←昔々、穂高岳山荘前で。穂高岳山荘に泊まり、前穂高から雪崩で流される前の岳沢ヒュッテ(現在は岳沢小屋)に泊まるという大名旅行でした。
岳の三歩のモデルになった故宮田八郎氏が標題のBSプレミアムの番組『
ニッポン印象派 夏季特番「風の頂 天空の夏」 』に出演されるそうです。
穂高山荘の小屋番をしながらハチプロダクションとして山を知る人しか写せない映像作品を作り続けてきた宮田八郎氏。彼が取材協力した番組が放映されると氏のブログ「
ぼちぼちいこか 」(現在は何方が書かれているんだろう)に書かれていたので・・・
穂高岳山荘:『
弊山荘・宮田八郎につきまして 』
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氏のブログ、このように書かれていたのがある。
『
遭難事故 』:Posted by: Hachiro 2011-08-08 Mon 18:12:49 穂高
・・・引用ここから
北穂から涸沢岳へ向かっていた30歳前後のご夫婦のうち奥さんが縦走路から滑落、
約150mほどの急斜面を転がり落ちて骨折等の重傷を負ったというもので、
同行の旦那さんは何とか奥さんの所まで降りて救助を求めているとのこと。
知らせを受けた岐阜県警山岳警備隊の穂高常駐隊員3名が現場へ急行しました。
現場は滝谷C沢奥壁の断崖絶壁まであとわずかいう際どい場所で、
もう3m程も転がれば間違いなく命はないというギリギリの所でかろうじて止まっていました。
縦走路からおよそ5ピッチ、ロープを使って斜面を下降していきますが、
岩屑だらけの脆い斜面ではともすれば遭難者へ落石を落としかねず、細心の注意が必要です。
滝谷の真っ直中から重傷の奥さんを救うには、何としても現場から直接ヘリ収容したい。
迫り来るガスが視界を閉ざそうとする中で、
時間とも勝負しながらの懸命のレスキューとなったのです。
無線中継のために涸沢岳西尾根にいた僕の視界からも、時折現場は雲にかき消されてしまいます。
そんな中、岐阜県警航空隊のヘリ「らいちょう」が、
まさにギリギリのタイミングで滝谷の絶壁から奥さんを収容することに成功しました。
(その後続けて旦那さんをピックアップしようとしたときにはもう視界が効かなくなっていたほど)
無線を傍受していた僕も、その瞬間には「 っしゃぁぁぁ!!!」と思わず声が出てしまった。
警備隊の中でも最古参のベテラン隊員の的確な判断と対応、
悪条件にもひるまない航空隊のヘリオペレーション、
現場でのサポートをかって出てくれた山岳ガイド、
2時間に及ぶ救助活動中に縦走路で文句ひとつ言わず待機してくれた登山者たち、
そんな関わった人たちすべての気持ちと技量が為し得た救出劇でした。
病院へ収容された奥さんの無事を知らされて、旦那さんは声をあげて泣いていたそうな。
…ほんとうに、よかった。
たぶんほとんど誰にも知られることもない「山猿たち」の懸命の活動とともに、
たぶんほとんど誰にも知られることなしに、山の悲喜劇は繰り広げられてゆきます。
でもそんな人間の営みなぞどこ吹く風で、ただ穂高は今日もそこに在る。
そういう山の無関心さというか寄る辺なさみたいなものが、
時に悔しくもあり、時に心地よかったりもして、
「人が生きている」ということを、何かことさらに感じさせられます。
・・・引用ここまで
このブログを引用させて頂いた理由はこの遭難されたかたが感謝のコメントを寄せられていたから。そのコメントを引用。
・・・引用ここから
こんにちは。突然の書き込み失礼します。
私はブログに書かれている北穂高岳での事故で救出していただいた本人です。
一昨日、岐阜県の病院から無事に退院し、自宅に戻ってきました。
病院で調べたところ、脳に異常はないどころか骨折はほぼゼロで打ち身と切り傷のみ。お医者様や県警の方も驚くほどの軽傷でした。
いまだに、あのような場所で滑落してなぜ止まってくれたのか、こんなに軽傷で済んだのか不思議で仕方なく、本当に奇跡だったと思っています。
そして、あとから主人などに話を聞けば聞くほど、あの事故で支えてくださった方の多さ、そして、その誰ひとりでも欠けていたら、自分はあのとき救助のヘリに乗ることは出来なかったのだと、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
今回の事故は自分たちの計画の甘さや、山の怖さを十分に考えていなかったことなど、反省だらけです。みなさんにご迷惑とご心配をおかけしてしまったこと、本当に申し訳ないです。
ただ、あんなに怖い思いをしておきながらも、救助のヘリを待っているとき、前方の景色をみて「綺麗だなあ」などと考えていました。
このブログの最後のところ、「人間の営みなどどこ吹く風で・・・」とても共感します。
長文になってしまいましたが、今回、色々とご尽力いただいて命を助けていただいて本当にありがとうございました。この場を借りてのお礼、失礼いたします。
・・・引用ここまで
山ってただそこにあるだけですけど、有難い存在だと思います。コメントを寄せられた方、三歩は「感動した!」って返事をしたんでしょうね。
↓宮田八郎氏、氏のブログから・・・
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岳 -ガク-(プレビュー)
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岳:冰峰救援 花絮 小栗旬篇
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岳:冰峰救援 花絮 長澤雅美篇
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あぶないよね・・・
大キレット飛騨泣きでの渋滞(ノーカット版)
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↑初めて岩稜帯を歩いたんでしょうね、ここで転ぶと・・・。YouTubeにある大キレットの動画をを何本か観ていたら随分と多くの方がここにいらしているようですね、行き違えが出来ない個所が多いので大渋滞の状態にもなるようですね。今は槍ケ岳も渋滞が激しい時は槍ケ岳山荘から槍の頂上まで渋滞のせいで2時間もかかる時があるそうですよね、私は経験した事が無いですけどね。
登山道の鎖や梯子・ボルトで止められたステップ、小屋番の方々が整備されている、彼らにその責はないけど、登山者の安全の為に時間をやりくりして点検されている、有難い。
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追記。
今日のブログを書いた後、YouTubeの↑この辺りの動画を覗いていたら大キレットのA沢のコル(大キレットを北穂から降り切った所)での遭難救助(ご遺体の収容)の動画があった。登山雑誌にはこの辺りのコースは煩雑に紹介されているけど一歩間違えると遭難する。
この遭難の詳細を知りたいと思って動画のアップされた日付で検索したら、遭難された方のお知り合いの方が友の動画にたどり着いたそうです、その動画が今日YouTubeで私が見た動画でした。この方のブログを読むと遭難された方は山慣れされた方、合掌。
山友の遭難事故に際して
長野県警・山岳救助隊の遺体収容作業@大キレット
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