
少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少が本格的に始まっています。そんな時代には、「予約をしてサービスを供給する側が予定を立てやすくする」か、「追加料金を払う」ことになりそうです。
その① ドラッグストアにて
私が良く行くドラッグストアは、レジに3人並ぶか数分が経過すると、他の従業員を呼んで別のレジを開きます。他の従業員は遊んでいるわけではなく、遠くで品出し業務などをしています。そこに放送が行われ、「2番お願いします」、暗号コードで呼ばれるのでした。
そんなお客様への気遣いは良いのですが、不思議なことに「レジにお客さんが並んでいると、さらにレジに並ぼうとする人が出てくる」のです。「速くレジに並ばないと早く帰れない」とでも思うのでしょうか?不思議な感覚の人たちですよね。
「レジに人が並んでいるな」と思ったら、ちょっと売り場をぐるっと一回りしてくれば良いだけの話です。そうすれば「呼ばれる従業員が仕事の手を休めて飛んできて、レジ列が収まったらまた元の仕事に戻る。」ことがなくなり、その往復分、別の仕事がはかどる、というものです。
この件は、その従業員だけの問題にとどまらず、社会的なサービスの生産量減少につながっているのですから、お客さんも少し考えなければなりません。どういうわけか、お年寄りのお客さんに「急いで並べ!」という感覚を持っている傾向がうかがえます。いまどき戦後の食糧配給の列ではないのですから、人生の年輪を感じさせる行動を望みます。
その② 自動車販売店や理美容室にて
どちらの業態も、すぐに作業ができるものではありません。予約をすることでお店側は従業員の配分が出来、これまた生産性が上がります。
昔感覚の人は、「ちょっとやってくんない?」とばかりに、ふらっとお店に行くことが「常連」らしくて格好良いと思っている節があるようです。
そんな感覚の人だけを優先することはできませんし、お店で待ってもらうにも待ち席が埋まったままになりますし、従業員に向かっておしゃべりでもされたら、手が止まってしまって迷惑なことこの上ありません。
上記に挙げた産業では予約が浸透しつつあるものの、未だに大みそかにカー用品店に行くと、「大掃除も終わったことだし、オイル交換でもすっかあ!」という人であふれかえっています。お店側が困って切り出す前に、お客さんの側から相手のことを思いやりたいものです。
その③
関東地方を走る民鉄では、「有料着席ライナー」の運転を始めるところが増えています。車両の席の分だけ整理券を発行、立ち乗りを禁止して、ゆったりと移動してもらうサービスです。もちろん、停車駅も規模が大きな駅に限っています。
これまでも、準急やら急行やら快速やらと、無料の速達列車を走らせていたものです。しかし、これもまた「余分な料金を払ってくれた人を優先する」姿勢に移行しつつあります。すなわち、スタンダードなサービスが相対的にやや低下し、少し不便な位置づけへと変わってきている、ということです。
東武鉄道では、特別料金が不要で特急並みに停車駅が少ない「快速」を数年前に廃止、来年に、直通運転をしている地下鉄日比谷線と東武線内を有力駅にしか停車せず、着席整理券を購入して乗車する「THライナー」を走らせます。
割引率が高い定期券で乗車する普通の人を横目に、涼しい顔をして優雅に通勤。毎日とはいかないでしょうが、特別なサービスには特別な料金、という時代がもう来ています。
まとめ
70-80歳代の人の買い物感覚は、「常連ぶる」「現金払い」「予約をしない」などというものです。これからの時代は、働いている人に負担をかけない利用者や特別な料金を払う人が優先される時代となっていくことでしょう。
Posted at 2019/12/22 20:08:42 | |
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