
矢継ぎ早に次々に出される大統領令、その一連の大統領令なかにオバマ元大統領が許可しなかった「パイプライン建設の再開」、思わず映画「ペリカン文書」を連想してしまった。映画で画かれていた石油開発に伴う環境破壊・利権、それは現実の姿になるのかな。
カーター大統領の時代も許可は下りなかった。ブッシュの時代には許可がでましたよね。
ハリバートン社のCEOのチェイニーが副大統領の頃、石油開発にゴーがでたり、その後の湾岸戦争でもチェイニーのハリバートン社は莫大な利益を上げた。環境保護の観点からオバマ元大統領が止めていた二つのパイプライン。再開で益を得るのはトランプの言う労働者か?
そしてトランプ「米国内に敷設されるパイプラインに使用する鋼管は米国製を使用する」という大統領令も署名。1,280Kmに及ぶアラスカの北極海側からアラスカ湾に至る「トランス・アメリカ・パイプライン」、アメリカの技術では作れませんでしたよね、そして作れたのは日本だけ、新日鉄のパイプでした。技術は向上したのかな?
・・・・・・・・・・
「キーストーンXL・パイプライン」
オイルが含まれるオイルサンドを露天掘りし、砂からオイルを分離する。露天掘りなので完全な環境破壊、中東の油田のように砂漠で油井を掘って原油を得るのではない。掘削会社側はオイルを抽出した後、抽出後の砂はプールに入れ、その後その上を緑化すると言っているが生物レベルでは破壊でしかない。
ここら一体が露天掘り。
当たり前だけど露天掘りは表層のオイルサンドを掘削すれば枯渇する、そしてカナダではその枯渇が目の前。表層では無く地中にあるオイルサンドをオイルシェールと同じように科学薬剤でオイル分をくみ上げる方法に移行中のようだ。
薬剤、当然地中に拡散される。オイルを薬剤で分離する際に発生してしまう揮発分は当然地中を通って大気中に拡散される。オイルシェールと同じ地球に脅威を与える環境破壊が発生するようになる。温室効果ガスの発生だ。
Tar Sands Oil Extraction - The Dirty Truth
日曜洋画劇場 / ペリカン文書
The Pelican Brief - Original Theatrical Trailer
・・・・・・・・・・
「ダコタ・アクセス・パイプライン」
そしてトランプが署名したもう一つのパイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」、これもオバマ元大統領は環境問題と居留地の二つの問題を盾に許可を下さなかった。
こちらは地中深くの岩盤等に含まれるオイルをフラッキングという方法でくみ上げる。大量の水と薬剤、処理するとはいえ薬剤は地中に止まり、温室効果ガスの問題もある終わりを知らない環境破壊。
映画「ペリカン文書」と同じくジュリア・ロバーツの映画「エリン・ブロコビッチ」をご覧になった事がありますか。この映画で画かれているのは実話の環境問題。同じことがもたらされてしまう。しかし業者側は処理するから問題はないと処理水を呑む企業側の博士もいる。
下の動画、日本語の字幕があるので設定してみてください、フラッキングについてです。
Fracking explained: opportunity or danger
そして安全と言うなら飲んで見ろと・・・
Hearing on Fracking Wastewater Well in Sioux County, NE (clip)
エリン・ブロコビッチ.wmv
・・・・・・・・・・
映画「ペリカン文書」にこのようなショウ(ジュリア・ロバーツ)のセリフが流れるシーンがある。グランサム(デンゼル・ワシントン)にペリカン文書の内容をテープで渡し、伝えるシーン。
・・・引用ここから
1979年テレボーン郡で石油を掘り当てた
莫大な量よ
まず石油を運びだす運河の建設に許可が必要だった。
大口献金者であるマティースは湿原破壊となる開発でも楽々と許可を得た
10億ドルを超える利益は目前
そんな時、自然保護団体の緑の基金がラファイエット連邦地裁に工事差し止め訴訟を起こした
原告側に有利なのはー問題の湿原が水鳥の生息地だということよ
ムサゴ サギ ペリカン カモ ツル
主役はペリカン
30年に及ぶDDTなどの農薬汚染でー州鳥のブラウン・ペリカンは絶滅寸前なの
原告はこの鳥に的を絞って専門家に協力を呼びかけた
ペリカン訴訟が審理に入ったのは7年後
陪審は鳥より地元の利潤を考えマティース勝利
でも判事は差し止め命令の続行を決めた
ペリカンの保護は重要な問題だし原告が上訴するのは明白だったから
・・・引用ここまで
この中の『30年に及ぶDDTなどの農薬汚染でー州鳥のブラウン・ペリカンは絶滅寸前なの』、そうですレイチェル・カーソン「沈黙の春」ですよね。カーター元大統領もオバマ前大統領もこれが頭の中にあるのかなと思う。
Pesticides - DDT - Rachel Carson - Silent Spring
・・・・・・・・・・
今年の南極、昭和基地の湾は結氷しなかった。各深度における海水温調査、通年より海水温が高く氷河の底面側から氷河の溶解が始まっていると。昭和基地周辺に住むアデリーペンギン、通常卵は2個生みその内一個が孵るが、今年は結氷しないのでエサが採りやすく2個孵化していると。氷河を溶解させる海水温の温度上昇は温室効果ガスの影響以外に無い。
昭和基地、創設60年 日本の南極観測の拠点-ドローン撮影
トランプよ、こんな事は出来るのか?日本の鋼材、絶え間ぬ努力の結実、短期で結果を出さねばならぬ企業文化とは違う。
数十年 じーっと待つ研究
矢継ぎ早に署名される大統領令、本命を隠す為に隠れ蓑を使っているのかと思ってしまう。
Posted at 2017/02/01 15:09:44 | |
トラックバック(0) |
映画 | 日記