パソコン販売店を後にし、3kmほど移動しました。学校3年目2月から3月に勤務した、市場調査会社です。私は市場調査に興味があり、一度は関わってみようと思ったためです。
仕事内容は、アンケート表のチェックと修正で、結構目と神経が疲れる事務仕事でした。なお、勤務先の名前は忘れてしまいましたが、現在、入居していたビルにはそれらしい名前はありませんでした。
ここでは、男性化粧品に関するアンケートと買い物に関するアンケートにかかわりました。私の勤務期間すべてが、両方のアンケートに費やされています。ちょっと調査してすぐに出来るレポートかと思いきや、時間と手間をかけて報告書を作ることがわかりました。
仕事はアンケート表の間違いやつじつまが合わないところを修正する業務でしたが、アンケート表を何通も見られるので、報告書を見なくても予測は付きました。
まず、男性化粧品の方です。当時はまだ、男性化粧品は普及がようやく始まりつつある時期でした。アンケート表上の使用傾向を見ると、主に営業職や事務職と思える中年男性が、身だしなみを整えるために整髪料、あるいは養毛剤などを使用するのみに感じました。購入する場所は、まだドラッグストアが少ない時代でしたので、化粧品店や薬店、デパートなどだったように思います。
しかしその時期は、すでに若年男性向け化粧品のテレビCMが多数放送されていたように思います。ところが現実は、私が思っていたほどには使用されていなのでした。
おそらく、男性ながらおしゃれをしている人は私の目につき、産まれたままの姿の人は、私が知らず知らず無視をしていたからかもしれません。視察による感覚調査と、実際の数量調査では違いがあることがわかりました。
続いて、日常の買い物に関するアンケートです。ターミナル駅近くに出来るデパートの依頼による調査のようでした。当時は、「カテゴリーキラー」と呼ばれる、特定分野に特化した安売りのお店が出来ており、テレビや経済ニュースでは、度々話題として取り上げられていました。そのためアンケート表では、
「安売りのお店には行くけれど、行くとついつい不要なものまで買ってしまうため、もう行きたくない。」
という結果が見て取れました。しかし、そう書いた人はきっとまた安売りのお店に行き、ついつい不要なものを買っては、「もう行きたくない」、と思うと推察されます。。。
この職場でのことで、今でも私が気にしていることがあります。私が採用された時、同時に女性3人、男性1人もアルバイトとして採用されました。そのうち女性は、
1.「どこかの会社の正社員を退職して以来、派遣やアルバイトを渡り歩いているやや派手な感じの人」
2.「大学4年生で、就職活動で数社を回っただけで諦め、そのまま無職になろうとしている人」
3.「大学1年生で、まだ世間知らずの人」
で構成されていました。
私は、この人たちを軽蔑してしまい、ほとんど口をきかなくなってしまったのです。
「自分はこの人たちとは住む世界が違うので、交わりたくない」
と思ったのでしょう。先にも書いた通り、学校3年目の時、私は体調が良くなかったことも関係していたかもしれません。
特に2.の女性については、当初話をしたものの政治や経済の情勢についてほとんど無知な方で、当時の私は
「22歳でこれじゃあ、雇ってくれるところはないよ。」
と、小バカにしてしまったのでした。
またこの人は、少しおどけてしゃべるところがあり、面白い感じの人でした。そのためよりいっそう当時の私には「バカっぽく」見えてしまい、ますます軽蔑してしまったのです。今思えば、就職できなかったことの不安を隠すためだったり、サービス精神が旺盛な人だったのかもしれませんが、私はそこまで気が回りませんでした。
今思うと、私の行動は、恥ずかしくて、人としてしてはならないことでした。当時の私と同年代で、政治や経済のことをより知っている人はたくさんいたことでしょう。この女性たちも、部分的には私よりも劣るところがあったかもしれませんが、私よりも優れているところもあったことでしょう。
それに、この女性たちは私に嫌がらせをしたり、敵対したりといったことは全くなく、ごく普通に接していたので、私がどんどん勝手に離れて行ってしまったのです。
人それぞれ、得意なところも得意でないところも含めて「個性」で、相手を尊重し、言葉を交わすことで相互に理解が深まり、親交がうまれるのだと、後からわかりました。
2.の女性についても、もし私が色々話をしていたら、もしかしたら再び就職活動を始める気力がわいてきたかもしれませんし、私もその人からいろいろ学べたかもしれません。
以後、初対面の人と会うときには、
「自分よりも優れている点がある人」
と見て、
「積極的に話しかけて申し開きをして」
「努めて親切にし、仲良く過ごせるようにする」
ようにしています。
もう名前も忘れてしまいましたが、3人の女性に謝罪したい気持ちでいっぱいです。
Posted at 2022/03/31 23:53:48 | |
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