流行とは書きましたが、以前のように「猫も杓子も」というファッションの流行はなくなりましたよね。期間も短い周期ですから、気付いた頃には終わっている、ということも多々あります。
最近、20歳位の女子を中心に、厚底靴と白いソックスの組み合わせが流行りつつあるようです。私が気づいたのは27日のことで、当初はどことなく違和感を感じたのでした。それは白いソックスでして、白いソックスは子供か、スポーツや危険が伴う作業の人が履くもので、街中で成人男女はあまり履きません。
また、どことなくよちよち歩きのような感じでもあり、危なげな印象だったのも気づくのを手伝ったのかもしれません。調べたところ、昨秋にトップモデルだか欧州で流行が始まったようです。なお、27日夜から28日夜までの通勤時間で、8人程見かけました。それ以外の人は、ヒールがない革製の通勤靴が学生の革靴でしたので、ハイヒールよりも多かったのです。
その姿を見て、私は1990年代末の厚底サンダル・ブーツ・靴の流行を思い出しました。そもそもの発端は、やはり安室奈美恵さんを模したアムラー女子でして、厚底靴、へそ出しルック、細眉、メッシュを入れた髪の組み合わせでした。アムラーは主に女子高校生でしたが、成人女子で厚底靴を見たのが1996年だったかな?この頃は流行のサイクルが長かったのです。
1996年には最先端だった厚底靴は、1997年には当たり前になり、1999年になると、そろそろ田舎の人や中学生も履くようになり、流行の終わりが示唆されていました。しかし、次なる流行が見えておらず、皆、流行が終わるのは知りつつもやめられない状況になっていました。
確か1999年7月、もしかすると2000年7月、これまた確か茨城県の土浦市の方で、厚底サンダルを履いた20歳の女性が車を運転中、カーブを曲がりきれずに塀に激突、死亡したのでした。流行が終わるきっかけやその時期については、流行が終わってしばらくしてから「あれが最後だったんだ」と言われるものです。まあ、年末年始の1月と12月の間、年度末の3月と4月の間、学生の夏休み終わりである、8月と9月の間がその境目になるものです。
そんな世間話的な流行の終わり話ですが、人が死亡するというあまりにも「壮絶な最後」を迎えることになり、厚底サンダルの話題というのは、なんとなく話しづらいものになってしまったのでした。私自身はまだ若かったので、「やっぱり茨城は流行が伝わるのも遅かったんだね」や、「バカな女」と思ったものですが、ご家族やお友達のことを考えると、たいへんお気の毒です。
物言いがついてしまった厚底靴ですが、歴史を紐解くと何回か流行っていたようですね。今回の流行とほぼ同じものを、初代「ひみつのアッコちゃん」のお友達が履いていました。また、厚底サンダルが流行っていた頃に、今流行りつつある靴と同じものを「Tommy february6」の川瀬智子が履いていました。

現在の流行の様式

川瀬智子

秘密の、、、
この種の靴は、運転時に危険なことこの上ありません。まず、底が厚いことによってペダルの感覚がほとんど足に伝わらなくなります。以前、厚くはないもののコルク底のサンダルを履いて運転したところ、そのデッドな感覚ぶりに裸足による運転に切り替えました。
次に、かかとが高いことにより、足の固定が困難になります。となれば、アクセルペダルもブレーキペダルもクラッチペダルも、あたかもスイッチを操作するごとくオンとオフだけになってしまいます。同じことは、ハイヒールにも言えます。
そして、底面積が狭いことにより、急ブレーキ等の足に力を込めるときに足首がねじれやすく、ブレーキ操作を継続することができなくなります。となれば、車の前にいる人を殺めてしまったり、自身の命にも危険が及びます。
車の運転性とファッション性を兼ね備えた靴というのはなかなかありません。私の経験ですと、ビジネス用の革靴(短靴)、スニーカーとは言いながらウオーキングをするとすぐに足が痛くなる、いわゆるファッションスニーカーだけでした。一見良いと思える運動靴は、底のクッション性能が高すぎるためか、操作感覚を伝えませんでした。本格的陸上競技靴などはわかりません。女性用は試したことはありませんが、男女兼用のものを除くと、ヒールが低い革靴だけでしょうね。
以前、マツダが大阪オートメッセで「人馬一体アカデミー」というミニセミナーをしていまして、その時の講師の方に、「運転性とファッション性を備えた靴はありませんか?」とお尋ねしようかな、と思いましたが、その方がレーシングシューズを履いていたために断念しました。「ない」ということですよね。
そんなわけで、今流行りつつある厚底靴は、運転の時にはお勧めできません。といって、運転を優先した靴選びをしなくても良いですから、運転の時だけは厚底靴をやめてくださいね。
Posted at 2015/04/30 00:30:37 | |
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