
先月のことです。
坂戸の名店「丸長」さんに朝7時20分に到着、既に13人が行列する後尾に加わり、食べ終わったのが9時過ぎ。至近のコインパーキングに停めたロードスターに向かいながら、何気なく見たビルの2階の窓の内側に、縦に
『芽瑠璃堂』
の文字が。
俄かには信じ難かったのですが、携帯を取り出して調べると、やはりそうでした。
芽瑠璃堂さんはボクが学生の時代、吉祥寺の西の商店街に存在した小さなレコード屋さんでした。当時のメインストリームと言える洋楽グループ、例えばマイケル・ジャクソン、カーズ、プリンス、マドンナなどは一切扱わず、マニアックなアーティストのアナログを販売していました。ボクはここでフェアポート・コンヴェンションを初めて買い、バート・ヤンシュを揃え、ジョン・サイモンやジェシ・ウィンチェスターなど、『某社』が販売していた『ロック名盤復活シリーズ』を少しずつ買い足したものでした。余談ですが、ボクは卒業と同時に、その『某社』に就職したのでした。
さすがに朝9時には開いておらず、改めて昨日、訪れました。
階段から見上げた入口です。
何ともヒップでファンキーなイラストがお出迎え。
これを近くで撮ろうと思っていたのですが、折り畳み傘を仕舞うのに気を取られ、すっかり忘れてしまいました。
店内です。
土曜日の14時30分でしたが、客はボクだけ。
今はネット販売が主ですし、それを念頭に置いての坂戸出店なのだと思いました。
LPは、2枚以上購入すると半額!
これは率直に嬉しく思いました。
シングルもLPも、ジャンル毎の区分けは一切ありません。
ジョン・コルトレーンの裏にフランク永井、その裏にミッシェル・ポルナレフがありました(笑)!特定のジャンルしか聴かない人は嫌がると思いますが、ボクのように「クラシックと演歌以外は守備範囲」の者には、次に『ナニガデテクル』かわからない期待感が生じ、わくわくしました。
3枚を選び、70代とおぼしきご主人が立つカウンターへ。
「検盤と試聴、こちらで出来ますよ」
「吉祥寺の芽瑠璃堂さんで、キズモノを掴まされたことはありませんから」
ご主人、一気に「お懐かしい」モードに!
おまけに、ボクが『某社』に20年勤めたこと、業績不振で繰り返されたリストラで、遂に一本釣りされたことをお話ししました。長年、マニアックなレコード店を営んで来られたご主人、当時の『某社』の洋楽スタッフとも交流があり、今はボクと同じ事情で『某社』を去った先輩や同僚社員の話しで盛り上がりました。
『某社』時代もそうでしたが、音楽好きは基本的に『優しく』、『平等』、『自由尊重』、『ロマンティスト』、『ドリーマー』!!…こういうボクと同じ匂いのする方とお会いすると、たちまち20代の感性が甦ります。
会員登録をし、あるシングル盤を探して下さいとお願いし、帰途につきました。
今日の購入レコードです。
全て手書きのキャプションをつけたまま、持たせて下さいました。
ただ「売れればイイ」ではなく、こういう「感性の共有」は、この時代ではとても貴重ですし、持ち帰って見た時に口元が緩みました。
モータウンの男女混声グループの雄、グラディス・ナイト&ヒップスのベスト。彼らの代表作は「夜汽車よ、ジョージアへ」ですが、通じる情緒が溢れる曲ばかり。一曲毎に納得の頷きで聴きました。
ジャズ3大レーベルの一つ、リバーサイドのジョニー・グリフィンです。
アート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズ張りのフロント3管!!典型的なハード・バップに、アーリータイムスをつい飲み過ぎてしまいました!
コレは、キャプションだけで購入しました。全く無知のアーティストですが、どうもスペインはバルセロナのレコード会社によるリリースで、アーティスト名とタイトルは
"Pony Poindexter / En Barcelona"
針を落とした途端に「…!」
「ナンダカ、キイタコト、アルヨウナ、キガスル…」
よーく考えていたらわかりました。
アニメ「秘密のアッこちゃん」のエンデイング・テーマと瓜二つ!
2曲目は典型的なロックン・ロールのベースに載せて、ジャズやスカ、所謂ブラスバンドなどが融合したような、不思議なサウンド!
プレスリーの「監獄ロック」モドキもありました。
いやー、これは明言しますが「ヘンタイレコード・ヘンタイアーティスト」!
でも、メチャクチャおもしろかったです。
こちらは『宝の山』!
また伺います。
Posted at 2020/10/11 17:38:35 | |
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