
昨日9月3日、土曜日。
二週間振りに、長野県須坂市を往復、450キロを走りました。先週の1000キロ点検で合格点を貰い、5000までを許されましたが、そんなに「出せる」ものではありませんでした(笑)。
閑話休題。
前回、佐久穂町のカレー屋さんが、待ち客だらけで諦めた旨をご報告しました。その後、こちらのお店のホームページを拝見。3人のお子さんを抱え、神奈川県から佐久穂町へIターンして開店された経緯を知りました。「これは行くしかない!」との思いが募り、昨日訪れました。
千曲川を跨ぐ美しき石橋、栄橋の袂にお店はあります。
9時に須坂での治療を終え、到着したのは10時20分。まだ人影はありませんが、受付簿が玄関に出ていました。既に一組、署名がありました。ボクも書き込み、開店までの小一時間、この日のもう一つの目的地に向かい時間を有効に使う作戦をとりました。
戻ったのは11時25分。ほどなくご主人が中から現れ、受付簿順に店内へ誘ってくれました。
木と白を基調とした、清楚なインテリア。
カレー屋さんと言うよりも、お洒落な喫茶店風。
予めお店のホームページで予習して伺ったので「…ふむ」と心の中で頷きました。こちらは元スナック。Iターンでの開店を決めた際、幸運にも店舗兼住宅のこちらに入ることが出来たのだそう。
店内には、ちょっとレトロな「ハウスバーモントカレー」の看板が。
ご主人は、ハウス食品に17年間勤め、社内資格「スパイスマスター」を取得された、スパイスのプロ。
スパイスが詰まった瓶に囲まれたグレーの「カレンダー兼時計」がイイ!デジタルではなく、パタパタとウィングが落ちるもの。1分毎に、ウインクするかのように動きます。
厨房右の壁は黒板風になっており、「本日のきまぐれ」メニューが告知されています。この日は「麻婆豆腐な咖哩」。開店日と実営業日数もあります。
居抜きのスナックにあった照明。
明るいインテリアに、上品に溶け込んでいます。
メニューはA4サイズの二ツ折り。磁石のついた小さな竹の洗濯挟みで、カウンターに提がります。「スパイシーカレー」と「ラッシー」のセット、1100円をお願いしました。
二ツ折りの間には、A5のカラーものも挟まれていました。
「本日のきまぐれ」の他、そこから定番になった「バタチキ麺」、それに「トッピング」でした。
「おまちどうさまでした」
チャーミングな奥様が出してくれました。
おー、オイシソー!
1本のスプーンを、こんなお洒落な木箱に入れて出してくれました。
「いただきまーす!」
ルーは、挽肉のツブツブ感と硬さが残っていながら、柔らかくて咀嚼を楽しめるもの。そんなに辛くはなく、メニューに子供でも大丈夫とある通り。ですがスパイスは効いていて、食べ進めるにつれ頭皮にジンワリ汗が滲みました。これは素直に「おいしー」!
ごはんは日本食の「銀シャリ」とは別物。硬い炊き加減で「ゴワゴワ」とした食感(決して「ゴリゴリ」ではありません)。これがツブツブのルーとベストマッチ!一般的なカレーライスとはかなり異なりますが、インドやパキスタン、ネパールの方によるお店のものとも違うと感じました。実際、こちらでは「ナン」の提供はありませんでした。日本を代表する食品メーカーで、長年スパイスを研究された腕前、さすがです。
付け合わせは福神漬けではなく、ニンジンとタマネギのマリネ。酸味はさほど強くなく、さっぱりした味わい。もっと食べたくなりました。
ラッシーはミルクとヨーグルトの中間的なテイスト。さほど甘くなく、お店のカレーとの相性はピッタリ!個人的に、コーヒーよりこちらの方が合うと感じました。
というわけで、あっと言う間に「完食」でした。
ライスは「小・中・大」を選べます。元々小食なこと、この後およそ150キロの運転を控えていることから中にしましたが、食後には「大にすればヨカッタ…」と、少し後悔しました。
…ご夫婦による小さなお店。
長閑な佐久穂町で、連日満員の盛況。この日は生憎の雨でしたが、お店を出ると傘をさして多くのお客さんが待っていました。
マスターはハウス食品に17年間務めたそう。
3人目のお子様が生まれた直後、1年間の産休を取得して佐久穂に移り、明けると週末に戻る二拠点生活をされたとか。流産があったり、佐久穂の人々との交流、それに地元に開校したばかりの、大日向小学校の創造的に教育方針に賛同してお子様を通わせるに至り、Iターンを決意されたそう。「清水」の決意だったことと想像します。
ボク自身のこと。
妻は既に亡く、ひとりっ子の息子は独立。
間もなく62歳、今の会社はあと3年ちょっと。
今の会社は転職6社目。
5社目で不条理なことが重なり、「将来は無いと思え!」との罵詈雑言を浴びせられ、労働基準法違反の大幅減給を宣告されました。50歳で6社目を探す転職活動を8カ月続け、今の会社に拾って貰いました。それだけに感謝はしていますが、最近、会社が動揺しております。
残り3年。
ですが何時、お払い箱になるかも知れないと感じています。
過去の転職経験もあり、今からこの「先」の準備を始めようと、ごく最近に決意したところ。それだけに、人が作った「器」から「器」へ移るのではなく、自ら「居場所」を「創る」ことの大切さを噛み締めております。
おしいいカレーを戴き、同時にこの先の人生への「勇気」を貰いました。
ボクの拙い文章でご興味を抱かれた方は、是非
お店のホームページを訪れてみて下さい。ご主人の生い立ちからサラリーマン時代のこと、開店に至るまでの経緯、人生観などが満載!何かに迷われている方の胸には、「こんな生き方があるんだ!出来るんだ!」との想いが満ちると思います。
お店で忙しく動き回るご夫妻とお話しするチャンスはありませんでしたが、ボクもそんな一人です。
カレー屋ヒゲめがね
長野県南佐久郡佐久穂町高野町2950-8
11:30-15:00 火・水・土のみ営業
Posted at 2022/09/04 06:27:25 | |
トラックバック(0) |
カレー | グルメ/料理