2018年10月17日
2018年秋期のテレビドラマは、テレビ東京「駐在刑事」を除いて出揃いました。毎度のことですが、日の入り時間が早まることで人々の帰宅時間が早まり、テレビの視聴率が上がりやすいのが秋期です。各局とも、テレビドラマに力を入れています。といっても、私も「見るプロ」です。手を抜かず、評価をしてまいります。
〜月曜日〜
21時-フジ「SUITS(スーツ)」織田裕二(10月8日)
鳴り物入りで始まったドラマです。事前の「東京ラブストーリー」再放送と、局では力を入れています。しかし、全く面白くありませんでした。ほとんどが事務所などの室内で展開しており、服装もきれいにしています。まるで、「仕立ての良いスーツを着なさい」と言われているような気分にさせられます。
ストーリー展開はお粗末で、ほとんど事件に関する描写はありません。うだうだしているうちに事件が勝手に解決するような印象です。これではお話は楽しめません。1話は話の紹介だろうと思い我慢をしました。2話に至ってもほとんど状態が変わらないために、早いうちに挫折することにしました。フジテレビは、「力の入れどころ」を誤っていると思います。
22時-テレ東「ハラスメントゲーム」唐沢寿明(10月15日)
この時間帯のドラマが始まり、もう3期です。1期は全く余裕がない作り、2期は少し余裕が出てきたものの、未だ再現ドラマ域を出られない、という印象でした。しかし、この3期になって、出演者の余裕と適度なユーモア、話の味わいも加わってきて、ドラマとしての作りの良さが出てきました。
本作品は、スーパーマーケット企業のコンプライアンス室に勤務する主人公が、社内に発生している各問題を解決していくお話です。登場人物のキャラクター設定もよくできており、適度なドラマとしての誇張を含め、面白い作品になりそうです。
25時-日テレ「部活、好きじゃなきゃダメですか?」高橋海人、神宮寺勇太、岩橋玄樹(10月22日)
深夜枠ゆえ見ませんが、部活がキーワードゆえ1回は見てみようと思います。
〜火曜日〜
21時-フジ「僕らは奇跡でできている」高橋一生(10月9日)
変わり者である動物学教授の主人公が、学生や歯科医の女(榮倉奈々)などにいろいろ心の上での影響を与えていく物語です。変人主人公ものは絶滅を願って見ないことにしています。しかし、ドラマ中で語られる動物の習性に関わるお話が面白く、見続けるかもしれません。
22時-TBS「中学聖日記」有村架純(10月9日)
低視聴率が話題になっている作品です。中でも「気持ち悪い」という評価が多いのですが、私も同感です。私の気持ち悪さは、「狭い人間関係区間に私も閉じ込められた息苦しさ」です。
同じ気持ちは、高校生の頃に課題で読まされた、「青春の蹉跌」でも感じました。なお、この小説は読破不能で中途で感想文を作成、以来、小説は読まなくなってしまいました。
この作品は、婚約済みの女性教師である主人公に対し、一方的に熱を上げる成長が早い中学生を描いています。
悪い点を上げればキリがありませんが、以下のような部分だと思います。
・主人公を演じる有村架純の演技
ほんわかとした雰囲気が彼女の流儀ですが、これ一辺倒です。「何を演じてもキムタク」と言いますが、「何を見ても有村架純」になりつつあります。幼い雰囲気も手伝って、教師らしく見えません。
・相手の男子生徒の演技
セリフが少ない上に滑舌が悪い人です。視聴者である私は、まるでドリフの神様コントのように、「あ?何だって?」と、巻き戻しては見る有様です。
・男子生徒の相手の女子生徒
実際の中学生らしい感じが良く出ています。が、後述します。男子生徒を「黒岩!」と苗字で呼び捨てにするあたり、現実的でもあり、仲の良さを周囲に見せつけて視聴者をも遠ざけています。
・視野が狭い登場人物たち
柴門ふみ原作作品のドラマをして、「○人村物語」と評価したことがあります。登場人物たちは登場人物たち同士でかたまり、他の人間が登場せず、他の人間にも影響しなければ、他の人間の影響も受けない、というものです。
主人公は婚約者と男子生徒だけを気にし、男子生徒は主人公のことだけを気にし、女子生徒は男子生徒だけを気にする、というものです。画面を見ていると、「みなさん、もっと他の方向を見ましょうよ」と言いたい気分になります。そんな狭い人間関係区間を、テレビ画面を通じて覗いている視聴者は、息苦しくなってしまうのです。
また、題名ゆえにほどほどのお色気的シーンがあります。性的表現が厳しくなっている現代ですが、かえって1970年代の映画のような雰囲気になっています。これが「青春の蹉跌」を感じさせる要素であるとも思います。
この「息苦しさ」が、作品の問題点です。
25時-TBS「文学処女」森川葵・城田優(9月11日)
深夜枠ゆえ、見ていません。
25時-TBS「ルームロンダリング」池田エライザ(11月6日)
深夜枠ゆえ、見ないと思います。
〜水曜日〜
21時-テレ朝「相棒 シーズン17」水谷豊(10月17日)
完成された作品ゆえ、見ないと思います。
22時-日テレ「獣になれない私たち」新垣結衣、松田龍平(10月10日)
第一話を見ました。色々な「ハラスメント」に耐える主人公を描いていく模様です。しかし、主人公の上司(ハゲ頭の関西弁の人)の、ただただ喚き散らしている姿が見苦しいです。「あれどうなっているんだ?これどうなっているんだ?」と、うるさいことうるさくないこと。自分で主体性を持って指令をしないから、そうなるのです。
この俳優の姿を見ているとイライラさせられ、ストーリーが頭に入ってきません。不快を堪えて娯楽、という図式はありませんので、さっさと挫折することにしました。
25時-日テレ「PRINCE OF LEGEND」片寄涼太(10月3日)
深夜枠ゆえ、見ていません。
25時-テレ東「天 天和通りの快男児」岸谷五朗(10月3日)
深夜枠ゆえ、見ていません。
〜木曜日〜
20時-テレ朝「科捜研の女 第18シリーズ」沢口靖子(10月18日)
完成された作品ゆえ、見ていません。
21時-テレ朝「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」米倉涼子(10月11日)
「何を演じてもキムタク」と書きましたが、「何を演じても米倉涼子」になっていますね。実は予選落ちにしているのですが、米倉涼子の外科医物と作風が変わらないのだとか。失敗や困難、逆境を乗り越えていくからこそドラマになるのであり、スーパーマンにドラマはありません。見る予定はありません。
22時-フジ「黄昏流星群」佐々木蔵之介(10月11日)
このドラマ、古いですねえ。トレンディドラマ全盛期(1986-1991年)の頃、多くのトレンディドラマは21時台に放送されていました。22時台は、30歳代の女性を主人公に置き、会社内での不倫や大人同士の恋愛模様を描いていました。
子供には全くわからない作品群でしたが、あの頃の感覚が蘇ってきました。このドラマを見る人たちは、仕事で疲れて帰ってきたり、家事に疲れている時に、自分を主人公になぞらえて見るのでしょうかね?
設定も古典的で稚拙でした。高校生が主人公の恋愛モノ作品では、通学路で痴漢疑義をかけられた主人公が転校生で、疑義をかけた女性がヒロインと決まっていますが、場面設定が違うだけで、この作品はほとんど同様の始まり方をしています。
なんだか古臭くて、2018年のドラマとは思えません。まあ、飽きるまで見ようと思います。
24時-日テレ「ブラックスキャンダル」山口紗弥加(10月4日)
昨年同じ時期に同じ時間帯で放送された、「ブラックリベンジ」と、作風、世界を共有した作品です。罠にはめられて社会的に抹殺された主人公が、事件を改名しながら一人ずつ復讐をしていく作品です。
驚くほど「ブラックリベンジ」と同じ作品です。
その昔、TBSでは「UFO戦士 ダイアポロン」というアニメーションを放送していました。玩具の売れ行きが好調で、スポンサーは放送期間延長を望みましたが、局の都合で叶いませんでした。すると、テレビ局を東京12チャンネル(現、テレビ東京)に変え、「敵キャラクターのみ新作画」として、「UFO戦士 ダイアポロンⅡ」として、なんと終了翌週から放送したそうです。子供は気づかず喜んで見たとさ。
ストーリーというほどの味わいはありませんが、見ていて面白い作品です。見続けることにしました。
25時-日テレ「プリティが多すぎる」千葉雄大(10月18日)
深夜枠ゆえ、見ていません。
〜金曜日〜
20時-テレ東「駐在刑事」寺島進(10月19日)
これから放送される作品です。この時間枠の割にはコミカル一辺倒ではないようで、面白そうです。見終わり次第、ここに感想を書きます。
22時-NHK「昭和元禄落語心中」岡田将生(10月12日)
NHKのドラマは見ません。
22時-TBS「大恋愛~僕を忘れる君と」戸田恵梨香(10月12日)
若年性認知症を患った主人公(戸田恵梨香)と、小説家志望だった冴えない男性との恋愛モノ作品のようです。脚本は、かつて東幹久をガン患者として描いたドラマと同じ、「大石静」です。なんとなく同じ路線になりそうな予感がします。
主人公の女性は、若年性認知症の他に、「自由気ままで周囲の迷惑を考えない」要素を持っています。何らかのパーソナリティ障害がありそうな人物像です。この「勝手気ままさ」が単なる自分勝手で、いわゆる「はた迷惑」になっています。
「はた迷惑」の助長にも反対している私には、見続けることは困難でした。おそらく1話で挫折します。
23時-テレ朝「僕とシッポと神楽坂」相葉雅紀(10月12日)
このドラマは、今期一番の傑作になりそうです。主人公は動物病院の医師です。穏やかな雰囲気と、心が広い人物で、毎回動物を診察していく模様です。
第一話では、レギュラーとなる犬(ダイキチ)を描いていました。元の飼い主は事業に失敗し、夜逃げをしなければなりませんでした。お別れの前にダイキチにたっぷりと餌をあげていたのです。
数日後、ダイキチは更地になってしまった飼い主の家があった跡に迷い込むのですが、飼い主の匂いがしないことに戸惑います。戸惑う姿を描くだけでなく、セリフもあります「お父ちゃんとお母ちゃんの匂いがしない」です。
また餌をたっぷりと食べると、せっかくいられることになった病院を出ていかなければならないと考えたダイキチは、餌を食べなくなってしまいます。そのダイキチに主人公医師は、
「お腹いっぱい餌を食べても、お別れじゃないよ。ずっとこの病院にいていいんだよ。」
と語りかけると、餌を食べ始めるのでした。
動物にセリフがあったり言葉が通じたりと、アニメーション的な要素があります。週末に見るのにぴったりの、心が満たされる良いドラマです。
24時-テレ東「忘却のサチコ」高畑充希(10月12日)
残念ですが、見ていません。見るかもしれません。
〜土曜日〜
21時-NHK「フェイクニュース」北川景子(10月20日)
NHKのドラマは見ない予定です。
22時-日テレ「ドロ刑」中島健人(10月13日)
これはひどい。10年くらい前に、「イケメン@パラダイス」などの、マンガ原作のマンガっぽいドラマが多数制作されましたが、その時の雰囲気を持った作品です。
やる気のない刑事の主人公が、泥棒に説得されてやる気を出していく物語のようです。いかにも「ゆとり世代」を描いたかのような主人公ですが、その「ゆとり」を笑いに利用しようとする辺りも、10年前の作品のような印象を与えます。
見ていてバカバカしい気分になってしまったこと、もとより「情報7daysニュースキャスター」を見ている時間ゆえ、当然挫折しました。
23時-テレ朝「あなたには渡さない」木村佳乃(11月10日)
まだ放送開始前ですが、見るか見ないか未定です。
23時-フジテレビ「結婚相手は抽選で」野村周平(10月6日)
現代的な題材を扱った、すこし「世にも奇妙な物語」を思わせるドラマです。ちょっとチープなところがあったり、主人公が「オタクで潔癖性でコミュニケーション障害」と、見ていて全く感情移入できません。主人公の態度に我慢できる間は見ようと思います。
26時-テレ朝「深夜のダメ恋図鑑」馬場ふみか・佐野ひなこ・久松郁実(10月6日)
今この作品があることを知りました。出演者によって見ることはしないのですが、久松郁実を見てみようと思います。
〜日曜日〜
21時-TBS「下町ロケット2」阿部寛(10月14日)
今年も秋期は「池井戸潤と福澤克雄」の組み合わせですか。実は、シリーズ1は見ていません。「陸王」同様の、「大したことがない話題にカタルシス性を与え、大げさな演技と大げさな音楽で見せる」作品になっています。内容の割に大げさで、見ている方が恥ずかしくなります。
まあ、疲れない限り見続けようと思います。
22時-日テレ「今日から俺は!!」賀来賢人(10月14日)
これもひどい作品です。1980年代初期の「不良」をオマージュした作品です。何故この時期にクラシック不良作品なのか全く不明です。バカバカしい台詞回しと、疲れる演技ばかりが目立ち、校舎屋上のシーンで継続困難に陥り、挫折しました。
ということで、現在までの選択は、
「僕らは奇跡でできている」
「中学聖日記」
「黄昏流星群」
「ブラックスキャンダル」
「駐在刑事」
「僕とシッポと神楽坂」」
「下町ロケット2」
となりました。
それにしても、「僕とシッポと神楽坂」は、オススメの作品です。
Posted at 2018/10/17 22:53:18 | |
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