
ボクの勤務先は五反田。
多くの飲食店がありますが、働いている人の数は収容能力を大きく上回り、ランチタイムにはどの店にも行列ができます。
最近は一人で昼食を摂ることが多く、なるべく混雑と行列を避けるようにしています。
金曜日。
駅とは逆方向にテクテク坂を上がりました。
会社からかなり距離があります。以前車で通り掛かった時、意外な処に小さなお店があるのを見つけたのでした。中原街道沿い、首都高速のインター横です。商店街でもなく、周囲に飲食店はありません。この立地が妙に心に引っ掛かったのでした。
十分ほどで到着。
「キッチンタイヨー」さんです。
東急池上線の戸越銀座、大崎広小路、または東急目黒線の武蔵小山のいずれからも遠く、かなり歩きます。楕円形のお店の名前が目を惹きます。
ランチメニューです。
Aはチキンカツ、Bはハンバーグ・魚のフライ・エビフライ、Cはビーフカツです。
Bに決めてドアを開けました。
「いらっしゃいませ」
玄関右横には4人席、既にお客さんが入っています。
扉の先には右向きに座る8人掛けのカウンターが伸びています。
最も手前の席には、男性客が座っていました。
一つ空けて三番目の椅子に座り、Bランチをお願いしました。
目前にキッチンの要、ガス台が!
鍋の中で、コトコト煮込み中のデミグラスソースが微かに揺れています。ハンバーグのオーダーが入ると、この中に浸した材料を取り上げていました。
シェフは恰幅の良い胡麻塩頭の男性。
ボクに背を向けて、手際よく次々と料理を作ります。丁度、オムライスに着手しました。具材をフライパンで炒め、ご飯を入れたところまでは見えましたが、シェフの背中で遮られてしまいました。次にシェフがガス台を離れた時には、既にケチャップライスが出来上がっていました。それを包む玉子焼きを作り始めた時、またもや無情にもシェフの背中が!次に見えた時には、立派なオムライスがフライパンの中に鎮座していました(笑)。
カウンターの中には、もう一人の男性がいて、料理は分担して作っているようでした。
そんなこんなで、いつの間にかBランチが出来上がりました。
ウワー、スゲー!
圧倒的なボリュームです。
ハンバーグには大量のデミグラスソースが。魚とエビのフライにはタルタルソースです。
付け合せの野菜とナポリタンも量が多い!
早速「いただきまーす!」
ハンバーグは、しっかりと下味がついたもので、濃い味のデミグラスソースと絡まり、とても美味しい!これぞ「洋食屋のハンバーグ」です!
魚のフライは鯵かと思います。軽い塩味にタルタルソースが良く絡み、こちらも美味です。エビフライは「パリッ」とした食感で、尻尾までカリカリで全部食べてしまいました。
付け合せの野菜には、酢とオイルが効いたドレッシングが掛けられ、濃い目の味付けのメインディッシュの箸休めに効果的です。
ナポリタンはパスタ料理のものではなく、太いものを緩めに茹で上げてケチャップで炒めたもの。食感、味ともに、昭和の時代に街の洋食屋で食べることが出来た、アレそのものでした。
スープはビーフコンソメ味。塩と胡椒が効いていました。
小食のボク。ご飯は四分の一ほどゴメンナサイの結果でした。
こういう洋食屋は、嘗てよりも少なくなりました。
ラーメン店に行く時、味噌なのか塩なのか醤油なのかは別としても、人は既に「ラーメンを食べると」と決めています。でも洋食屋の場合は、椅子に座り沢山のメニューを「どれどれ」と見て、食べる物を決めます。つまりメニューにバラエティがないと、お客さんは集まりません。だから多くの食材を用意し、開店前に仕込む必要があります。メニューが多ければ調理にも時間と手間が掛かります。この辺りの事情が、減少に繋がったような気がします。
このお店で特筆するべきは、カウンター席目前のキッチンで行われる調理のプロセスを、全部見ることが出来る点です。油撥ねや水飛び、油煙の排気の観点から、厨房は客席から離れたところに設置されるケースが多いのに、ここではプロの手順が「丸見え」です。ボクはたまたまシェフの真後ろに座ってしまったので肝心のオムライスが出来上がる光景を見逃しましたが、手前1番目や5番目辺り
は「特等席」のはず!今度はその2つを狙いたいと思いました。
最後に、写真を撮り忘れましたが、食後にコーヒーかアイスコーヒーを戴けます。
ごちそう様でした!
キッチンTAIYO
東京都品川区荏原1-17-4
03-5498-9898
11:30-15:00 17:30-21:00
日曜休
ボクのおすすめ度(味のランキングや評価ではありません)
★★★★★ + ★☆
味は、はっきりとした輪郭があるダイナミックなものです。
ヴォリュームもたっぷりで、男性向き。
小食のボクはご飯の完食は無理でしたが、普通の人なら大丈夫だと思います。
女性はご飯半分が丁度いいかも。
★2つの追加。
一つ目は、「食のワンダーランド」!待っている間、ケータイを弄ろうとは思いませんでした。
ただ、火の近くなので、カウンター席は暑いです。
二つ目は、お客さんから丸見えのキッチン。掃除が行き届いています。
☆一つマイナスなのは、どの駅からも遠い点です。
プロの技を目で学べる「料理大学」でした!
洋食好きの方で興味のある方は、遠方からでも行く価値はあると思いました。
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Posted at
2018/10/07 11:56:54