マザー・テレサ　「りっぱな愛の仕事」

←沖守弘著：マザー・テレサ　あふれる愛

沖守弘氏はマザー・テレサを撮り続けているマザーの
信頼厚いカメラマン。

この著書のエピローグにこういう言葉がつづられている。

　　　＜死を待つ人の家＞を取材している時、ひとりのシスターが、
　　　ぼくに言った。「オキ、あなたもカメラをおいて、私たちの
　　　活動をてつだったら」
　　　たぶん、彼女は一種のジョークとしていったのだろうが、
　　　たまたまその場にいたマザー・テレサは、それをジョーク
　　　としてはききのがさなかった。
　　　マザーはそのシスターに、たしなめるようにいいきかせた。
　　　「オキの仕事は、わたしたちのために、写真を撮って世界中にこうした恵まれない
　　　人びとがいるということえお広めてくれることなのよ。それもりっぱな愛の仕事なのよ」

人は「何かのために」という思いをもちつづけ、自分は何が出来るのかと呵責に悩まされる。
しかし、「自分が今できる事を行う」という事の重要性を、その呵責で見逃してしまって
いないだろうか。

行いに、おおきいも、ちいさいも無い。
行いを受ける行い、これも行いを行う事に不可欠な受容体。
わずかな事、見逃されそうな事、マザーの言われる「愛」ってそのようなことも
含まれるのではないかと思う。

日々の生活を行う事、その小さな積み重ねが世界を支えていると思います。

マザーはノーベル平和賞を受賞したが、私が知らないだけかもしれないが、
メダルを下げた写真は無い。
この本にこのような文章があります。

　　　「オキ、私はね。ノーベル平和賞をもらうために、この活動をしているわけじゃないのよ。
　　　名誉とか勲章とか。私にはそんなに意味のあるものとは思えないのよ。」

と。

知る事の行い、知ろうとする行い、知ろうとすればするほど、知らない事が増えてくる。
しかし、行いが必要だと思います。