
←ITALA 40 1907
ワンダー×ワンダー#53「北京パリ 大陸横断レース」
昨日、これを見た。見た人、多いよね。
クラシックカーが14,000Kmの長距離を、しかも荒野の
中を走る様はすごい。セレブの道楽って言っちゃあ
御仕舞いだ、そんな範疇じゃないと思う。
途中、ITALA40が対向車とのすれ違いでスピンし、前輪の車軸をV字状に曲げ、リタイア。
故障した車をトランポに積み、自分達はトランポと反対方向の道に帰国の途についた。
しかし、夫人が車と一緒でなければ帰れないと言い、修理を行いレース復帰を決断した。
持ち込んだ自動車修理工場のオヤジは「ただでやったる」と言い、修理が始まったが、
40度近くに曲がった車軸をバーナーで暖めながら歪を戻し、タイヤ取り付け部のフランジは
プレス工場に持ち込み、プレスで歪を荒取りし、さらにハンマーで修正、最後は旋盤で平面を
出し修理完了。
簡単な工具と熱意でなおってしまう車。
一連のシーン、涙目になってしまった。
彼らも涙目になっていた。
多分、我々が惑星探査機「はやぶさ」に涙する感情と同じ感情なんだと思う。
そして、パリに辿り着く。
今の車じゃこうはいかない。
電子デバイスは全く関係なく、点火装置を除けば純粋に機械ユニットとしての自動車。
今の自動車社会で電子デバイスでの安全性はかけがえのない物。
でもそれと引き換えに感性をトレードオフにしているのかな。
一週間、車に乗っていないと違和感を感じるのは私だけじゃないだろうと思う。
脳しか無いというSFの世界になったらいやだな。
※
やってみたいよね、こういうレース。
※※
昔、自分で設計した部品は自分で加工できる物は自分で加工していた。
シャフトなら旋盤で切削し、板金は板から糸鋸で外形を切り、万力に咥えて曲げる。
板金の断面はヤスリを掛け、さらに自己満足の為にラッピングテープでピカピカに。
旋盤のバイトも自分でグラインダーで研磨、グラインダーのドレッシングも自分で。
今、こんな事やってる人はほとんどいないでしょうが、当時はそれが普通。
自分で設計した物は自分で作る、だから図面は見やすく、形状は作りやすくという事が
ごく自然に手が覚えこんだと思う。
今の時代が要求している内容は当時と全く違うので、同列には語れないのは承知の上。
でも、手先が使えないと知恵が生まれない。
手先を使うと言っても、高橋名人の指裁きと違うんです。
Posted at 2011/03/07 20:27:23 | |
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