
7月18日、土曜日。
長野県須坂市を難聴の治療のため訪れました。
終了後、市内を走っていると、「草ヒロ」状態の「名車」が停まっているのに気づき、急いでUターンしました。
いすゞ「ベレット」、GTスポーツの名車です。いすゞが普通自動車から撤退して久しくなりましたが、他にも優雅なフローリアン、ヨーロッパ調のオシャレな「117クーペ」といった、他社とは一線を画す個性の強いクルマを製造していました。
フロントに丸灯が4つ並んだ、いかつい印象。
いかにも「走り屋」の風貌、周囲を睥睨するかのよう。
左サイドからです。
リアがスカートを被ったデザイン。フロントとは異なり、何処か女性的で優雅な印象を与えます。
フロントガラスは、車格の割に面積が広く感じました。
繊細な意匠のワイパーアーム。
これ、ボクのロードスターに取り付けたくなりました。
材質はアルミでしょうか。今も綺麗なフォルムです。
ルーフ前部中央に、伸縮式のラジオアンテナが。
この位置、実用上は大変扱い辛いと思いますが、デザイン最優先でこの位置に置いたような気がします。
フロントホイールです。
所謂「鉄チン」ですが、ワイヤーと言うかスポークと言うべきか、その姿はラグジュアリーそのもの!
エンブレムです。
Bは大文字、以下は小文字の筆記体繋げ文字。
女性が書いたかのような、細くデリケートなデザイン!
ドアノブです。
釦を押しながら引くタイプ。昔のクルマには、このタイプが多用されていました。何だか懐かしくなりました。
室内です。
外からはこれが限界でした。
リアのラッゲージ。
飛び出た「蝶番」がイイ!
リアビューです。
後ろはマムシや青大将が潜んでいそうなブッシュ、脚を踏み入れませんでしたので、これが限界でした。
左右それぞれ2連の四角いテールが特徴です。
「男性らしさ」と「女性らしさ」が混在しますが、それが虻蜂取らずにならず、結果的に優雅さが際立つデザインに昇華した印象です。それは前述のフローリアン、117クーペ、それにピアッツァ等にも継承されることとなります。
このクルマ、それなりにヤレてはいましたが、タイヤにはしっかりエアが残っていました。また、シルバーメッキを施されたパーツの状態が良好で、リアバンパーは輝いていました。ベレットに関する詳しい知識を持ち合わせていませんが、材料とメッキには、相当の資金を注いで製造したのでは、と思いました。
余談ですが、10年ほど前に、ヤマハXS-1をごく短期間だけ所有したことがありました。半ば黄色い土埃を被った状態でしたが、キャブとエアクリーナーのエレメントとゴムパッキンを掃除し、バッテリーとプラグを新品にしたら、いとも簡単にエンジンが掛かって驚きました。それが嬉しくてエンジンを磨き始めて、また驚きました。ボクのような素人でも、使われているアルミのクォリティーの高さが直ぐに分りました。アルミの肌理が細かく、目に優しい輝きを返してくれました。その一方、エンジンオイル注入口には「3000CC」とあり、大食漢ぶりにまたしても驚きました!結局、このXS-1は、前に勤めていた会社でいろいろ酷いことがあり、転職活動を決めた時、その軍資金捻出のために手放しました。汚なくて不動だったものを実働にし、磨くだけ磨いてピッカピカになった直後でしたので、今も未練があります(笑)!
このベレットを見て、そんな昔のことを思い出しました。
Posted at 2020/07/24 13:52:06 | |
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廃の美学 | 日記