2021年05月23日
田村正和さんを偲ぶ
先月、田村正和さんが亡くられた。
みなさんは、どんな役柄を思い出されるだろうか?
私は「パパはニュースキャスター」とやはり「古畑任三郎」の2作品だ。
「パパはニュースキャスター」は1987年の1月~3月末まで放送されたコメディドラマである。酒癖・女癖の悪いニュースキャスターの前に突然、昔関係した女性との娘3人が現れ生活が一変してしまうというものだ。ドラマの冒頭では必ず?、キャスターの鏡は酒に酔って女性を口説く時、「そろそろ身を固めようと思っている。娘が出来たら名前は決めてある、「愛情の『愛』と書いて『めぐみ』、愛に恵まれるように」と口説いており、3人の娘の名前はすべて「愛(めぐみ)」と説明が入った。
当時の子役の3人(西尾まり、大塚ちか、鈴木美恵)は12~14歳。ドラマの中でその3人が集まるととても賑やかになり、田村正和さんが呆れるシーンは今でも思い出すことができる。それでいて、3人にアクシデントが起きるとパパらしく、ほろっとさせるシーンがあったりと、そのメリハリがとても面白かった。そして、劇中には本物の放送局名や著名人が本人役で登場したのも面白かった。
この子役の3人のうち2人は今でも芸能活動を続けているのは興味深い。もう40代後半になっているようだ。
そして、このドラマの主題歌は今は亡き、本田美奈子さんで「Oneway Generation」はテンポのいい曲だった。
そして田村正和さんの代表作として1番なのは「古畑任三郎」だ。
出演する犯人は主人公を張れるようなタレントばかり。日本版「刑事コロンボ」であった。もちろん脚本は三谷幸喜さんがコロンボをベースに制作したのだから当たり前なのだが、ただ、ドラマの始まりと途中に、古畑任三郎が、ドラマから抜き出したように一人で事件のヒントや解決について語るシーンは斬新だった。
全てのストーリーも面白かったが一番印象に残るのは明石家さんま扮する弁護士との対決だ。事件を解決のヒントは、犯人の弁護士水差しを、花瓶と言ってしまったばかりに自分が犯人であることが露呈してしまうというものだった。
この2作品はどちらも田村正和さんでなければ、成り立たないドラマである。二枚目で、二枚目の生活はこういう生活だろうという偏見と親という正反対を演じた「パパはニュースキャスター」。またつかみどころのない、生活感をほとんど感じさせず、刑事らしくない刑事でありながら、下手に犯人に近づきながら、犯人の油断したところを逃さない「古畑任三郎」。
田村三兄弟の兄の田村高廣さんでも弟の田村亮さんでも、代役はできない。当然、その他の俳優さんでも、このような役は難しいだろう。
先日の生島ヒロシさんのラジオで田村正和さんは人前では食事をすることは見せなかったという。どんな時でも楽屋で一人で食べていたのではないかということが話題になっていた。最近はSNSで普段の生活の一場面を公開するタレントさんが多い中、田村正和さんは全く自分の生活を見せなかったことが、そのイメージを崩さずに「田村正和」というイメージを継続させることができたのだと思う。
また、昨今二世タレントは多い中、親子二代にわたって、大成したことも素晴らしいと思う。畑は違ってもやはり親を超えるのは難しいけれど、自分なりの生き方で成功できたのは、あの表情やイメージには全く想像はつかないが、人には見せなかった努力があったのではないだろうか。(追記 本日放送のワイドナショーの番組での田村さんへのインタビューの中で 私は映画で失敗したんですよね…。との言葉があった。やはりそのことがテレビでの活躍に繋がったのかもしれない。)
古畑任三郎は演じたご本人は他界されたが、これからもきっと語り告げられていくドラマになったと思う。
田村正和さん、安らかにお眠りください…。
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Posted at
2021/05/23 08:21:03
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