
山と渓谷の3月号を立ち読み(ごめん)していたら歩き方云々の特集だった。ページを捲ったらトレイルランのプロの方(記事に書いてある)がトレイルランのウェア・シューズ・ザックでで説明されていたので、トレイルランの場合はこのように歩くのかと思って見ていた。
先日、たまたま山渓のホームページを覗いていたら「
ヒザを痛めない、疲れない歩き方を学ぼう! 『山と溪谷』3月号連動、プロ・トレイルランナー小川壮太が伝授する実践セミナー参加者募集中」という記事があった。そして
HPで3月号も確認してみた。
本屋で立ち読みの時は記事を書いた方がトレイルラン用のウェアやシューズを履かれていたので、前述のようにトレイルランの場合の歩行方法かと勝手に思っていたけど、どうやらそうではなさそうな編集なので図書館に行って3月号を借りてきた。(棚に無く予約でした、人気者?)
読み直してみて、著者もこのような編集になるとは思っていなかったのでは感じた。多分、トレイルランだけの場合で書いたのかなと思う。
その貸出してもらった山渓の冒頭の文章を少々引用。
・・・引用ここから
トレイルランナーや山岳ガイドなど、山のプロと言われる人たちは、安定したペースで長時間歩き続けることができる。
ここではプロトレイルランナーの小川壮太さんに、正しい歩き方について指摘してもらった。
・・・引用ここまで
基本姿勢は「頭、肩、腰、くるぶしを鉛直にする」とし、下りは「腰や足の骨で体を支える」とし、登りでは「骨盤主導で登る」と書いてあった。
↓登りではこのような姿勢という事が指摘が別項であったが・・・↓
↓そして、上記セミナーの紹介ページで使用されていた登りと下りの姿勢↓
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トレイルランはやった事はないし知識も無いので判らない。しかし説明されている歩行方法はテントを背負ってアルプスの稜線を歩いたり、穂高あたりの岩稜帯を歩く方法とも異なるので、果たしてというのが感想でした。以下、雑誌の写真を貼る訳にはいかないで文章だけで。
基本姿勢:頭、肩、腰、くるぶしを鉛直にする。
テントを背負った場合、鉛直姿勢は無理。側面から見た場合、腰の部分で前後の重量バランスを取らないと歩行できないので若干の前傾になる。正面から見た場合、町中を歩くときより足をわずかに広げて歩行しないと荷の重さで体が振られる。この状態で歩くと軽いS字歩行になる。だからここで説明されている歩行方法でテントを背負って歩けない。
くるぶしを鉛直にした場合、地面や岩稜の傾きに大して体のバランスがとりにくいし、危険。スキーの場合、膝は拇指球の上にしていますよね、そうしないとアンギュレーションを取ることが出来ない。山岳歩行時、決して平坦では無い歩行面に対応するのに膝の位置を無視した姿勢は少々納得できないし、私は雑誌で説明されている姿勢で岩稜帯を歩けない。
×が付いている写真が掲載されているけど、この写真は「猫背にならない、膝を曲げない」だけど、私はこの×が点いた方法に近い方法でしか歩けないし、たどり着いた歩行方法がほぼこれ。テントを背負って歩き回りましたが、膝も腰も痛めたことはありません。
人間、後ろ足で蹴らないと進めませんよね。ここではつま先で蹴っていますけど普通の登山靴でつま先で蹴ると、その蹴った足のつま先が地面に突っかかる場合(転倒)が多くなります。これは膝を回転中止としたつま先の軌跡を考えればわかりますよね。
感覚的には後ろ足で蹴る時は足裏をなるべくフラットな状態で体を押し出す。こんな方法で歩いていました。蹴った後で力を抜き、靴を含めた脚部の質量で重力を利用して前に出す。
下り:腰や足の骨で体を支える。
下り、足を着くときは上の写真のように膝を曲げずに着くと解説がされている。ネットで見たら、トレイルラン用のシューズは衝撃吸収性をうたっているいるようなので、この方法で大丈夫なんですかね。
通常の登山靴、どのような山行をするかによると思いますけど足首保護が必要要素の一つですよね。山の中で捻挫したら悲惨です、私はスキーで捻挫は何回かありますが、毎回これが山中だったらと感じていました。
重荷や岩稜を縦走する時、踝を保護する靴しか履いていませんでした、何回かこの靴の御蔭を感じたことがあります。
平地歩行もそうですが、下りの時は膝は拇指球の感じでなるべく斜面にフラットに着く、そして着いたら膝を前に送り出す事で腰が斜面に並行に移動するようにしていた。体の上下動をなるべく緩和する方法で下らないと体を痛めるのその方法で下っていました。
斜面を歩く時はつま先を山側に向けるとあった。膝を曲げずに山側にとあるけど、私にはこの方法は怖くて取れない。その曲げた足に荷重を移動した時、足首を捩じる、膝を曲げないという関節の自由度を失くした状態では体のバランスが取れない。
岩稜帯で、斜めの岩盤の上を歩くなんてのはよくあるシチュエーション。同じような場所は町中でもあるかもしれませんので、お試しください。膝を曲げずにつま先を上り側に向けて。
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トレイルランはやった事もないのでそれに対する知識はありません。しかし、登山という観点からするとかなり違うのかなというのがこの記事の感想でした。軽い荷物で走り回る、そんな時は装備・歩行方法等々は違うんでしょうが、登山とは一寸ね。
雑誌では「トレイルラン」との記述はありますが、トレイルランの特集でしたら誤認はしないでしょうが、表紙に書いてある「悩めるヒザ:予防と対策」では通常の登山でと誤認する恐れがあるんでしょうね。現状の形成された登山層の人々を考えると心配です。
↓いつも一人だったのでアンザイレンなんてとんでもない。ここでアンザイレン、あまり見たことないけど、皆さん楽しそう。トレイルランで解説されている歩行方法でここは歩けない。奥穂から西穂より西穂から奥穂のほうが風景がいいですよね。
ジャンダルム攻略『ナイフエッジ "馬の背"』西穂高→奥穂高方向
アドバンス山岳ガイド「西穂・奥穂縦走」より
今月号の山と渓谷の特集は「上高地」、立ち読みさせてもらったら徳沢を詰めて大滝に登るコースはもうないんですね。徳沢の左岸から大滝に上がる時、反対側に滝が見えてましたよね。羽衣の滝って言いましたっけね?伊藤新道も無くなってしまったし・・・
Posted at 2017/04/26 10:15:37 | |
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山とスキーだね | 日記