
【はじめに】
高校生の時、卒業する先輩から1万円で譲って戴いたのがMC1。この名前はあまり耳馴染みがありませんが、所謂型式名です。日本ではカワサキ90MSを経てKM90の名称で販売されましたが、ヤマハのミニトレが大ヒット、終始日陰の存在でした。ところが輸出先のアメリカではそのままこの型式名で市場に出て、小さな車格とパワフルな2ストエンジンが好評で、大量に流通しました。
以来40年。今も我が家に棲み続けております。
ここでは某ブログに掲載した内容を、一部修正しながら「引っ越し」掲載します。かれこれ10年以上前に書いたものですので、パーツの供給状況等に変化が生じている可能性がありますことをご承知下さい。
引っ越しの理由は、今もこの記事が残っている某ブログが、サービスの停止を発表したことです。本来の目的はボク自身の忘備録ですが、もし興味を持って戴けたらお読み下さい。
なお、90MS、KM90、対米輸出されたMC1の全てを対象としますので、カテゴリはMC1としますが、タイトルには日本で一般的に通っているKM90を使用します。
ウソのような、ホントのハナシ(本当に『実話』) その1…
先日、友人の紹介で、ある強烈なカワサキマニアの方とお話しする機会がありました。
この方、Z1、W1S、H2、バイソンを所有されるそうです。
ボクがW1SとKM90を所有していること、KMを再生しているが、カワサキから出ない部品もあり、アメリカから購入したりしている旨を告げました。
すると、某所にグリーンの看板は出していないけれど、60年代から70年代のカワサキの部品をストックしているバイク屋さんがあると聞きました。何でもご主人は、カワサキに吸収合併された、メグロの出身とか。他言しないことを条件に、お店の名前と電話番号、場所をご教示戴きました。
早速電話すると、ご主人はご高齢と思われる声。趣旨を説明すると、「おいで!」と仰いました。
土曜日、わくわくドキドキしながら訪れました。
いきなり出迎えてくれたのは、完全武装のゼット。新車同様です。
でも、ボクの視線は、背後の陳列棚に吸い込まれした。
「…す、…スげー…」
何が何用だか分かりませんが、旧車用と思われるパーツが、これでもかと言わんばかりに陳列されています。
これ、純正の三角旗と七宝焼エンブレムです。
「オレは、メグロ上がりなの。バイクに乗りたくてこの世界に入り、必死に働いたサ。人のバイクを毎日真っ黒になって整備し、結婚してやっと自分のバイクが持てたんだー。今も覚えているよ、K2だった。タンデムで乗ってたけど、女房が楽チンなように、船もくっつけてサ」
「暫く『にーけーのフネ付』に乗ってたけど、高速時代があれよあれよと進んじまってさ、ついて行けなくなっちまったのサ。それで、出たばかりのCB750Kにフネを自分でくっつけて、また女房を乗っけてあっちこっちサ。…んで、Kの頃だかCBの頃かわっかんねーけど、どっかでしこんで出来たのが、隣の工場で整備中のムスコさ(笑)…で、お客さん、パーツだったっけねー。もう歳だから、リスト見ないとわかんないよ。昔は倉庫のパーツ、全部覚えていて、どれが何に使えるか覚えていたんだよ」
「…ケーエムとケーツーだよね」
「いや、KMとW1Sです」
「ありゃ、間違っちまった。こいつはメグロの『にーけーだ』」
「…ち、ちょっと、見せて戴けませんか?」
「いいけどサ、煙草吸ってもいいかい?」
「ええ。ボクもいいですか?」
「勿論」
「………」
(絶句・・・「ホシイーーー」)
「で、何が要るんだっけ。ある程度は出しといたけど」
(※続く)
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Posted at
2019/02/10 10:52:35