
昨日10日7日、土曜日。
相変わらず休日はホームの母を訪ね、それ以外の時間は自宅の片づけとセルフリフォームを続けています。
旧い本棚をリビングに移したので、自室の押し入れに仕舞ったままの本を収めたつもりでいたダンボール箱を開けました。すると、こんな物が出て来ました。
蒸気機関車の写真集ばかりを重ねて納めた上に、レンズを上に向けて鎮座していました。この箱は、ほぼ40年間、開けたことはありません。ガムテープ等で封をしていなかったこともあり、長い間に蓋の隙間から侵入した埃にまみれています。
一階のリビングに運び、テーブル上でこの写真を撮りましたが、御覧の通り、かなり「バッチイ」状態…。このままでは写真をアップするのが憚られたため、簡単に掃除をしました。
昔のカメラは各所に凹凸があり、とても簡単にはキレイになりませんが、まあまあ見れる程度になりました。ペンタプリズムなどアルミ部分は、ピカールで軽く磨きました。
製造番号の下に「S3」の刻印が施されています。
アサヒペンタックスのS3、発売は1961年。ボクより1歳年下。
このカメラは、小学4年生の頃、ボクのもとにやって来ました。
当時、東京の下町のガキンチョ達の間でブームだったのが「鉄道」。鉄道100年が迫っていたこと、蒸気機関車の淘汰が進み、空前のブームになっていたこと、ディスカバー・ジャパンのコピーで、当時の国鉄が鉄道旅をアピールしていたこと等、複数の要因がありました。
ボクはカメラを持っておらず、親父に毎日のように強請っていました。
数か月したある日、「ホレッ!」と手渡されました。何でも、御徒町の中古カメラ店で買って来た、と言っていました。おそらく、母から貰う小遣を貯めて買ってくれたのだと思います。ただ、当時から程度は「中の下」程度でしたが、仲の良かったK君がペンタックスの最新モデル、SPを持っていたので、何だか天にも昇る気かしました。ところが、彼のSPにあるメーター(露出計)が装備されていないことに、直ぐに気付きました。その他にも、枚数カウンターが自動でリセットされない手動式だったり、やはり一時代前のモデルでした。でも、これを首から提げて廃止直前の都電を撮影したり、夏休みに一週間限定で運転された「SL黒姫号」の撮影に、K君と長野まで出掛けたものでした。
全くカメラの初心者だったボクは、最初は失敗の連続。撮ったはいいものの、果たして現像に出すと「マックロ」ばかり…。仕方なく、これまた親父に強請り、露出計を買って貰いました。これを契機に、少しずつシャッタースピードと絞りの相関関係を理解して行きましたっけ…。
シャッタースピードは、最速1/1000。動体を撮るには充分なスペック。
少し磨いたペンタプリズム。
昔の製品は、機械美に満ちています。
レンズはスーパータクマーの55ミリF1.8。旭光学で最もオーソドックスなもの。ネットを見ると「空の青や木々の緑が、少し褪せて映る」との評価がありましたが、高価なカラーフィルムを使ったことは殆どなく、そういうものなのか、と思いました(笑)!
あちこち弄りましたが、シャッターは下りず、レンズとフィルターは固着して外せません。最後に使ったのが何時だったか覚えていません。フィルムの巻き上げバネがおかしくなったのをきっかけに、使わなくなったのでした。
掃除をしながら、懐かしい少年時代を思い出しました。
もう動かないけれど、細部まで綺麗に掃除をし、ケビントに入れてあげようと思います。
Posted at 2023/10/08 15:05:08 | |
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