さて、お待ちかね……『こんな日は無理しちゃダメな日:第二部』です。
『いや、誰も待ってないって』って言う突っ込みが聞こえた気が……(笑)
意味深な題、そしてまた不可思議な画像からスタート。
しかし、表題通り、それは走行を無事終え鈴鹿ピットを出る、その時にはすでに兆候が出始めていたのでした……
まずは、時間を戻して、それは走行前8/7にまで遡ります。
8/5にFK8をエンジン&ミッションオイル、オイルエレメント交換等を含めた半年点検に出したついでに、フロント両側計10本の『ハブボルト』を交換してたんです。
サーキット専用車(特に国際級の鈴鹿フルコースと南コース専門)という事で、ブレーキ関係交換、タイヤ交換等でホイールの脱着回数が多い上に、ただでさえ熱害の酷いFK8に発熱が異常に高いサーキット専用ブレーキパッドを使ってる事もあって、ハブボルトへの負担も半端なく、初回車検を待たずに『そろそろヤバい状態』との診断が出てフロント10本交換となりました。まあ、逆にリアはやはりFFという事もあり熱的な負担等も少なくまだ大丈夫でしたけどね。
作業終了後、確かに工場長さんから言われてたんですよね……
『サーキット走ってるアタッカーさんなら大丈夫とは思いますが、ハブボルト交換してますので馴染みが出るまでは締め増し等は頻繁にやってくださいね』
……実際、僕もそれは分かってたんですよ。だって、常日頃、サーキット走行前にはきちんとトルクレンチを使って締め増ししてますからね。
FK8でサーキット走り始めた半年ほどは、走行前はもちろん、走行後も締め増しをしてたんですよ。ただ、その時は走行直後に行って伸びやすかった事もあって、途中でフロントのハブボルトが二本ほどダメにしちゃった事もあって、その時から走行後は締め増しを止めてたんです。
サーキット走り始めてしまばらく(車が新しい内)は、走行前でもトルクレンチを掛けるとやや締め増しが必要な感じがあったので、特に気を付けてやってたんですが、この頃には馴染みが出て走行前ではほとんど締め増しの必要のない状態だった事もあります。
そう……この時は『馴染みが出てた頃』だったのを自覚してなかったですよね。
時間を元に戻します……この日、僕はきちんと走行前はトルクレンチを使って締め増しをしてました。
そう、僕はその時の感触にもっと注意しておくべきだったんです。その時の締め増しの感覚は、サーキットを走り始めたあの車が新しい頃と同じ、そこそこ締め増しが出来る状態だったんです。
でも、走行終了後は熱でボルトが伸びやすい事を気にして、締め増しをしてなかったのです。
もう、察しの良い人なら何が起こったかに気が付いたでしょう……
無事……とはいえ、シケインで二回のコースアウト(鈴鹿のシケイン周辺は人工芝マットが敷き詰めてある事もあって多少のコースアウトは車両には特に問題ない)がありしたが……走行を終え、ほっと一安心してピットから出て、サーキット内の道を走ってる時に時折、右フロント辺りに微かな振動と異音を感じてはいました。
でも、それはサーキット走行後ではタイヤがタイヤカスを拾って結構、よく起きる現象で、しばらくすれば治まる物とその時は思ってました。
気にはなりましたが、とりあえずガソリンを入れて空気圧を元に戻して走り始めると一旦は、振動等は出なくなってたので、やっぱり原因はタイヤカスだったかと安心してそのまま帰路につきました。
この日は、翌日、嫁さんの用事で名古屋のデパートに行く予定があったので、いつものドミニクドゥーセ等へは寄らず鈴鹿ICから東名阪へ。実はこの間も、念のため意識的にレーンチャンジをするとほんの一瞬、また微かな振動と異音があるのが気になり始めてましたが、本当に微かな物だったのでそのまま東名阪へ車を乗り入れました。
しばらくはそれでも東名阪で意識的な加減速やレーンチェンジをして気にはしてたんです。それでも特に酷くなる感じはなかったんですが、御在所SAの少し前から、急に右フロントから振動と異音が!
この時は、半年点検時に確認してた右フロントタイヤの一部にあったトレッドの剥がれが酷くなっていると自分では思ってたんです。思えば、トレッドの剥がれがあったのが偶然同じ右フロントだったのが判断を狂わせた要因でもありました。
とりあずこのまま走行は危険と判断して御在所SAに車を入れ、タイヤを緊急点検。
目視で確認しましたが、特にトレッドの大きな剥がれ等は確認できず。
そう、あのトレッド剥がれが無ければ、この時、もしかしたら本当の原因に気づき、自分で対処出来てた可能性もありますが……すべては後の祭り。
それで、やっぱり大きめのタイヤカスが剥がれ落ちたのが原因だろうと、再び車を動かし始めるとSA内では特に振動もなかったのでそのまま本線へ……。
しかし、すぐにまたあの異常な振動と異音が!
このまま伊勢湾岸道に入るのは危険と判断して、すぐに最寄りの四日市東ICで東名阪を折りました。今一度、料金所を出たところで車を停めて、目視ですべてのタイヤを確認しましたが、やはり異常なし。
見えない部分に何かが引っかかてるんじゃないかと判断して、レッカー等の救援を呼ぶべきかと思った矢先、すぐ近くに見慣れたシルバーに輝く『H』マークの看板が見えたのです。
まさに蜘蛛の糸ですよ!もう一目散にその看板を目指して車を再び走らせました。もう、この時には、公道を常識の速度で走っても異音と振動が出続けていました。
そして、ものの数分でたどり着いたのが……
『 HondaCars三重北四日市あかつき台店』さん
……これが画像のディーラーさんです。
車を駐車場に停めると、すぐにレディーさんが駆け寄ってくれて、得体のしれない他府県ナンバーのFK8にも、嫌な顔も一つせずにこやかに受け付けてくれ店内へ案内してくれました。しかも、ドリンクのサービスまで案内してもらって。
冷たいドリンク(カルピスソーダ(笑))飲んでしばらく待ってると、このお店の店長さん出て来てさらに詳しい対応をしてくれました。店長さんは一緒に僕の助手席に乗ってくれて、近所を走って異音と振動を自らが確かめてくれました。
その時はすでに整備の車でいっぱいだったピットの一つをわざわざ急遽空けていただいて、メカの方が運転を変わってピットに入れてすぐに点検を始めてくださいりました。
ピットに入庫してしばらくして、店長さんにピットの呼ばれて行ってみると、原因は何と……
『ホイールのロックナットの緩み』
……でした。
しかも、もうかなり緩んでて手でも外せるほどの状態。ホイールにガタが出てあの振動と異音が発生してる、もう本当にヤバい状態でした。あのまま走行してたら間違いなく大惨事でしたよ。
((((;゚◇゚)))ガクガクブルブル
原因もつかめたので、そのまま、念の為、他の部分のボルトも少し強めに全部締め増ししていただきました。
僕が作業代金を支払おうとすると……
『これはサービスで良いですよ』
……と店長さんが。
ピットが満車の中、嫌な顔一つせず、しかも店長さん自ら対応してくれたのに何とか代金をという僕に店長さんは……
『いえいえ、大丈夫ですよ。
これからもサーキット帰りに何かあれば、
遠慮なく寄ってくださいね』
……と本当にありがたいお言葉を。ネット上では時折ディーラーの対応に色々言われることがありますが、このディーラーに関しては文句なく『神対応』そのものでしたです!
ですので、この場を借りてもう一度、お礼を述べたいと思います。
『Honda Cars 三重北 四日市あかつき台店の皆様』そして何より『伊藤店長さん』本当にありがとうございました。m(__)m
ちなみに、その後、帰宅するまで車はあのトラブルが嘘の様に快調でした。
特にサーキット走行の為に担当ディーラーから離れた場所に行く僕らみたいなホンダユーザーにとっては、この様なディーラーは本当にありがたい存在です。
僕は、今回、この『Honda Cars 三重北 四日市あかつき台店』にたまたま巡り会えた僕は、本当に幸運でした。まさに『不幸中の幸い』でした。
しかも、あの場所だからこそ、こんな半分笑い話ですみましたが、もし、無理してあのまま伊勢湾岸道入っていたらと思うと……今でも震えが止まりません。下手すればTVNEWSネタでしたからね。
これからは、サーキット走行前はもちろん、走行後もホイール等がある程度冷えたピットを出る前に、忘れずにロックボルトの締め増しをする事を心に誓いました。
しかも今まではホンダ指定のロックボルト締め付けトルク固定だったトルクレンチに替えて、使ってるRAYSのレーシングナット指定の強めのトルク(140N・m)対応のトルクレンチも新たに購入しました。
最後に、特にサーキット走行をする方は、走行前後(走行後はある程度冷えてから)にロックボルトの締め増しは忘れずにしましょうね。