンがエンジンフードにグリルの一部を持ってきたことが初めてでした。



この代のクラウンはもう一度マイナーチェンジをし、さらにグリルを大型化、モデル全体に展開しました。



ここ最近の旧車ブームでは、「ベンツマスク」とも言うそうです。以後、大きく派手なグリルはクラウンのアイコンとなりました。S140/150で設定された走りのモデル「ロイヤルツーリング」ではこれを逆手に取り、部分的に黒くしたグリルでスポーティーな装いをするなど、後のアスリートグレードを思わせる展開をしておりました。

グリル大型化は、次に述べる②のS200型で一旦後退しますが、S210型で再度大型化されています。
現在のグリルの流行は、ジャガーなどが採用する「おちょぼ口」グリルですが、あまり好きではないなあ。

②について
S200型は、S180型で本格的なスラントノーズを採用し、これが受け入れられたものとしてさらにスラント化が進みました。しかし、S200型がキープコンセプトであり、
S180型との違いが感じられなかったこと、
ちょうどリーマンショックに重なってしまったこと、
石油価格高騰のあおりを受けた大排気量エンジン車敬遠の風潮など
から、あまり成功しなかったモデルでした。メーカーでは、リーマンショックを原因と考えているようです。
このスラントノーズは、これまでの価値観ではやや車格が下のものに見える節があります。このS200系も、次期クラウンも何となくマークXやレクサスISに見える節があります。車格という言葉は古いもので、とらわれる必要がないのかもしれません。しかし、何となく「次期マークX」に見えてしまうのです。

③④⑤⑥について
 水平なキャラクターラインはS170以来です。S170型は「初のビッグキャビン」でした、それまでのクラウンが、水平基調かつ小さなキャビンでしたので、当時としては大きな変更でした。水平ながら逞しい下半分のボデーがキャビンを支えている印象であり、大ヒットしたS130型のイメージも持っています。

S180型が、同時期の「キャデラックCTS」や「V35型スカイライン」のような幅広、クラウチングスタイルを採用していました。さすがに2000年頃のスタイルは古すぎ、全面刷新としたのでしょうね。水平スタイルならもう少し逞しさがないと、大きく見える6ライトキャビンに対してバランスが悪く感じられます。

 4ライト、6ライトという表現は自動車雑誌が好む表現です。私の感覚から言うと、リヤドアガラスの三角窓の有無によっても分別しないとなりません。

三角窓もオペラウインドーもないものは4ライト
三角窓がありオペラウインドーがないものは4.6ライト
三角窓がなくオペラウインドーがあるものは6ライト
三角窓もオペラウインドーもあるものを8ライト

というと良いように感じます。
この車は上記の表現に当てはめると、8ライトになります。8ライトは4ドアセダン派生5ドアハッチバックのスタイルです。これまでの車では、FWD化されたカペラの5ドアや初代カムリ/ビスタの5ドアなどがあります。

Bピラーより後部には、三角窓ピラー、クオーターピラーの前側、クオーターピラーの後ろ側が近接し、車体後半に柱が込み合っているように見えてしまいます。この混み具合が重さを感じさせるので、車体の後ろが下がって見えます。キャラクターラインが水平なので、さらに後ろが下がって見えます。

クオーターウインドーの根元は、これまでの車は「たくましく見せたり、「踊り場」を見せて」、クオーターピラーを通じて屋根をしっかり支えるとともに、ボデーした半分をたくましく見せるようにしていました。いくつか例外があり、それらの車はクオーターピラー上部からボデー下まで円弧を描くように緩やかにつなげています。初代/二代目アリスト、C34型ローレル前期型、S60/70型クラウンがそうです。ローレルもクラウンも、マイナーチェンジで改変しています。









キャビンを大きく取ることができ、室内幅が増す効果があります。一方、キャビンが大きく見え、「頭でっかち」な印象が強まります。

 ファストバックと垂れ尻スタイルは、各社が何度も挑戦していますが、一度も成功していないと言えます。

初めて採用されたのは、昭和40年代初めの410型ブルーバード、H130セドリックです。410型の件は有名です。



1年目にはリーフスプリングの「そり」を強めて車体後部を持ち上げました。



、2年目のマイナーチェンジではクオーターパネルを変更し、キャラクターラインとテールランプの位置を変更、水平なラインに修正しています。



H130型セドリックも、概ね同様の変更をしています。

二度目は、昭和45年のセリカやカペラ、コロナマークⅡなどが「コークボトルライン」と「ファストバック」とともに採用しました。





キャラクターラインをAピラー根元で持ち上げ、Bピラーにかけて緩やかに下げた後、リヤドアの途中からキックアップさせます。サイドラインがクオーターピラーと交わるところで最も高くなり、そこからテールエンドへ向けて緩やかに下がります。この「下がり」は、垂れ尻とは言いませんでした。

コークボトルラインは、昭和51年のギャランシグマで角張り、昭和54年のブルーバード、カローラ/スプリンターで、完全に終わったと言えます。

三度目は、1991年頃です。ブルーバードのセダン系やレパードJフェリー、二代目シーマで採用されましたが、日本国内では全く人気が出ませんでした。





アメリカでは大人気だったようです。気の毒なことに、ひとつ前のU12型ブルーバードがクリーンなスタイルで大人気だったのに、U13型で不人気化、ブルーバード消滅の遠い原因になってしまったと思います。

 垂れ尻の流行だったのは、二度目の流行の時だったと思います。コークボトルラインでは必然的に垂れ尻となります。この流行は、クーペスタイルの流行が発端だったようです。いすゞ117クーペには多くのカーデザイナーが痺れたようで、カローラスプリンターやサニークーペは、この117クーペのエッセンスを安価な車に取り入れたもののようです。



コークボトルラインゆえ、サイドのラインはうねっていることになります。うねりを緩やかに収束させるのが「垂れ尻」です。一度目の流行と三度目の流行は、概ね水平基調ないしはウエッジシェイプ(車の前が低く、トランクの後部にかけて持ち上がるスタイル」から突然トランクが下がっていたので、バランスが悪く見えてしまいました。

次期クラウンも現行カムリも、上記の通り、トランク部分だけが突然下がって見えてしまっています。トランク長さも短いために、「棚」に見えるはずのトランクが短くなります。トランクがキャビンを支えるわけではありませんが、これまた「頭でっかち」に見える原因です。

 水平基調、(一般的に言う)6ライトウインドー、垂れ尻、華奢なクオーターピラー根元を同時に採用した車はありません。これによって言いようのないバランスの悪さを感じてしまうのです。

⑦について
 現行クラウンの最初から、ハイブリッドモデルは4気筒エンジンになっています。それだけでなく、レクサスIS/GS/RC/LCなどのハイブリッドも4気筒エンジンを採用しています。それだけでなく、クラウンの後期から採用された4気筒ターボエンジンは大好評とのことです。それだけでなくスカイラインも販売は4気筒ターボエンジンが主力とのことです。出力があって静かなら、何でも良いという人が多いという結果になってしまいました。

私は、6気筒エンジンの「ズゥーン」という振動と排気音はキャラクターだと思うのですが、高級車に乗る人はそんなことは無関係ということになりました。

⑧について
 設計開発者が、ぜひ乗って欲しいと言っていました。新世代シャシーで、特にフロントストラットタワー部の補強は、これまでの自動車には見られない形状です。シャシーは乗ればわかりますが、スタイルは乗らなくても見えてしまうものです。。。。

まとめ
 私には、このクラウンは成功するとは思えないのです。これまでも、「S60/70型クジラクラウン」、「S140型クラウン前期型」は、失敗作であるとして後期型になる際に大きな変更がされました。前者は特徴だった二段グリルをやめ、バンパーをメッキにし、クオーターパネルにはダミーグリルを設けました。




後者は、グリルを格子状にし、クオーターパネルを刷新し、車体後部を拡幅しています。テールランプも、S130型を思わせる形状に変更しました。





 クラウンだけでなく、クオーターパネル形状を変更するマイナーチェンジを行った車は多数あります。この車も、6ライトをやめることを計画したほうが良いと感じています。もうそんなことは間に合いませんので、暫定的にリヤの車高を上げて、水平なボデーラインをやめると良いと思います。

以下、写真集です。

カペラ(GC型とGD型)比較

リヤドアの三角窓をなくすことで、縦線を減らしています。加えてテールゲートの柱をブラックアウト、ガラスをカーブガラスにして、キャビンが大きなセダンに見えるようにしています。





カペラ(GC型セダン、クーペ、5HB)
5HBは、セダンの全高ではなく、クーペの全高を採用しています。屋根を低めてもキャビンが大きいので、頭でっかちに見えてしまいます。







カムリ/ビスタ5HB



二代目セリカLBとT130コロナ5HB、カローラクーペ
 サイドウインドーが水平であること、テールゲート後ろに「棚」になる部分があることで、テールの重さが緩和されて見えます。








初代バイオレット前期/後期比較
 クオーターパネルを変更し、セミファストバックにしています。この「段」があるだけで、車体後部の重さ感が緩和されています。





セドリック(Y31)と、初代レパード4ドアセダン
 オペラウインドーの6ライト(4.6ライト)や垂れ尻ではなかったり、ウインドーの形状を工夫すると、このようにすっきりします。





この、アンフィニMS6は、クオーターウインドー、流麗なルーフライン、短いテールエンドと、次期クラウンには近いのですが、開発された方は、この車を思い浮かべたのでしょうか?


おわり
Posted at 2017/11/04 00:52:41 | コメント(1) | トラックバック(0) | 新型車調査 | クルマ

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