
先週、宮ケ瀬周辺を楽しみましたが、実はもう一箇所、どうしても訪れたい処がありました。昨日は台風6号が関東地方に接近中でしたが、思いのほかスピードが遅いので向かいました。
こちらは「BC工房ふじのリビングアート」さん。相模原市緑区の山中にあります。テーブル、椅子を中心とした家具工房です。広大な敷地に2棟の大きな建物があり、ここで家具の製作や修理を行っています。
7年前、親父が81歳で亡くなり、お袋は一戸建てに独居となりました。
一方、ボクは早くに妻を亡くし、一人息子と分譲マンションで暮らして来ました。その彼は札幌に転勤、ボクも独り暮らしでした。
一年後。
さすがに寄る年波には勝てず、お袋はあちこち体の不具合を訴えるようになり、運転免許も自主返納しました。ボクはマンションを売りに出し、1年後に残債を埋め合わせた上、引っ越し代が残る程度の金額で売却が叶いました。こうして、ボクは実家に引っ越し、お袋と暮らし始めて現在に至ります。
だが、モンダイは、その「家」。
読書が唯一の趣味だった親父が、大量の本を遺したまま。そこにボクが大量の本、レコード、バイク3台と組み立て中の1台、大量のパーツ、ロードスター、レザークラフトや木工、金属加工用、電工用など、大量の道具類を持ち込んでしまいました。そのため家中にモノが溢れる結果となってしまいました。特に、玄関脇の和室は、ボクが持ち込んだもので、床が見えない状態が続いています。
最近、お袋は脚が弱り、2階に行き来するのが大変と訴えるようになりました。このため、玄関脇の和室を整理、お袋の寝室にしようと決めました。お盆休みに実施を予定しております。
そんなことをあれこれ考えて決めましたが、そのプロセスである事に気づきました。それは
①要らないものと必要なものが、狭い一軒の家に混在している。
親父が遺した本の8割は「時代小説」。特に幕末モノが多いのが特徴。正直、残しておいても、ボクは今後の人生で読む可能性は、限りなくゼロに近いものばかり。主を喪った大量の本が狭い家のかなりのスペースに居座り、その結果本当に必要なものがあちこちに分散されて、「とりあえず」置いた状態が続いている。
②その結果、居住者が空間の使い方に無頓着になってしまった。
例えば、何かを作ろうと思っても、まず必要なのは「工作用テーブル」。今回、ロードスターのダッシュボード・カヴァーを作り始めたが、何しろ必要な道具類を直ぐに取り出せる工作用テーブルがなく、「道具探し」から始めている。それも、一階と二階のあちこちに保管されているため、仕舞には製作がイヤになってしまうこともある。
大量のレコードやオーディオもそう。とりあえずアップライトのピアノを処分して空いた空間に棚とオーディオを押し込んだだけ。リスニングを前提に設置されておらず、結果的に聴く気分にすらならない。
この状態では、本来楽しく過ごせるはずの貴重な自宅での自由時間が、モノに制圧されて機能しない。つまり、自宅の空間の有効活用が出来ておらず、創造的なライフスタイルとは真逆の生き方をしてしまっている。
といったものです。
では、どうしたら良いのか、ヒントを求めてこちらを伺った次第です。
平屋建ての方は、ショールームです。
入口右には、9区画を持つ棚に、クッションが収納されています。
クッションし「敷く」もの、それを収納してしまうセンスに脱帽です。
その横には、こんな木箱が、材料の接ぎ合わせが凝ったものです。
この抽斗と言うかチェスト、敢えて色の異なる材料を並べているのがお洒落ですね。右側は5万円、欲しくなりました。
巨大な一枚板のテーブルが!
たちまち目を惹かれました。
これ程大きいものは自宅には難しいですが、2/3程度ならいいかも…。
とってもカラフルなチェストがありました。
ちょっと少女趣味的ですが、しっくりとした空間にも合います。
大きなオープン・ボードがありました。
一目で気に入りました。
その説明です。お値段は25万円です。
こちらでは、テーブルの「原木」から選び、製作を依頼できます。
このテーブル板「運ぶの大変だから買わないで」ダッテ!
個人的に気に入ったのが、このテーブル板。
売約済でしたが、脚を含めて50万円とか。
お店の方と何人かお話ししました。
こちらのお客さんの多くは、自らのライフスタイルのシフトチェンジを望まれて来店されるのだそうです。意外にも多いのは、ボクと同様、家の中に溢れる不要・不用なモノを処分した結果、毎日を過ごす空間を充実させたいと気づいた方だそうです。購入して戴くのはありがたいけれど、その前にまず自宅のダイエットを済ませるべき、そうでないと新たにモノが増えるだけで、余計に息苦しい空間になる、とのアドバイスを戴きました。
ナルホド、と感心するのと同時に、ボクの判断は間違っていなかったと、胸を撫で下ろしました。
ボクは今年12月で59歳になります。
親父は81歳まで生きたので、同じだけ生きると仮定すれば、残りは22年。
仕事や子育てに追われ、生活費や教育費のために無我夢中で働いた時代もありましたが、もう人生は晩年に差し掛かっています。丁度「断・捨・離」には相応しい年齢になったような気がします。
残された人生を充実させて終えるためにも、まず家中の再見分をやろうと決めました。
ボクと同じようなことをお考えの方は、決して少なくないと思います。
この記事の趣旨に頷かれた方には、一度訪問をお薦めします。
一点一点の家具に設定されたプライスは、決して安いものではありません。
ですが、「不要な支配者」が去った後、そこで今後をどう過ごすのかを真剣に考えた時、初めて値段が自らに相応しいかを判断できるような気がしました。
ボクはこちらで、大変貴重な勉強をさせて戴きました。
BC工房ふじのリビングアート
神奈川県相模原市緑区牧野4707
042-689-3755
10時~18時 月・火休
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Posted at
2019/07/28 11:33:28