
↑小学生の頃から愛用しているテスターのひとつ。アナログはやっぱりカッコいい!!
こんばんは😃🌃
おじゃぶです。夜分失礼します。
整備手帳での投稿のように、約1.5ヵ月ぶりにWRXと再会しました。
バッテリー、ドライスタート、心配ごとはたくさんあるのに時間はない。そんなもどかしい1日でした。
そこですこし発想を飛ばし、主題の件について以下のように考えてみました。
先に言い訳をすると、当方はロケット工学ならびに流体・燃焼工学専門であり、つまり電気関連は素人です。
高校や大学でひと通り履修はしているものの、その拙い知識では下記の投稿が精一杯です。💦
電気系ご専門の方からすれば、ごく当たり前のことを、あたかも難しく書いているだけの文に見えると思います。また誤っている可能性もあります。
ひとつの考察としてご覧いただければ幸いです。
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■はじめに
―1.5ヶ月ぶりの始動、そして気付いた違和感ー
約1.5ヶ月ぶりにWRXのエンジンを始動した。搭載しているバッテリーはパナソニックのカオス。
セルは回る。しかし、いつもの水平対向らしい軽快さではなく、わずかに粘る感触があった。
始動前に端子電圧を測定すると、表示は 約12V。
「始動できているし、12Vなら問題ないのでは?」
多くのドライバーがそう判断する数値ではないだろうか。しかし工学的に見ると、この12Vという数値は、むしろ注意すべき領域に入っている。
■ 12Vという数値の本当の意味
鉛バッテリーの開放電圧は、充電状態(SOC)と密接に関係している。
一般的な目安として、
・12.6~12.8V → ほぼ満充電
・12.4V前後 → 約75%
・12.2V前後 → 約50%
・12.0V付近 → 要注意領域
※OCVとSOCとの相関を調べた論文によると、満充電におけるOCVは約13.1Vとの記載がある。いずれにしても、12Vは危険領域。
つまり、今回の 12Vという数値は「満充電からは確実に低下している状態」 を示している。
さらに重要なのは、スターターが要求するのは電圧ではなく大電流である点にある。セルモーターは200~400A級の電流を必要とする。
バッテリーは理想電源ではなく、内部抵抗を持つ化学装置である。
セル始動時には、
「開放電圧 −(電流 × 内部抵抗)」
という電圧降下が起こる。SOCが低下し、内部抵抗が増加した状態では、クランキング時の実電圧はさらに低下する。
今回セルが「やや弱く感じた」理由は、まさにここにある。
■ 冬と長期放置が重なると何が起こるのか
今回の条件は、鉛バッテリーにとって典型的に厳しい環境だったといえる。
① 低温による性能低下
低温では電解液の化学反応速度が低下し、有効容量は大きく減少する。0℃付近では、常温比で約65%程度まで低下する。
② サルフェーションの進行
放置中、電極表面には硫酸鉛結晶が成長する。この結晶は内部抵抗を増加させ、大電流供給能力(CCA)を低下させる。
厄介なのは、この劣化が進行してもエンジンは「普通にかかる」点にある。つまり、症状が顕在化しにくいまま、性能だけが静かに低下していく。
■ 「とりあえずアイドリング」は本当に回復しているのか
始動後、約30分間アイドリングを行った。これは完全に無意味ではないが、本質的な回復には至らないケースが多い。
理由は主に3つある。
① 充電電流が限定的
アイドリングでは車両電装の消費を差し引くと、バッテリーに戻る電流は10~40A程度に留まる。
② 充電電圧が不足
鉛バッテリーのサルフェーションを分解するには14.4V付近の吸収充電が必要だが、アイドリングではこの領域に入りにくい。
③ 電解液の層化
低電流充電を続けると硫酸濃度が上下で分離し、容量低下と内部抵抗増大を招く。
結果として、アイドリングは「表面回復」に近く、深部の劣化までは改善しにくい。
■ 高出力オルタネータは始動性を改善するのか
ここもよく誤解されるポイント。
結論として、始動「瞬間」にはほぼ影響しない。
理由は明快、スターターはバッテリーから直接電力供給を受けるためである。
しかし、高出力オルタネータには重要な役割がある。
・始動後の電圧回復を高速化
・低回転域での電圧安定
・常時SOCの維持
結果として、長期的にはバッテリー寿命と始動安定性の維持に寄与する。
■ WRXという車両が持つ特徴
WRX STIは特にバッテリー状態が体感に出やすいと感じる。
・燃料ポンプや点火系など電装負荷が大きい
・AWD制御による電力消費
・水平対向特有の始動トルク要求
このため、バッテリーのわずかな劣化でもクランキングフィールに現れやすい。
■ WRX乗りへの注意喚起
※参考として読んでいただきたい。
実務的に整理すると、以下を意識したい。
・12Vという数値を「正常」と思い込まない
(思っている人は少ないか。。。)
・長期放置後はバッテリー性能が確実に低下している前提で考える
・アイドリング充電は応急処置に過ぎない
・冬季はCCA低下を織り込んで管理する
■ 結論
★バッテリーは「走らなければ回復しない」!
少し刺激的に言えば、
クルマは、走らせない限り健康にならない。
鉛バッテリーが本当に回復するためには、
・十分な回転域での発電
・安定した高電圧充電
・電解液の攪拌
・継続した充電時間
これらが必要になる。そして、それらを最も効率よく満たすのが「実走行」である。
逆に、「たまにエンジンだけかける」という行為は安心感こそあるが、半充電状態を維持しやすく、結果として劣化を進める場合がある。
なお、補足としてパルス充電器は、サルフェーションの微結晶を分解し内部抵抗を低減するという意味で、長期保管時のコンディション維持に非常に有効なメンテナンス手法と言える。
(おわり)
みなさまは、どのような管理をされているでしょうか。ある意味、貴重なクルマですので、走行距離を伸ばしたくない、というご意見も多いと思います。これもひとつの管理 とも言えるでしょう。
WRXは高性能であるがゆえに、電装負荷も始動要求も高い車両です。だからこそ、バッテリーという“静かな消耗部品”の状態が、走りの第一印象を決めるのだと思います。
数字だけを見るのではなく、その裏で進行している物理と化学を理解すること。それが、愛車と長く付き合うための最短距離だと感じた瞬間でした。
さて、今後どうするか。
工学、特に研究者という立場で考えると、これは絶対に外せない項目です。
上記のままで提出しようものなら、即刻リジェクトです。😅
いろいろな制約条件があるのもまた事実ですが、クルマのメンテナンスは、オーナーに委ねられたれっきとした責任です。