• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

ArtBlakeyのブログ一覧

2025年06月29日 イイね!

DOODLIN' BARBER SHOP (埼玉県所沢市)

DOODLIN' BARBER SHOP (埼玉県所沢市)   6月27日、金曜日。
 この日は平日休み。以前から行きたいと思っていたお店に、「ダメ元」で電話をしました。すると男声で「14時なら大丈夫ですよ!」との返答。早速「善は急げ」とばかり家を出ました。



 どうですか、この佇まい!
 住宅地のドンツキに、こんなお洒落な建物が!ボクの地元、入間市にある「ジョンソンタウン」を思わせる、アメリカンな意匠。ハナから期待で胸が躍ります。



 案内と料金が掲げられています。
 お店の名前は"DOODLIN' BARBER SHOP"。
そう、何を隠そう、此処は「床屋さん」!

 こちらの存在は随分前から知っておりました。
 都内に通勤していた当時は、会社至近や駅構内にある「廉価で髭も当たらないチェーン店」で済ませていました。また、再就職後は、仕事帰りに立ち寄るスーパーで、同様の店に行ってばかり。値段の安さもありますが、ささっと済ませることが出来るのが理由。



 こちらは完全予約制。ウキウキ気分で玄関扉を開けました。

 …其処には、想像を超えた空間が展開していました。

 全貌を捉えた写真を撮り忘れましたが、言葉で補完すれば「オトコの子のオモチャ箱」そのもの!たくさんのアナログ・レコード、車両のプラモデル、フィギア、楽器やスケートボード、etc...。ボクは思わず「…うおー!」と感嘆の声を上げてしまいました。そんなボクを、この日が初対面のご主人は、満面の微笑みで迎えてくれました。
 暫くお店のインテリアについて立ち話をしましたが、やがてご主人が「さあ、お座り下さい」と、こちらに招いてくれました。



 どうですか、この「椅子」!
 大きさ、デザイン、色合い、全てがアメリカン・テイスト!
 何だか、座るのが勿体ないような気持ちになりました。
 促されて腰を下ろすと、かなり大柄な人が前提の設計と思いました。でも座り心地は最高!手摺に両腕を預けると肩が開き、まるで「社長気分」!



 反対側から。
 右の袖には、何と灰皿が設けられています。
 嘗てアメリカでは、調髪に訪れたお客さんは、紫煙をくゆらせながら、整って行く自らの姿に微笑んでいたのかも…。



 この椅子は、1964年製。
 今までに2度、表革を張り直されており、その作業の際に中から経緯を書いた「らく書き」が出て来たそう。何でもアメリカから5台輸入され、そのうちの2個を使い、旧いクルマやバイクの世界で「ニコイチ」と呼ばれるレストアがなされたそうです。ご主人曰く「あと3つ、日本の何処かに今も存在するかもと考えると、夢が広がります」。

 ボクも全くの同感でした。


 
 こちらは洗髪に使う椅子。
 背後に黒い流し台が見えます。
 腰掛けて体を背後に委ねると、ご主人が首の後ろに熱いタオルを挟んでくれました。その心地良さに加え、髪をワシャワシャと洗われる快感に、すっかり耽溺してしまいました。



 鏡はこれまた、一般的な床屋さんでは、まずお目にかからないもの。堅牢な木製の枠に、横長の巨大なミラーを嵌め込んだもの。ご主人によると、元は「製図のトレース台」だそう。木枠の材料は硬く、今では輸入されていないものだそう。

 写真を撮り忘れましたが、髭を剃って貰っている時。
 倒れた椅子の上でふと目を開けると、吹き抜けの天井で巨大なシーリング・ファンが、ゆっくりと回転していました。この建物は店舗兼住宅ですが、店舗側は西日に当たるため、夏場は必需品なのだそうです。



 鏡の背後の壁には、ピアニストの大きなパネルが。
 理知的な面持ちの彼は、何とホレス・シルバー!
 ブルーノートに数々の銘盤を遺した、名高い人物。彼が純粋な黒人ではなく、中米の血が混ざっていることは知っていましたが、この精悍な表情を捉えたショットには驚きました。

 このパネルは新宿のジャズ喫茶"DIG"や"DUG"のオーナーで、ジャズ評論家や写真家としても広く知られた中平穂積さんによるもの。ご主人は大のホレス・シルバーのフリーク。開店の際、親交のあった中平さんに「お気に入りのシルバーの曲名を店名にする」旨を伝えると「美容室ではなく床屋さんというのがイイ!」と、直々に譲られたとの逸話を披露して下さりました。



 やっぱり、ありました。
 店名の"Doodlin'"は、上の青い作品(HORACE SILVER AND THE JAZZ MESSENGERS BLP-1518)に収められています。



 一方、反対の壁にはドラムセットに座った黒人少年のフォトが。
 ご主人によれば、こちらはごく一般的なものだとか。
 この写真の左端にご注目!
 何と、The Beach Boysの銘盤 "Pet Sounds"が、さりげなく飾られています。暫くご主人と、亡くなったばかりのブライアン・ウィルソンについて語りました。



 奥の壁には、スープの缶詰が並んだポスターが。
 このデザインはアンディ・ウォホールかなと思っていたら…



 何と、バンクシー!
 ご主人によると、まだこんなに高名になる前に購入されたとか。300枚刷られたうちの一枚で、今ではプレミアムものだとか…。



 ご主人の仕事道具。
 ボクの調髪を終えた直後に撮りましたが、輝きが美しい…。普段からの丁寧なお手入れが窺えます。



 この時は、山下達郎さんの "Big Wave" が掛かっていました。



 こちらのレジカウンターでお支払いをしました。

 帰る直前のこと。

 偶然、ボクはカワサキW1のTシャツを着ていたのですが、「常連にいつもスズキのTシャツを着ている『スズキフリーク』の有名人がいらっしゃる」旨をご主人が語り始めました。

 …お名前をお聞きし、ボクは『ブッ飛んで!』しまいました。所沢とは全く無縁、北のご出身。絶テクのギタリスト。動画チャンネルでは、「KCのオリジナルに勝るとも劣らぬ演奏」と、世界から称賛されている方。スズキ製のクルマとバイクを一杯持っておられ、保管できる物件をあちこち探し求めた結果、定住してしまったそう。ある音楽雑誌のインタビューを受けた際、ご主人のお店をご指名されたそう。掲載誌を見せて戴きました。

 いやー、最後までオドロキの連続!
 ホント、良い意味で「ビックリ箱!!」のお店でした。
 再訪問決定です。


DOODLIN' BARBER SHOP

埼玉県所沢市三ヶ島2-928-1

070-5554-9281

 
※椅子は1脚だけの完全予約制。週末はかなり予約は困難なようで、ボクが滞在中に掛かって来た電話に、ご主人が「ごめんなさい」と話していました。狙い目はボクが訪れた金曜日とのこと。「(金曜日が)お休みの職業は少ないのかも」とご主人が仰っていました。この記事でご紹介した世界観に共感された方なら、遠方からでも訪れる価値があると思います。











 



Posted at 2025/06/29 08:31:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 床屋 | 日記
2025年06月14日 イイね!

アール・エス・アイザワ (神奈川県座間市)

アール・エス・アイザワ (神奈川県座間市) 今日6月14日、土曜日。
 ボクのNAの主治医、アール・エス・アイザワさんを訪れました。目的はトビラ写真のように、7月1日で車検が切れるため、更新整備をお願いしたのでした。
 ボクのロードスターは1997年製のSRリミテッド、既に28年が経ち、走行距離22万キロを越えた「大大古車」!4万キロでメーカーのディーラーから購入、何度か車検を通しましたが、どうにも木で鼻を括ったような対応に嫌気が差し、以来ずっとこちらでお世話になっています。

 初めてこちらを訪れた時のこと。あまりにもボロボロで目も当てられぬ状態でした。社長はタメイキ混じりに「全部やりたいけど、現行の新車(=NC)が買える金額になると思う」と言いました。結果的には、その時は足回りの一新(ブッシュ、サス等)、排気系総交換(マツダスピード製のポッカリ穴の開いた触媒で「ゲベゲベ」と下品な音でした)、ラジエター交換、などをやりました。おかげで走りは一新、全く別のクルマと思えるほどになりましたが、アバタだらけの塗装のマンマ(笑)!ピシッと脇が締まった「走り」をするのに、見た目は「オンボロ」の、何とも珍妙な状態が2年間続きました。

 その2年後。念願のオールペンと、その他細かい一新をお願いしました。この数年間での大作業は、18万キロでほぼ新品エンジンへの載せ替え、去年秋にはエアコンを一新しました。おかげで何とか、「大大古車」は好調を維持しております。ただ一つ、一度も手を入れていない重要なものが、かなり不安なのでした。それは…

ECU。

この時代には電解コンデンサが使われており、経年劣化すると液漏れが発生。基盤がダメになると全く機能しなくなります。ボクがこの症状で悩まされたのはクルマではなくビデオデッキでした。当時ベータの主導役だったのはソニー。ビクターを旗振り役としたVHSと激しい鍔迫り合いをしましたが、徐々にベータ陣営は追い詰められて行き、VHSが圧勝。遂にソニーはプライドを捨て、VHSを発売します。それがSLV-R7。初めてのVHS、メーカーの沽券に関わる事業と判断したのか、超高級民生機としてリリース。価格は当時で20万!ボクはかなり無理をして発売と同時に購入、すっかり悦に浸りました。ところが「ソニータイマー」の言葉通り、10年を過ぎた頃には不調に。ネットで調べると、どうやら犯人は電解コンデンサとのこと。果たして開けてみると、もう「吹きマクリ!」で、修理は見送ったのでした…。

 この経験の記憶が今も鮮明のため、今日はECUを開けてのチェックをお願いしました。30年近くも前の製造、完璧の訳がありませんから…。かなりビクビクしております。

 閑話休題。

 今日のアイザワさんを、少しご紹介します。





 塗装ブースには、ドンガラのNAが。
 殆ど「バスタブ」状態!
 一度でいいから、こんなオフロに入ってみたいなぁ…。





 このクルマのデフとエンジン。
 デフは作業が終わり組み立て直後。Kさんが塗装の真っ最中でした。
 ホント、丁寧な仕事です。



 先に帰られたお客さんのNB。
 この後雨の予報だけど、降り始めるまで開けて行く、と仰り、嬉々として開けていました。その表情は「男の子」そのもの、とってもチャーミングでした。



 アリャリャ!
 最初はビックリしましたが、よく見るとハードトップ仕様。
 代車で訪れた、まだ20代から30代男性のクルマでした。
 長く通っていますが、「兄弟」に遭遇したのは初めてでした。
 どうやら、パワステの不具合を直したようでした。

 さて、今回は何が見つかるやら…。
 終了後にご報告致します。







Posted at 2025/06/14 17:07:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | ロードスター | クルマ
2025年06月08日 イイね!

東屋 (埼玉県秩父郡皆野町)

東屋 (埼玉県秩父郡皆野町) 昨日7日。ボクも彼女も揃って休みでした。
 月末月初の多忙から解放されたボクは、何処かへ行こうと誘いました。

 彼女は連直明けで眠そうな声。
 最初は乗り気ではなさそうでしたが「おいしい鰻を食べに行かない?」と水を向けると、「行く!行く!」ダッテ(笑)!

 というわけで12時30分に予約、ドライブを兼ねて向かったのはこちら。



 秩父鉄道の親鼻駅の北側に、こじんまりした商店街があります。
 其処に、知る人ぞ知る「うなぎの名店」が佇んでいます。

 皆野町は「うなぎ」で知られています。
 皆野駅前には、週末はなかなか予約が出来ない大箱が二軒。
 かつて何度か、バイクでぶらりと寄ったことがありましたが、いつも「予約で一杯、ゴメンナサイ!」でした。

 前に勤めていた会社で、秩父出身の新入社員を迎えたことがありました。
 彼の実家は皆野駅至近の自営。それを聞いた瞬間、「いつも断られ未食だけど、あの二軒、美味しいんだよね?」と訊きました。すると彼は「子供の頃から、我が家では少し離れたお店に行っていました」と、こちらを教えてくれました。



 藍色の暖簾、毛筆体の「東屋」の行灯、営業時間の掲示に使われたレタリングと色彩、盆栽の如き松の植栽、数多の方が手を掛け擦り切れた引き戸の取っ手…。コレハ、コレハ、…期待が昂じます。

 玄関を潜ります。
 うなぎ屋さん特有の、食欲をそそる「嬉しい焦げの香」が!



 外観とは全く異なる、こんな渋い土壁と仄かな照明。



 4人掛けの座敷が縦に3つ。
 黒いタペストリーで区切られています。
 ボクたちが案内されたのは真ん中で、掘り炬燵になっていました。


 


 メニュー。
 うなぎだけではなく、いろいろな定食があります。
 メインは鰻重の「松」と「きもすい」をお願いしました。肝焼きは残念ながら、今日はなしとのこと。まあ、次回への楽しみとしました!



 ボクはノンアル、彼女は中ジョッキ。
 おつまみに玉葱サラダと蛸のから揚げをお願いしました。



 予約を入れていたので、10分ほどで登場。
 お重にお椀、中が見えないけれど、鼻腔には「あの香」が、遠慮なく侵入します。

「ごかいちょー!」(笑)



 ウワー、ご飯が殆ど見えません!
 思わず彼女と、幸せな目線の交換をしてしまいました。

「いただきまーす!」

 身を口に入れた途端、とってもオドロキました。
 とにかく「熱い」!
 唇に触れた途端、思わず離してしまいました。



 フーフーして、「アツアツ!」の「ふっくら!」を堪能しました。
 こんなに熱いうなぎを食べたのは、人生初。
 タレはちょっと甘め、焼き加減は皮が「パリパリ!」



 
 あれよあれよと箸が進み、



 あっと言う間に完食でした。



 お支払いの時にふと仰ぐと、立派な屋号の横に「おやはな」駅のプレートが。駅がリニューアルされた際に、秩父鉄道から戴いたそう。地域に根差したお店と実感しました。

東屋

埼玉県秩父郡皆野町2403
0494-62-0275

11:30-14:00 / 16:30-20:00
木休

※小さなお店、予約は必須と思います。











Posted at 2025/06/09 02:16:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | うなぎ | グルメ/料理
2025年06月08日 イイね!

間もなく「前期高齢者」の戯言

間もなく「前期高齢者」の戯言 なかなか更新が進まない此処にお越し下さる皆様、ご健勝でいらっしゃいますでしょうか。きっと皆様の多くは、ボクとほぼ同世代と想像しております。
 ボクはあと半年で「前期高齢者」になります。

 60代ともなれば、誰もがその後の人生をどう生きるかを考え、決める必要に迫られます。この段階で、主に二つのグループに大別できると思います。

 一つは定年や再雇用満了により、完全引退される方々。ボクの3歳年上の義弟がそう。60歳の定年時に再雇用を選ばず、何のためらいもなく、大手生命保険会社をさっさと辞めました。特別支給の年金が始まる63歳までの3年間は、貯蓄の取り崩しと、学童保育の指導員として勤める妹の給与で生活しました。現在も勿論無職。毎日、図書館に通ったり、地域のイベントを巡ったりしています。また、時々はソロで旅行に出かけています。少し前には、西表島に行き、すっかり日焼けして帰って来ました。彼が無職を選んだ動機は「もう、好きでもない仕事に残りの人生を費やしたくない、この先は徐々に体が衰えるのは確実、楽しめるうちに楽しみたい」というものでした。

 もう一つはボクのような、年金とのダブルインカム志向派。経済的な理由でこれを選択される方は意外に多いようです。
ボクの場合、その側面もありますが、早くに男寡になったため、少しでも社会と繋がっている必要性を感じたことが大きな理由でした。また同時に、40年も働いたというのに、「仕事をしていない自分」を思い描くと、恐怖心に似た感情に陥ったことが挙げられます。収入が途絶えることに加え、「社会人としての居場所を喪失する」のが怖かったのだと思います。今思えば、完全な「ワーカーホリック」。じたばた抵抗しながら選んだのが資格取得。ところが記憶力や精神力の減退は想像以上で、あっけなく撃沈…。幸い試験に失敗した直後に現職の内定を得て現在に至ります。ところが此処は、過去記事に記したように問題のある職場。まあ、64歳が雇って貰えるだけましですが、特別支給の年金支給が始まり、大好きだったシュタイネの閉店で、考え方が変わりつつあります。

 従前は「生涯現役」を目指していました。
今は、「何時まで仕事を続けようか」に変化しました。
楽をしたいからではなく、義弟の一言が、やっと理解出来たと感じています。

 60代以降の人生をどう構築すべきかについて、この国は長年年金を支払って来た個々人に対し、誰も自分が何時この世を去るかを予見不可能にもかかわらず、「75歳まで繰り下げれば支給額がどんどん増えるヨー」などといういい加減な制度を運用し、「あとは自分で決めればアー」と、まるでクレヨンしんちゃんのような言葉を言外に囁いていると感じます。

 長く患われた長嶋さん、懸命にリハをされたそう。
 あれほどの方にも、お迎えは来るのだと、改めて思い知らされました。
 凡人、平民のボクは「健康寿命」を強く意識させられました…。

 皆様は、如何でしょうか。

プロフィール

「お知らせ http://cvw.jp/b/2970161/46422054/
何シテル?   09/28 15:34
 妻はアルコール依存と摂食障害を患い、主治医の勧めで調停離婚しました。その1年後、彼女は突然世を去りました。一年に2回の母親との別れを経験した一人息子と、ドライ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
8910111213 14
15161718192021
22232425262728
2930     

愛車一覧

マツダ ユーノスロードスター マツダ ユーノスロードスター
現在12万キロ、まだまだ現役です!
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation