
←昔ながらの「肩がらみ」という懸垂下降方法。
あたしゃ、これだった。
先日、気になる記事があった。それは、ロッククライミング練習中、
岩壁を降りる途中に転落し、両名共に死亡したとの記事。
「
ロッククライミング練習中、60代男女が転落死:朝日」
69歳の男性と64歳の女性、多分、
高齢の方なので新聞記事になったのではと思う。
ご高齢なのに無理されたのではと思われる方も多いと思う。
しかし、記事にあるように降下中の事故、登攀し、懸垂下降
という時の事故だと思います。私は、下降中に事故という以外、
細かい状況が全くわかりませんので何とも言えません。
テレビ等で、タレントの方が人工壁のボルダリングジムで(壁に突起をつけて登攀する)、
手が滑って落ちるシーンを見る事があると思います。そして、ロープで降ろされる。
なので、ロッククライミングは登っている時が危険と思われている方がほとんどではないでしょうか。
しかし、実際はそうではないのです。
今回の事故、くどいようですが、下降中の事故。
クライマーに言わせるとの懸垂下降中の事故が一番多いのではと言う。
千葉県勤労者山岳連盟のHPでヒヤリハット>クライミング>外岩、という項があるが、
その項目中6/10が下降中の項。
この項目の中にも「懸垂時事故が登攀中より多い為、、、」という項がある。
クライマーによると、登攀中より降下中のポカミスが一番多いと言う。
確認ミスのためにビレイのピンが抜けてしまったり、スリングがうまくかかっていなかったりとか、
普段なら何でも無いことが原因のポカミスが多いと言う。
他の部屋に何かを取りに行った時、他の物に気を取られ、肝心の用事を忘れる。
心理学用語では「スリップ」と言いますが、人間の行動に常に付きまとうやっかいな事象です。
もし、今度テレビ等でロッククライミングの映像をご覧になる事があったら、ロッククライミングは
登攀する時よりも下降する時の方が危険と思い起こして頂ければ幸いです。
そして今回の記事ですが、実情を知る事はロッククライミングに興味が無ければ不可能です。
その状況で記事が書かれたと思うのですが、客観的事実は事実、否定できません。
しかし、無用な誤解を避けるためにも、もう少し掘り下げての報道が、と思います、
日本フリークライミング協会会報
安全ブック2006:クライミングの事故から身を守るために
登山堅守所友の会
技術関連文献
登山者はこうして遭難する~山岳遭難事例から学ぶ山の安全対策
※
沢登で登れそうもない滝に遭遇したとき(コースを調べる時には判ってはいるのでうが)に、
高巻きと言って滝の側面の斜面を上り、滝を回避する事がある。
この時、言葉のように高い場所に移動しているので元の沢に戻るには斜面や崖を
ザイルを頼りに降りなくてはならない、
ここで懸垂下降が必要となり、そのために日和田山で練習してた。
※※
高齢者の事故が多いのは事実。
51歳から66歳にかけて女性の事故者が集中している、この年齢層だけで女性全体の
71%を占めているそうだ。そして事故内容で多いのは転・滑落と道迷いだそうで、これを
解決すれば遭難は2/3解決という。
一の倉沢・烏帽子岩懸垂下降
Posted at 2011/05/30 22:16:29 | |
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山とスキーだね | 日記