
【はじめに】
高校生の時、卒業する先輩から1万円で譲って戴いたのがMC1。この名前はあまり耳馴染みがありませんが、所謂型式名です。日本ではカワサキ90MSを経てKM90の名称で販売されましたが、ヤマハのミニトレが大ヒット、終始日陰の存在でした。ところが輸出先のアメリカではそのままこの型式名で市場に出て、小さな車格とパワフルな2ストエンジンが好評で、大量に流通しました。
以来40年。今も我が家に棲み続けております。
此処では某ブログに掲載した内容を、一部修正しながら「引っ越し」掲載します。かれこれ10年以上前に書いたものですので、パーツの供給状況等に変化が生じている可能性がありますことをご承知下さい。
引っ越しの理由は、今もこの記事が残っている某ブログが、サービスの停止を発表したことです。本来の目的はボク自身の備忘録ですが、もし興味を持って戴けたらお読み下さい。
なお、90MS、KM90、対米輸出されたMC1の全てを対象としますので、カテゴリはMC1としますが、タイトルには日本で一般的に通っているKM90を使用します。
2010-05-15
組立 その参
今日は右ケース内の、ミッション系とキックスターター系のメカを組み込みました。
ほぼ「全バラ」だったエンジンが、ここまで来ました。
テーブル上に、ステンのペールやボール、パン類に小分けされていたパーツが、大分少なくなりました。
勿論、白に赤印刷の入った、新品パーツ類も。
小型のツーストで部品点数は少ないとはいえ、新旧それなりに存在した「モノ」が目前から消えていくと、嬉しいような寂しいような、妙な気分です。
ミッションの動きを手で確認すると、「カチッ!」と、小気味良い感触が手に伝わりました。
オイルを入れていない状態にしてはグッド!
先が楽しみです。
今日はロータリーディスクバルブまで組もうと思っていましたが、クランクシャフトに装填されるカラーとОリングが、すっかりサビサビだったディスクのとばっちりを食らい、全く使用に耐えない状態になっていたのを忘れていました。
新品を入手しないと、ここから先には進めず、あえなく順延となりました。
で、今日出来ることはと考え、ピストンを取り出しました。
ご覧のようにカーボンまみれ。縦キズもありますが、井上ボーリングの井上社長から合格点を貰いました。
まずは「お掃除」です…。
閑話休題。
この車、そんなに有名でも超レアでもない「ただの旧いカワサキミニ」ですが、ここまでの作業を総括してみようと思います。
■シートやブラケット、タンク等の「外装」や、ハーネスなど「電気系」、燃焼系や駆動・制動系の消耗パーツには、既にカワサキから出ないパーツが多数あります。
■ところがエンジン内部部品は、ほぼ9割が今も出ます。20数年前に1号機をバラした時と、さほど供給体制に差がありません。大型では欠品が珍しくないのに、40年前のツースト・スモールは、今もほぼオーケーです。
「宗一郎さん」なら分かりますが、「ヒコーキ屋」ではオドロキです。
「今もこの時代のパーツを使い、現行もしくはちょっと前のモデルを作り続けているから」との事実の産物のようです。
ちなみに、W、Z、H/KHといった大型人気車との共通部品も、少なくありません。
■この車を率直に受け容れたのはアメリカのバイク好きたち。今も愛好者が沢山いて、カワサキのお店に沢山パーツがあります。
ボクもやりましたが「困ったときのアメリカ頼み」が出来るのが強み!
全く知識がありませんが、果たして同時代のミニトレ等は、どうなのでしょうか?
という感じです。
ピストン等は困難ですが、
『まずエンジンをコンプリートにし、少しずつ外装を整えていく』には、うってつけのバイクと、改めて思いました。
結論。
「自分で1/1の(プラじゃない)モデルを作りたい方には、オススメーー!」
(*続く)
Posted at 2020/01/26 08:12:44 | |
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