前日にディーラーに部品を取りに行くと、試乗車常駐場所にフェアレディZロードスターが鎮座していました。係の人に聞くと、たまたまこのお店のお客様に試乗したい人がいて、別の店から来ているとのことです。その日は免許証を持っていなかったため、この日の試乗となりました。
エンジン
VQ37VHRエンジンを搭載しています。昨年
スカイラインに乗った際に試したエンジンであり、チューニングも同じはずです。エンジン自体の感じはほぼスカイラインのままですが、エンジン関連部品で少々異なる印象がありました。
アクセルペダルは確かスカイラインもこの車もオルガン式ですが、踏み応えがこちらのほうが重い感じがしました。踏もうと思って踏み込まない限り、おとなしい加速領域になる印象です。このくらいの車に乗る人は、人生も貯金もたっぷりしていて、あくせく走り回る必要がなく、余裕たっぷりの運転をするのでぴったりといえます。
また、2シーターであるためなのか、マフラーの音が良く聞こえます。普通に発車するだけでも、後方から「ドゥルルーン」と勇ましい音が聞こえます。ゆっくり走っているのにもかかわらず、この良い音が聞こえてくるのですから、運転気分が盛り上げられます。音も、社外マフラーにありがちな「マフラーを変えました」という、いつでもうるさい音とは異なり、負荷がかかっている間だけ音がします。音を出すのも出さないのも、アクセルペダルを踏む右足しだいです。
トランスミッション
こちらもスカイラインで体感した、7速トルクコンバーター式ATです。雑誌などではDSGなどのAMTは、従来型ATを駆逐するかのような書き方をしていますが、高級車のATは、トルクコンバーターゆえの力強い発進と、すぐにロックアップすることによるダイレクトな加速感が味わえるように進化しています。まだトルコンATの時代も続きそうです。
変速も滑らかで、いつ変速したのか分からないほどです。ついうっかりマニュアルシフトを試してみることを忘れてしまいましたが、余裕たっぷりのエンジンがあり、Dレンジでもすばやい変速をするため、サーキットを走るとき以外はDレンジ任せでも十分スポーツドライブが可能であると思います。
サスペンション
実際には硬く、スカイラインよりも硬いはずなのですが、スカイラインと比べて乗り心地が良く感じられます。スカイラインでは突起を乗り越えるたびに体が上下に揺すられましたが、この車では一発で振動を吸収しています。ボデーが短いゆえ、変形するスパン(後輪からヒップポイントまでの距離)が短いので、そのように感じたのかもしれません。
ステアリング
街乗りなのでスポーツドライブをするわけにはいきませんでしたが、遊びの量が適正でした。スポーツカーゆえ、神経質なステアリングになっているのではないかと思っていましたが、適度にダイレクトな印象です。日産車に共通する切れ味で、何時間運転しても疲れなさそうです。
ブレーキ
対向式キャリパーがついているため、ものすごい剛性感があるのかと思っていました。もちろん普通の車よりはずっと制動力の調整がしやすいペダルフィーリングでした。が、ややオーバーサーボなのか、少しダルな印象がありました。まあ、このくらいのサーボのほうが、連続してブレーキペダルを操作したときにも疲れずに操作し続けられるのでしょうね。
ボデー
スポーツカーゆえ視界が最悪なのではないかと思っていましたが、思ったほどは悪くありませんでした。少なくとも、
CR-Zよりははるかにまともです。
また、着座位置がそれほど低くなく、前方視界も良好です。この
アルバイトのときに、スポーツカーは乗り込み時にまるで「穴式便所に落ちる(落ちたことはありません)」ように、落ちる感じがしていやだったのですが、ちょっと着座位置が低いスポーティーカーに乗るような感じでした。
マークXにも似ているかな??
運転時にも、Aピラーが迫ってくる印象はなく、快適そのものでした。
ボデー剛性は高く、ついうっかりオープンボデー車に乗っていることを忘れるほどです。このブログを書くようになる前に、旧型ロードスター、現行ロードスター前期、MR-Sに乗ったことがありますが、現行ロードスター以外はボデーが曲がる感じがしたものです。しかし、この車にはそのような感じが皆無です。
まとめ
快適なスポーツカーですね。いや、初代ZのコンセプトそのもののGTカーと言ったほうが良いかな?日の打ち所がない車なのですが、なんとなくイメージが古いような感じがします。お店の人も「リタイヤしたらあれに乗りたいなあ!」と言っていた通り、「成功した中年か高齢者の車」という印象がしました。
かつて「間違いだらけのクルマ選び」誌で徳大寺有恒氏が二代目セフィーロやディアマンテをして、「会社社会から脱却した、新世代のセダン」と評していましたが、この車は会社社会車ではないとはいえ、スカイライン同様、どこか重さを感じます。これが歴史の重さなのか、古いイメージなのかは分かりません。まあ、私にはまだ似合わない車、というところなのでしょうね。
しかし、文中の評価の通り、車としてのできは非常にすばらしいです。サーキットをサーキット向きでない車で走らせることばかりに邁進してきましたが、そんなことをすることが無駄であり、走りを楽しむにはそのような車オウェラブことが重要、と感じました。それだけこの車はすばらしい操縦性を持っています。スカイライン同様、オススメです!
Posted at 2011/01/30 22:22:04 | |
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