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2020年11月22日

旧国鉄 篠ノ井線廃線遊歩道(長野県安曇野市)

旧国鉄 篠ノ井線廃線遊歩道(長野県安曇野市)  昨日11月21日。
 二週間振りに須坂市を訪れ、難聴の治療を受けました。
 帰路は必ず「寄り道」をしますが、安曇野市にある旧国鉄篠ノ井線の廃線を訪れました。



 この廃線は明科駅と西条駅の間に存在する、約6キロメートル。明科駅には車を停める場所がなく、廃線の明確な痕跡が始まる「明科総合福祉センターあいりす」の無料駐車場に車を置きました。
 なお、全部歩き通して戻ると12キロ!
 還暦直前で運動不足の事務職は、絶対にヘロヘロになってしまいます。なので、所々の要所を車で訪れました。
 こんな案内が出ていました。



 地図がありました。



 駅名標を模したものがありました。
 こちらは「潮神明宮」。
 限られた時間での廃線探訪が目的、後ろ髪を引かれましたが寄りませんでした。



 この辺りから、廃線らしい道床が始まります。コンクリート製の架線柱が並びます。

 篠ノ井線は1902(明治35)年に全通しましたが、この明科駅から西条駅の区間は地滑りの多発地帯で、何度も線路は被害があったそうです。特に1924(大正13)年には、列車が土砂に乗り上げて脱線する惨事が発生しました。こうした事情から新しい線路を建設、長いトンネルを掘り1988(昭和63)年に新線が開通しました。その結果、廃線となった一部区間が、遊歩道となりました。



 西の彼方。
 雪を被ったアルプスが、誇らしげに雄大な姿を見せていました。



 歩いていると、何やら物凄い臭いが!
 …やっぱりでした。
 黄色い絨毯の上に、ブヨブヨになった実が一杯落ちていました。



 少しだけ拾いました。
 ポリ袋のようなものを持ち合わせておらず、ハンカチに包んでカメラバッグに入れて持ち帰りました。が、臭いが沁みついてしまい、開けると悲惨なことになってしまいました…(笑)。



 こんな物も沢山落ちていました。
 安曇野の自然は豊穣…。



 朽ち果てようとする材木。
 ボクにとり「極みの美」!



 やがて、トンネルが見えて来ました。



 三五山(さごやま)トンネル。
 全長25メートル、右へ緩やかなカーブを描きます。



 煉瓦造りですが、表面に乱雑にモルタルが塗られています。



 入口に到達すると、センサーでライトが点灯しました。
 天井はメッシュのようなもので覆われていますが、やはりモルタルが塗り込められているそうです。電化の直前、結露の水滴が架線に落ちることを防止するために施されました。
 第三軌条から集電した碓氷線は、美しい姿を今に伝えています。公共交通インフラなので当然の判断ですが、大変「勿体ないな…」と思いました。



 闇のカーブに柔らかな灯りが連なると、幽玄の趣が漂います。
 一歩一歩、歩きながら観察。変化を楽しみました。
 訪れたことはありませんが、例えばプロシア時代の古城を連想していました。



 とても柔らかく優しい…。
 教会に灯る蝋燭にも思えました。



 保線員の方のための退避スペース。
 当然、現役当時は灯りは存在しなかったはずですが、こうして眺めると「芸術作品」として完成された存在に思えました。



 反対側です。



 出た地点は入口とはガラリと変わり、山中の掘割。
 既に、ここ安曇野は晩秋から初冬。枯葉に覆い尽くされた道床が、一直線に続きます。
 …この「幻想的」な光景に佇むのは、何と「ボク」だけ!
 贅沢な光景ですが、内省的な気持ちにもなりました。

 来月7日で還暦、「定年」です。
 
 先日のこと。
 社会に出て20年勤めたレコード会社の先輩・同僚3人と、久し振りに池袋で飲みました。レコード業界は、20年前から今に至るまで、ずっと「斜陽産業」。ボクも含め4人全員が会社を去っていました。そのうち一人は退職後、同業他社に転職したものの、待遇は契約社員。遂に正社員になれず8月に定年を迎えたそうですが、給料は半分以下になったと落胆していました。

 ボクは今の会社が6社目。
 
 最初のレコード会社は外資でした。
 外資狙いで採用に応募したのではありません。
 英語も「ヘタクソ」!

 新聞記者か雑誌の編集者に憧れていました。
 でも、当時もマスコミへの就職は大激戦。
 音楽好きなこともあり「マスコミの匂いがする」レコード会社を受け、結果的に入社したという顛末。

 ボクの場合、同業他社を狙わなかった(=レコード産業に自ら見切りをつけた)ので、どうしても外資転職を繰り返さざるを得ませんでした(国内資本の一般企業は、外資出身の採用に後ろ向き。「高給の要求」、「一匹狼」、「すぐ辞める」の人材が多いとされるため)。その結果「入ってみないと分らないこと」が原因で、何度も転職を余儀なくされました。同時にプライベートで元妻の病気が進み、やがて死という結果が訪れました。
 
 …今振り返って見ても、よくあの「人生の厳冬期」を乗り越えたと思います。

 今の会社は、給料はさほどでもありませんが、どうやら暫く(65歳まで)は勤めることが出来そうです。先の同僚のように、給料が激減することもなさそう。
 
 …人生、辛い時もあれば良い時もあると、今日改めて実感しました。



 トンネルの上には、こんな光景が!
 僅かに残った紅葉が、初冬の柔らかな陽を浴びて輝いていました。
 ガードレールと電線が目障りですが、大変美しい姿に感動しました。
 少しでもお伝え出来れば幸いです。



 25.0パーミルの標識。
 三五山トンネル入口のキャプションに「25パーミルを上がれず、やり直したことも珍しくなかった」とありました。
 66.7の碓氷峠が如何に「激坂」だったかを、改めて思い知らされました。



 すでに「モノクロームの光景」。
 でも、

 こんな「紅」や、



 こんな「黄」も、まだ残っていました。



 車に戻り移動、こちらへ。



 漆久保トンネル。
 早速、歩きます。



 すぐに着きました。



 キャプションです。



 使われている煉瓦は、地元明科で焼かれたもの。



 天井。
 蒸気機関車の煤が沁み込んでいました。



 トンネル出口から前方を臨んで。
 誰もいないこの光景を独り占めしました。



 振り返って、トンネル出口。
 陽が当たらぬ姿が、冬の訪れを無言で伝えていました。



 車に戻って移動、廃線遊歩道の終点、第二白坂トンネルです。
 遊歩道の終点、通行不可能と聞きましたが、



 その通りでした。
 2000メートルを超えるとか。
 通行可能にしてほしいですが、距離が長く安全対策にお金がかなり掛かりそう…。



 手前には、こんな清流と橋が。
 暫く橋の上に建ち、川面を眺めました。
 この地で列車を走らせることに尽力した、当時の駅員、機関士、保線員などの方々を思い、頭を下げました。
 
 いろいろなことが思い起された廃線散策。
 大変に充実した休日でした。

【今日の「オマケ」!】



 至近に白鳥が越冬する場所があると知り、訪れました。



「お、47羽もいるのか、どれどれ…」

 入ってみると、



 1羽も見えず、夥しい鴨が「ガアガア」鳴いていました(笑)!

 白鳥に会えずちょっと残念でしたが、暫く鴨サンのコケティッシュでのんびりとした「ガアガア」を聴いていました。

 …いつの間にか癒されていました!
 微笑んでいる自分を自覚しておりました。

 ボクは「独身還暦」!
 
 彼らを見習い、これからも「ガアガア」鳴き、鳴き続けようと思いました。

 …「鴨サン」に、勇気を戴きました。

「ありがとう!」








 




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Posted at 2020/11/22 16:04:49

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