
こんにちは👋😃
おじゃぶです。
暑くなってきましたね。💦 たまにアイスコーヒーの画像を掲載していますが、抽出の度に思うことを頭の整理として言語化してみました。最近、新作のドリッパーを導入したので、興味が湧いています。
個人的に書きやすい論文調&章だてしています。
もっとこういう項目があれば、、こういう評価軸を設けては?など、ご意見あればお寄せください!
よろしくお願いいたします!
【ドリッパー形状およびフィルター特性がコーヒー抽出挙動に及ぼす影響について】
■はじめに
コーヒー抽出において、豆や焙煎度、挽き目に関する議論は多い。一方で、ドリッパー形状およびフィルター特性が抽出挙動へ及ぼす影響については感覚的評価が先行し、工学的な整理は十分とは言い難い。
そこで今回、従来より使用しているハリオV60およびコーノ式に加え、両者の設計思想を融合し特有のスパイラルリブを有するハリオV60NEOを導入した。本品は1杯取りの際に抽出時間が短く酸味優位な風味となること、反対に複数杯取りの際に通過抵抗の大きいフィルターにより過抽出となること、これらの改善を狙った製品である。
■実験背景
ハンドドリップは単なる湯通しではない。多孔質媒体であるコーヒー粉層を対象とした浸透・ろ過現象であり、気液二相流を伴う流体工学的プロセスとして捉えることができる。
抽出速度は、粉層透過抵抗、フィルター透過抵抗、ドリッパー壁面との接触状態、リブ形状による流路形成、ガス排出性など複数の要因によって支配される。特にドリッパーのリブ形状は、フィルター外周部の空隙率を変化させることで流路断面積や通気性に影響を与える。
■各ドリッパーの設計思想
ハリオV60は長く深いスパイラルリブを有し、フィルターとドリッパー壁面の接触面積を減少させることで流路を確保する構造となっている。その結果、圧力損失が小さく、比較的流量を確保しやすい設計と考えられる。
一方のコーノは下部のみリブを配置する構造であり、フィルター密着領域が広い。このため流体抵抗が増加し、粉層内部の滞留時間が長くなる傾向を持つ。
今回導入したV60NEO(スパイラルリブドリッパー)は、両者の中間的な思想を持つ設計であり、抽出特性にも興味があるところである。
■フィルターの重要性
しかしながら、実際の抽出系はドリッパー単体では成立しない。フィルターは抽出液そのものが通過する媒体であり、その繊維密度や厚みは透水係数に直接影響する。
つまり、抽出系全体の圧力損失は、
ΔPtotal=ΔPbed+ΔPfilter+ΔPgeometry
として整理できる。
ここで、
ΔPbed:粉層抵抗
ΔPfilter:フィルター抵抗
ΔPgeometry:ドリッパー形状起因抵抗
を示す。
一般的にはドリッパー形状へ注目が集まりやすいが、実際にはフィルター透過抵抗の寄与が支配的である可能性も考えられる。
■試験条件
今回比較する条件は以下の6パターンである。
・V60 × V60フィルター
・V60 × コーノフィルター
・コーノ × V60フィルター
・コーノ × コーノフィルター
・V60NEO × V60フィルター
・V60NEO × コーノフィルター
評価にあたり、以下の因子を統一し、可能な限り再現性を確保した。
・豆銘柄
・焙煎度
・粉量
・粒度
・湯温
・注湯量
・注湯パターン
■評価項目
比較対象は以下の項目とする。
・総抽出時間
・ドローダウン時間
・香りの立ち方
・酸味
・甘味
・苦味
・ボディ感
・後味
本来であればTDSや抽出収率まで測定したいところだが、まずは官能評価を中心に比較を進める予定である。
■初期テイスティング結果
現時点では全条件の比較を終えていないため暫定評価となるが、興味深かったのはスパイラルリブドリッパーとコーノフィルターの組み合わせである。スパイラルリブ構造によりフィルター外周部の通気性が確保される一方、コーノフィルター特有の比較的高い密着性と流動抵抗が加わることで、V60フィルター使用時とは異なる抽出挙動を示した。特に蒸らし工程では、粉層から放出される二酸化炭素による膨張が比較的大きく、粉層全体へ湯が浸透していく様子を確認できた。これはフィルター透過速度が適度に抑制されることで、蒸らし時の接触時間が確保されたためと推察される。
官能評価では、酸味の輪郭がやや穏やかになる一方で、甘味や質感の向上が感じられた。特に中深煎り以降ではボディ感や余韻の表現に優れる傾向が見られる。もちろん豆や焙煎度によって結果は変化するため一概には言えないが、少なくとも今回の印象としては、スパイラルリブによる流路確保とコーノフィルターによる抽出抵抗付与のバランスが良好であり、両者の特徴を比較的高い次元で両立した組み合わせと感じた。
今後はアイス・ホットそれぞれの条件において評価を継続し、抽出量や焙煎度との相関についても確認していきたい。
■まとめ
今回の目的は、「どのドリッパーがおいしいか」を決めることではない。抽出プロセスを流体工学およびろ過工学の観点から捉え、ドリッパー形状とフィルター特性の寄与を切り分けることにある。
抽出挙動を支配するパラメータはリブ形状なのか、それともフィルター透過抵抗なのか。しばらくはデータを蓄積しながら検証を続けてみたいと思う。
くだらない検証にお付き合いいただき、ありがとうございました!
Posted at 2026/06/18 20:27:34 | |
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