
数ヶ月前から制作が報道されていた「マジンガーZ」の映画版を、この日見てまいりました。近所の映画館で上映しているとか、レイトショーなので安くて空いているとか、エキゾーストマニホールドの遮熱板に断熱塗料を塗布しか結果を試したいとか、色々な理由がありました。
さて、この私とマジンガーZの関係ですが、この映画版の制作予告が始まった時期に記した
ブログをご覧になってください。子供の頃に見たアニメーションやドラマは、大人になってから見ると色々アラが出ていたりして、「面白かった記憶のままにしておけばよかった」と思うものです。しかし、私にとってマジンガーZはそうはならず、いつ見ても面白い作品でした。
この映画版「マジンガーZ」ですが、グレートマジンガー終了後でもなければ、グレンダイザー終了後でもなく、全くの後日談として設定されていました。すなわち、物語内で5年くらい後の世界を描いているようです。それにしても、ガッカリというかグッタリというか、トホホという言葉しか出てこない作品でした。そのポイントを、簡潔に書き出します。
音はほとんど新録
宇宙戦艦ヤマトの新シリーズも、ガンダムオリジンも、オリジナルテレビ版の音源をなるべく使用し、テレビシリーズとの連続性を感じさせています。しかし、この作品では1種類程度しか使用されていませんでした。
絵柄は安っぽい
現代のアニメーションは、CGと手書き部分を組み合わせて書いています。この作品もそうですが、あまりお金をかけていない、深夜アニメーションのCGそのものでした。ロボットの動きは、旧テレビシリーズの重々しさとは全く異なり、軽々しいものでした。一方、日産リーフやセレナがわざとらしく挿入されるシーンがありますが、こちらは手書きで絵がゆらゆら安定しない様でした。
物語はあまり深くない
マジンガーZの適役だった「Drヘル」、及びそのロボット体の「地獄大元帥」、その部下や機械獣が、ほとんど説明なしにわんさか出てくるだけで、行動の必然性が理解出来ないままに物語は進んでいました。ただのお祭り感覚でした。
ヤマトもガンダムも、古くからのファンを大切にしながら、新シリーズを制作しています。かつてヤマトは「2520」「復活篇」「実写版」、ガンダムは「効果音新録版」といった、古くからのファンの神経を逆なでした上で新しいファンを獲得できなかった、失敗の歴史があります。その失敗を踏まえて上で、現在のシリーズを製作しています。
このマジンガーZは、そういった他作の失敗を全く見ずに、極めて安直に「現代のアニメーション技術でマジンガーZを作ってみました」という気持ちで製作しているように思えてなりませんでした。簡単にリバイバルブームに乗っただけの作品です。
Posted at 2018/01/31 23:20:10 | |
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