
昨日の6月6日。
久し振りに妹夫婦が訪れてくれました。
実は、6月9日は亡き親父の8回目の命日。我が息子は赴任先の札幌から、現在奈良に研修で行かされている最中。妹夫婦の姉弟も仕事等で都合がつかず、母と4人で自宅至近の墓へ参りました。春から夏にうつろい始めた頃合いで、雑草がボーボーの状態。掃除に結構手間が掛かりましたが、無事何とか終わりました。
という訳で、久し振りに揃って、美味しいものを食べに行きました。
こちらは「Nick's」。
以前にもご紹介しましたが、おいしいステーキやハンバーグを提供してくれる、この辺りでは有名な老舗です。先月まではテイクアウトだけの営業でしたが、今月から店内での飲食が再開となりました。
ところが、玄関にはこんな告知が。
予約をせずに訪れましたが、店長に尋ねると大丈夫とのこと。ただし「ソーシャル・ディスタンス」を念頭に置いての営業再開なので、全てのテーブルは使えない、20分くらい待って欲しいとのことでした。当然の説明に納得、暫く待つことにしました。
という訳で、玄関周辺を観察して時間を潰しました。
敗戦と同時に、陸軍航空士官学校はアメリカ軍の進駐を受け、ジョンソン基地となりました。
これは基地名の由来となった、当時の軍の重鎮ジョンソン氏の肖像画。基地内のOfficer's Club (将校クラブ)玄関に置かれていたものだそうです。ちなみにジョソン基地は60年代に返還され、現在の航空自衛隊入間基地となりました。
こちらは、当時ジョンソン基地内のOfficer's Club に、料理人として勤務していた邦人チームの面々。中央の黒服の方が、後年Nick'sをこの地で創業する荒井一雄さん。
「Nick」とは荒井さんの基地でのニックネーム。アメリカ人には日本人の名前の発音が難しく、今でも彼らは英語的なニックネームをつけて呼びたがります。余談ですが、ボクのレコード会社時代のエピソード。洋楽部門に異動したある人物の名前は「珍名さん」と呼ぶに相応しいものでした。アメリカ人の社員たちは相談し「お前はスパニッシュ的な風貌だから、今日から『ホセ』と呼ぶことにした!」なんてことがありました。
後列中央のネクタイ姿の人物は、市川大三郎さん。
当時ジョンソン基地の建築設計部門に勤務、多くの施設の建設に携わったそうです。所謂「米軍ハウス」もそうで、市川さんがいなければ、現在の「ジョンソンタウン」は存在しなかったかも知れません。
2階へ上がる階段はファザードの真裏で吹き抜け構造、洋館的な造りです。
簡素だけど、上辺と底辺の間に「口」字状の取り回しを連ねたデザインの手摺がイイ!これを造るのは、結構な手間だと思います。
2階の壁にも写真が並びます。
以前にもご紹介しましたが、こちらは当時、豊満な肉体で名を馳せたセクシー女優、ジェイ・マンスフィールド。ジョンソン基地に慰問に訪れた時のショットです。
こちらは1961年のNick'sでのもの。
軍人の奥様とお嬢さんかな…。
1961年の写真。
正装したご夫妻のツーショットです。
まだ敗戦から16年。日本は高度経済成長期も入っていない時代。
令和2年にこの写真を眺めても、当時の国力の違いがはっきりと分かります。
こちらは1963年。
Nick'sは赤と白のチェック模様のテーブルクロスが、お店のシンボルマーク的に使用されていますが、1963年当時には既に存在したようです。
この写真の下には、筆記体でこんなキャプションが。
"Number one steak, and number one friends"
伍、七、伍にすれば、
「親友と 美味いステーキ 舌鼓」
かなぁ…(笑)。
この写真にも、筆記体の直筆でキャプションが!
"Miss Bee Gallagher"
ダッテ!(笑)
この写真を撮影し、キャプションを書いたのは、彼女のパパかも!
"Miss"と、わざわざ「言い切って」しまうセンス!
…将来、結婚するなんて、
「ト、トンデモナイ!」
的な本音が「見え見え」…!
…ボクは女の子のパパにはなれませんでしたが、洋の東西、宗教や言語の相違を問わず、娘へのパパの想いは不変・同一。それほど、
『すべてのパパは、ムスメにゾッコン!!』
…大変ほほましく、思わずニンマリしちゃいました!
さて、12時10分に店内に案内されました。
全員揃って「伝統のビーフシチューセット」(2230円)をお願いしました。
ライスかパンを、またサラダかスープを選べます。
ボクはライスとサラダにしました。
また、ドリンクはコーヒーか紅茶、いずれもホットかアイスを選べます。
ボクはアイスコーヒーをお願いしました。
最初にサラダが届きました。
パリパリ、シャキシャキとした食感。とても新鮮です。
おまけに、野菜と丁寧に撹拌されたドレッシングが美味!
おそらく、こちらのオリジナルと思われます。
「お待ちどうさまでしたー!」
メインディッシュが到着しました。
見るからに「美味しそう!」
全員揃って、
「いただきまーす!」
コッテリとしたデミグラスソースは、赤ワイン仕立て!
大きな牛肉は、トロトロになるまで煮込まれたものが、何と4つも!
他に、別に茹でられたブロッコリ、ジャガイモ、ニンジンが添えられます。
これは率直に
「おいしい!」
底部には、平打ちのパスタが!
実にヴォリューミーです。
ビーフは、こんな大きさです。
お値段はお値段ですが、実に良心的でおいしいものです。
という訳で、ルーを少し残しましたが、ほぼ全て食べました。
義弟はボクより二回り大きいので、難なく完食。
母と妹は、メインディッシュは完食、ライスは2/3を残しました。
中でも、84歳の母の健啖には、三人揃って喜びました。
でも、みんな揃って「おいしかったー」と言ってくれたので、ホスト役のボクとしては嬉しい限りでした。
食後にドリンクを楽しみ、お会計です。
お料理のテイクアウトと、地元産野菜の店頭販売がされていました。
野菜はこちらのようなレストランに卸している地元農家の方が作ったもので、この騒動で営業を自粛する店舗が続出、販売先がなくなってしまったので、店頭を借りて販売しているそうです。
この話を聞き、母と妹が、大量に買い始めてしまいました(笑)!
地元に暮らすボクが、太鼓判のお店です。
わざわざ遠方から訪れる価値、大いにあります。
奥様や彼女を連れて行ってあげると、絶対に株が上がります。
実際、昨日は若い女性が独りで訪れて堪能していました。
他にも、例えば都内や神奈川の方は、クルマやバイク仲間と秩父方面へのツーリングをプランする際、こちらでのランチを前提にするのも良いかと思います。
ただ、肉料理はかなりのヴォリュームなので、それを念頭に置いてオーダーされた方がいいと思います。
また、コロナ禍での営業なので、特に遠方から行かれる方は、予め予約された方がベターです。
あー、おいしかったーー。
Nick's
埼玉県狭山市入間川4-25-3
0120-299-595
11:30-14:00 / 17:00-22:00
火曜休