
8月28日。
自宅でハローワークのネットページを見ていたところ、ある求人が目に留まりました。隣の市にある運送会社の庶務担当。正社員募集で、定年は70歳。給料は中の中クラス、賞与なし。
あれこれ考えました。
「この求人は、年金受給者、又は予定者を採用対象に想定しているのかも…」
ボクは12月で64歳、最後の「特別支給の年金」が支給されます。月額は約10万円。一年前、あれこれ思案した結果、これだけでは心元なく再就職を考えました。残念な結果となりましたが、資格試験に挑んだのも、それが理由。
在職中に年金を受給すると、「報酬の月額」と「年金の月額」の合計額が50万円を超えた場合、超過額の半額が年金から減額されます。つまり「働き過ぎると損をする」ことになります。 例えば年収1000万円を超える場合は痛くも痒くもないでしょうが、月額50万円ならば年収総額600万円。800万円ならば100万円が引かれてしまいます。この総額が600万円から800万円程度の場合、「働き損」が起きれば寝覚めの悪い思いがし、働く意欲が削がれるような気がしてなりません。
更に来年。
65歳になると、やっと年金は満額になります。ボクの場合、17万円弱の予定。600万円以内に収まります。
ハローワークの女性に応募する旨を伝えると、早速連絡をしてくれましたが、生憎担当者は外出中。翌日午前、先方から電話があり、オンラインで軽い面接。その結果、9月3日に正式な面接が決まりました。
ボクは、
1. 再雇用で3年半働いたが、長くても残り1年半。その後も働きたく、ラストチャンスの想いで退職し、長く働ける仕事を探している。
2. 総務管理職のキャリアが長いが、齢も齢、ポジションにこだわりはない。一兵卒として働く覚悟。
3. 年金が減らされない給与を望んでいる。
点をアピールしました。
採用担当の方からは、
1. 事務で最年長の方は、何と79歳。ご本人は「そろそろ、いいかも…」と言い始めて長くなる。この間に職務継承の目的から何人か採用したが、上手く行かなかった。とりわけ20代から30代の女性は、高齢男性とのコミュニケーションが、なかなか取れなかった。
2. 男性は定年を迎えると年金生活に入る人が多く、ただでも少ない就労希望者で、従業員50人のローカル会社に来ようと考える人は、更に少ない。
3. 定年は70歳だが、雇用の延長の可能性は充分にある。
との説明がありました。
その場で「是非来て下さい」とのオファーがあり、翌日には社長の承諾が得られたとのことで、電話で正式に採用が伝えられました。
再雇用後の再就職は「大苦戦になる」と想定、資格取得を目指しましたが、あえなく撃沈…。心理的にかなり追い詰められましたが、それこそ「とんとん拍子」で決まってしまい、却って「コレって本当なの…?」の心境。他ならぬボク自身が驚いております。
資格取得には失敗しましたが、「失業保険を受給しながら求職活動を行い、長引いて150日を過ぎた場合は年金を貰いながら継続する」との計画を立てましたが、何とか本懐を遂げることが出来ました。
定年後・再雇用後の再就職を考えている方へ。
求人票には、「年金受給者対象」とは、一切書かれていません。
ご自身の年金額を確認し、給与は幾らが適正なのかを考えることが大切と思います。還暦を過ぎれば、年金を受給することを前提に考えるのが現実的で、高ければいいという訳ではないと思います。また現実的に、そんなに高い条件で高齢者を雇おうとする会社はありません。「足る」を知ることが大切…。
10月から、新しい職場。
40年続いた通勤ラッシュを卒業、車通勤が始まります。
ロートルの身には、有難いことです。
年金生活になったら「あれをしよう、これをしよう」とも考えましたが、まずは再就職。これからは、例えば68歳で退職してもいいと思っております。
そして、帰宅すると、
郵便受けに「コレ!」が届いていました。
何という偶然!
安堵するのと同時に「本当に齢を取ったのだな…」と思いました。
今、あれこれ考え、不安を抱かれている方へ。
じっくり計画を立て、毎日少しずつでも実行することが大事。
必ず未来は開けます。
最も大切なのは、安西先生の言葉、
「諦めたら、そこで試合終了ですよ」
【追記】
Q500さまより、年金に関する詳細な解説をコメント欄に戴きました。ご関心のある方は、是非ご覧になって下さい。
Posted at 2024/09/06 08:37:37 | |
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定年・再雇用、その先の人生 | 日記