
←某市役所の車いす用エレベーターのカゴ操作盤。
タイトル画像のエレベーター、たまに乗るけど車いす用のかご操作盤を何気なく見たら行先階の表示(インジケーター)の印刷が1階は消え、8階はその印刷が薄くなっていた。
この行先階表示の位置は肘を少し曲げれば触れる位置で、ドア側面に設置されている行先階ボタンを押すより乗降者にとっては押しやすい高さにある。そしてこのインジケーターの形状は押しボタンを連想させるデザイン。
押しやすい位置、そして押しボタンを連想させるデザイン。この事により乗降者がその目的を誘導しないデザインのインタフェースに誘導されてインジケーター(押しても動かない)を押してしまうんでしょうね。そして、その結果の印刷の磨滅。
同じメーカーの操作盤をYouTubeで探すと、これと全く同じく、乗降者の良く使用する階であろう場所のインジケーターの印刷磨滅がある。
そして同じメーカーのかご操作盤であっても、インジケーターの印刷が磨滅していない場合もある。行先階ボタンの表示が上のボタンのように数字だけが明るくなるのではなく、明示的にボタン全体が明るくなるので乗降者の操作間違いが誘発されにくいのかと思う。
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以前ハウスデザイナーにデザイン学科のシラバスにユーザインターフェースがあるのかどうか聞いたことがある。現在はどうか知らないが当時は「無い」との事でした。五感と関わる部分のヒューマン・インタフェース、叫ばれているほどに進んでいないのかな。
良くたとえ話で一例として取り上げられますが自動販売機のコイン投入口の向き、高い位置にある場合は縦で低い位置の場合は横、紙幣は全て横。切符販売機のように投入面が垂直でなく腕を少し伸ばす場合は縦、その他条件によって考えられていますよね。
人間の関節の動き、硬貨か紙幣かの差、それぞれを考慮して決めていると思うけど、大切なのはそれを感じさせない事。アフォーダンスと言う言葉をご存じいのかたは多いと思いますが、心理学者ギブソンによる造語ですが環境が与える意味。例えば椅子の座面と同じような高さの切り株、座れると無意識に判断しますよね、止まったエスカレーター、階段と同じ感覚で登ることはできませんよね。
これらは人間が生後に実体学習で獲得した認知判断。エレベーターのインジケーターを誤認して押してしまう、これもボタンの形状を経験的に認知しているからで、その経験則で押してしまう。
インターフェースと言うと五感が関わる事で範囲が広く複雑ですが、「なんでだろう」という感覚で機器設計をと思います。デザイン云々では無く、実際に機器設計する方々の認識が大きな力ではと思います。
例えば視覚障碍、勝手に「見えないから」と決めつけての設計は危険だと思います。いまはもうありませんが昔は磁気テープが視覚障碍者にとって有益でした。文学等の朗読テープ、多く使われていました。そのテープの編集(切って接着テープで繋ぐ)、彼らにとっては普通の作業でした。
自動車、コンソールが指先で認知出来たら素敵だと思いませんか?自分の好きなCD、儒首席から自身で操作出来たらいいと思いませんか。「こうだから」と、切ってしまうのは残念だと思います。ユニバーサルデザイン、デザイナーだけでなく、実際に機器設計する方々の力が試されるのかなと思います。
↓視覚障碍者用ルービックキューブ、模様で合わせる。
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ここから進んだんだろうか?
未だに孫悟空のようにアラン・ケイの手の平から出られない???
Xerox Star User Interface (1982) 1 of 2
Xerox Star User Interface (1982) 2 of 2
Posted at 2017/03/15 17:26:19 | |
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